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②バウムクーヘンの思い出

バウムクーヘンは
僕が小さい頃は特別な食べ物で
来客があった時に
お土産としていただくような
甘い食べ物だった

母さんはそれを
大切そうにナイフで切り分けて
お皿に載せて出してくれた

少し温めた方がおいしいからと
温めてくれたバウムクーヘンは
より一層、甘い香りを纏って
おいしさを増した

それは
きっと「幸せの香り」だったんだろう・・・・・・


大人になった僕は
バウムクーヘンがほろ苦くなった





亡くなった母のことを思い出すから




湯山昭先生のピアノ曲集「お菓子の世界」
第2曲バウムクーヘン
に着想した物語です。