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詩とエッセイ

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ぽえまーよはんのひとりごと。
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#story

紙袋

紙袋

木曜夜の零時少し前
凍てつく夜も温かく
下り電車の賑わいは
健やかなる無法地帯

幽霊の様な境界線を
何でもない風に跨ぐ
通路という概念など
誰も覚えてはいない

ど真ん中に置かれた
高級百貨店の紙袋は
その威厳も虚しく、
なんてことでもなく

夢現の主人よろしく
やけに堂々とした姿
それこそ実に本来の
私だとでも言う様に

昼のいきぐるしさが
存在すら不確かな夜
ただそこに在るのは
星と空と少し

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きらきら。

きらきら。

愛はいかに生じるや。

黒板のメニューの字の癖
久しぶりに座った特等席
マスクをつけた銅像たち

運命的な出会いをして
穴が空くまで履きふるして
ボロボロだけど捨てられない靴

愛はいかに生じるや。

他のは煙たくて受け付けないのに
なぜか唯一安心する
名前も知らないあのタバコのにおい

項垂れて肩を震わす後ろ姿
泣いているのか怒っているのか
笑っているのか分からない背中の群れ

愛は
今年はじめ

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ユニコーン。

ユニコーン。

名前を、忘れてしまった人もいるし
ふと見えた誓いが、くすんでみえる時もある
今年の冬は、ヘンな缶飲料が増えたし
去年とは違う雰囲気のコートが流行ってる

どこかで会ったような気がする
夢の中だったのかもしれない
空気を揺らさない限りは
靴を脱いでも、敷居を跨ぐことはできないから

それでも時たま
顳顬あたりがピンと刺激され
繋がるはずもなかった糸を
一瞬で手繰り寄せあうことがある

目覚めて街を歩

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決壊。

決壊。

なみだって、
溜まってくものなんだ。

昨日は
逆転した立場を
大人になって
受け入れるしかなくて
ぐっと堪えて

今日は
悔しくても
もう大人なんだからって
胸を叩き叩き
飲み込んで

笑ったら
気分が変わって
どっかへ行くんだと
思ってたけど

笑いながら
扉を閉じたら
なみだがとまらない、
とまらない

もうだめだ、
今日はだめだ、
喉から息を吐きながら
そう思う自分と
そうやって泣け泣け、

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星の灯。

星の灯。

あなたがみて
美しいと思ったことを
しんじてね

あこがれた先に
裏切りと出あうかもしれない
でも
全部ほんとだよ
全部ほんとうなんだよ

うそだとしって
信じるとき
それは
期待かもしれないし
保身かもしれないし
ただの意地かもしれない

まとめて全て受け入れたい
そんなのは、
結局やっぱり綺麗事か。

耳をふさいで逃げちゃえ
きらいになるくらいなら

わたしの心は
まっすぐなの、
これまでだっ

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尊い日。

尊い日。

長い一日だった。

他人の人生には目もくれず
ただ、人に無関心というわけではなく

そういう人間になれたらと
それが第一線を生きることだと

それでも
好きが交錯して
好きに振り回されて

憧れが本物になりそうで
怖くて
利き難いブレーキを必死にかけたり
閉じて閉じて、何でもないふりをしたり。

そんなことしなくたって
平凡でも
私は誰かの生きがいだし
それが
商売で繋がれた縁だとしても
すべてに

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ピンクと青と。

ピンクと青と。

この感動だけで生きられたらいいのに。

帰りの電車
半分開いた窓から見える
摩訶不思議なピンクと青と

ガラス越しじゃない
本物の世界が
絵に描いたよう、嘘みたいに映える

感傷に浸る姿は
美しい人がするから美しいんだろ

積み上げたマイナスポイントが
わたしを透明にしたがる

本当は、
君とわたしの関係だけでいい。

生まれた時は知っていた
そんな簡単なことを、
歳をとる度
わすれて、思い出して

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blanc.

blanc.

クリスピークリームドーナツにmilk tea
あまくて あいまいな よる ほわいと

ひろくて まっしろな うしみつどきに
ゆめをみる かれの かのじょの

ーしりあい?
ーううん、
 しらないひと。

魂のカラダだけ
すれ違ったような
乳白色の世界で
#詩 #エッセー #ものがたり #作詞 #詞 #散文 #poem #essay #story #lyrics #verse

ちょうどよくなる。

ちょうどよくなる。

ちょうどいい、を知る。

あれも食べたい、これも食べたい
あとでお腹痛くなるってわかってるけど

プラスとマイナスと言わずとも

なんだかんだ
人生は勝手に調節される

だってほら
今日1日無駄にした、って焦ったり
詰め込みすぎて疲れて寝過ぎちゃったり

そうやって生きるように
しなないように

今 心配してしまうけど
それを止めようとはしないけれど

ほおを両手でパチン、として
そのあと自分を抱

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