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運命をどう感じるのか?

 授業「看護総論」において、個々のテーマに基づいて対話を行った。「仲間、友だちと関わることで得られるものはどういうものか。」「向いている仕事、興味のある(好きな)仕事のどちらに就きたいか。」「過去、現在、未来のどれを大切にするか。」どれも哲学的問いであり、興味深くてワクワクする内容なので、対話するには50分では全く足りなかった。しかし、高校生として色々な考えを持っていることに驚きつつ、多面的なまなざしを持ち、相手の意見を受け入れていることに感嘆した。目指す看護師として、否、人として、こういう“心の温かみ”を備えていることは大切である。
 とはいえ、これらも含めて、人間として考え続けていく問いである。絶対的な答えなど見つからないかもしれないが、それでいい。感性を研ぎ澄まし、多面的なまなざしを育めたら素敵である。一つの情報や価値観に縛られたり、狭い視野によって見つめたりしていると、いつまでも起きている状況を受け入れる心は生まれない。つい、心の弱さのおかげで、誰かのせいや周りのせいにしたくなる。あらゆる事物は、自ずとその流れになった。いいことも悪いことも自ら選択し経験しようとしている流れこそが、(スピリチュアル的ではあるが)まさしく“人生”なのである。
 そういう意味でも、流れに身を任せることは大切だが、人の価値観や考えに巻き込まれず、自分の考えを反芻し、揺らがない軸を持つことが第一である。何においても、思索することは欠かせない。
 この世に生まれて、生を受けたからには、あなたにはあなたの命を燃やして行う「使命」が必ずやある。それが何かは簡単には気づけるものでないが、目の前にあるあらゆることについて問いを深め続けて、自分の中で納得する解を見出しながら歩み続けていってほしい。
 さて、このテーマを掲げている中で「運命はあるのか。」という問いがあった。たとえば、結婚した夫婦(恋人たち)は“赤い糸”で結ばれているのだろうか。勿論、赤い糸は比喩的表現であり、人間の目に見えるものではない。敢えて言うならば、目に見えないと思っているに過ぎない。しかし、そのものを否定する根拠はない。それを受け入れる感性があってもいいと思う。
 「食わない」と「食えない」では一文字違いであり、栄養を摂取しない事象としては同じことだ。しかし、前者は断食のように意識的であり健康的である。一方、後者は病気がちであったり、他者に影響を受けたりして全き不健康である。不思議ではなかろうか。自ずと意識できるかどうかが事象に影響するといえる。運命とは“命を運ぶ”と書く。言い得て妙である。池川明ら著『いのちのやくそく』によると、運命とは「天命に至るにあたり、自分で考えて、選んでいく筋道」である。
 宇宙は96%が目に見えない物質でできている。こう考えれば、見えないものであっても、自分ができる領域を超えているものでさえも、まずは受け入れて信じてみる。そんな粋な生き方ができたら心地よいし、心が温まる思いがする。

넌 내겐 모든 것이였던  あなたは 私にとって すべてだった
                     (Koyote『Passion』)


🎵 人生相談&哲学対話ほのぼのカフェ 🎵
 
【Q101】将来のやりたいことが決まらないのですが、どうしたらいいですか。
【A】あなたにはやりたいことがたくさんあって羨ましいです。素敵なことですよ。過去を考えてみると分かりますが、あらゆる物事で色々な選択肢があったはずなのに、一つだけ選んで進んできています。だから、これからも心配せずともうまく流れていくから安心して。ただ、悩むことは大事なことです。その中で、必要なタイミングであなたは進むべき道を見つけられます。
【Q102】学生のとき、大人になりたくないと思ったことはありますか。
【A】ありますね。あらゆるものを与えられている方が気楽でした。ただ、やりたいことを効率的にこなしたいという思いが強く、遠回りするのが苦手でした。採用試験やさまざまな資格取得も一度で合格したいと考えるタイプです。でも、今は近道が必ずしもいいことだとは思っていません。遠回りがその人の人生になくてはならないこともあります。日本に四季があるように、人生には爛漫な春があれば、じっと耐える冬もあります。今というかけがえのない時間を大事にしてほしいですね。
【Q103】幸福が感じられないと食に走るというのは本当だと思いますか。
【A】喜びや楽しみ、やる気といった幸福感を与える脳内物質は、ハッピーホルモン(幸せホルモン)と呼ばれます。セロトニン、オキシトシン、ドーパミンが代表的ですね。確かに、食べることで幸せホルモンが分泌されます。疲れているときにチョコレートを食べたくなるのもその効果です。私もつい食べてしまいます(笑)。因みに、「笑顔を作る」とチョコレート2000個分のセロトニンが分泌されると言われています。やはり、日々笑って過ごし、幸せでありたいですね。
【Q104】現実逃避はいけないことですか。
【A】仕事や勉強などをしていて困難にぶつかれば、現実逃避をしたくなります。決して悪いことではありませんよ。寧ろ、心の健康を取り戻すために無意識に体で起こることですから心配しないで大丈夫。自分を守ろうとして起きていることなので、その体のサイン(兆候)を受け入れてあげましょう。ときには、辛いなと思ったことそのものから距離をとることは大切かもしれません。
【Q105】口癖が自分や周りに与える影響は大きいですか。
【A】口癖だけでなく、言葉そのものがあらゆるものに影響すると考えています。だから、標準語だけでなく、敢えて方言を取り入れて、印象づけられたらいいなと画策しています。自分ではきつく言っているつもりがなくても、受け取る側がそう感じてしまうことがあるので気をつけていますが、なかなかうまくいきません。それくらい言葉には心(想い)が乗ってしまうものなのです。
【Q106】ゲームはやりますか。
【A】大学生まではやっていました。とくに、ドラゴンクエストやファイナルファンタジーなどのRPGが好きでした。桃太郎電鉄やみんなのゴルフなども妻と一緒にやりましたね。
【Q107】ネクタイにこだわりがあるのですか。いくつ持っていますか。
【A】ダンディな紳士に憧れるので、こだわりはあります。Yシャツ、ネクタイ姿が似合っていると言われ、それが定着。ネクタイは30本くらい持っています。Paul Smithがとくにお気に入りです。

2022.11.1

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