マガジンのカバー画像

小さな旅

18
マガジンを作るほどでもない小さな旅の記録
運営しているクリエイター

記事一覧

秋の旅⑥ただいま新居浜

秋の旅⑥ただいま新居浜

6時頃出発。予報は雨だが、ほぼ気にならないレベル。
目指すは、新居浜のみんなのコーヒー。松山からは東温市経由の最短コースを走る。
ややきつい登りがあり、トンネルも多く、交流量も多い。が、雨に降られることもなく、順調に進む。

手ぶらでは失礼だと思いながら、収納力の乏しいチャリ旅ゆえ、各地でお土産を買いそびれていると、ついにあと5、6kmまで来てしまった。

何となく良さげな駄菓子屋を発見。地元の人

もっとみる
秋の旅⑤しまなみ海道で愛媛へ

秋の旅⑤しまなみ海道で愛媛へ

5時過ぎ起床。泊まっていた駅前のカプセルホテルは、サウナイベントをやるような充実した施設を構えている。出発前にひとっ風呂。足を伸ばせる湯船は気持ちいい。

6時頃スタート。あらためて福山の街は大きい。そこから20kmほど走り、尾道へ。小洒落ていて、湘南っぽい雰囲気。朝から散策する観光客もいる。

向島行きのフェリー乗り場に行くと、しまなみ海道の起点のサイン。
フェリーのチケットはどこで買うのか。キ

もっとみる
秋の旅④やまなみ街道で広島へ

秋の旅④やまなみ街道で広島へ

5時起床。6時前に出発。
出雲駅前のローソンにて、レターパックを購めて店内のポストに投函。
おにぎり、コーヒー、野菜ジュースを店先で摂っていると、ベロベロのオヤジさんがフッラフラで近づいてきた。

「うっわー、すっげー、すっげー」

あー、怖いなーと気づかないフリをしていたが、どんどん近づいてくる。

「こりゃ、すんげーわ。5万、10万じゃねーぞ」

その距離1メートル。もう無理だと視線を合わせて

もっとみる
秋の旅③島根初潜入

秋の旅③島根初潜入

5時起床。6時前出発。まだ暗い。ほどなく鳥取空港横を通り過ぎる。

別名『鳥取砂丘コナン空港』。作者の青山剛昌さんが鳥取中部の北栄町出身にちなんだことのようだ。

空港内外はコナンのキャラクターだらけ。
元々コナンはアンバランスな体型とキャラクターが苦手なので、うわっと思ってしまった。

夜明け。マジックアワーに見惚れる。

明け方は車も少なく、日本海を臨む海岸線は道も平坦。
この辺りは、『鳥取う

もっとみる
秋の旅②とっとり初潜入

秋の旅②とっとり初潜入

4時過ぎ起床。ドミトリーは暑いような寒いようなで、寝苦しかった。
5時出発。まだ暗い。短パン、半袖では、寒すぎた。
が、一度しまった防寒具を出すのがめんどーで結局、陽が出てからコンビニ休憩で上着とロングパンツを履く。出発時は上着が必要そうだ。

明石市の中心はかなり栄えている。新聞社で仲の良かった同期が明石出身だったなーと思い出しながら、駅を走り抜けていく。

加古川だ。新聞社で唯一の名古屋配属同

もっとみる
秋の旅①神戸の夜

秋の旅①神戸の夜

連休にどこかへ行こうと思い立ち、格安チケットを見つけ、自転車抱えて神戸空港に到着したのが水曜の夕方。

はじめての神戸空港はこぢんまりとしていて便利だ。2階の荷物預かり所で輪行バッグを預ける。1日300円。ひとまず6日分を前払い。その場で組み立てた自転車を抱えて階段を降りて外へ出る。すぐに陽は沈んだ。

ポートアイランドは人工島らしく整然としていて走りやすい。海沿いには釣り人の姿が見え、大学まであ

もっとみる
震災の後の厚真町@北海道徘徊記⑤

震災の後の厚真町@北海道徘徊記⑤

網走の展望台に上がったら、キタキツネがいた。

そんな大自然溢れる北海道を7ヶ月前、最大震度7の大地震が襲った。

北海道胆振東部地震。

少額を寄付した程度でその他何もしていないのは甚だうしろめたいが、せっかくなので網走からの帰りに厚真町を訪れた。

町に入ると、背の高い木々が倒れこみ、土砂崩れの後が目立つ。

エリアによっては、土砂崩れの範囲も広い。

とりわけ土砂崩れの被害が大きかった吉野地

もっとみる
網走の夜@北海道徘徊記④

網走の夜@北海道徘徊記④

「あれはね、北海道の歴史だから」

初老の女性は、小さく云った。

ビール730円。

「そうですね。でも刑務所の博物館は割りかし人が来てましたけど、この辺は観光客もぜんぜん見ないですね。店も結構閉まってますし。流氷が終わっちゃったからですか?」

網走流氷観光の名物、砕氷船は数日前に終わったばかり。繁華街と聞いてきた商店街は閑古鳥が鳴いていた。宿で割引券付きのチラシをもらったが、そもそも空いて

もっとみる
網走監獄@北海道徘徊記③

網走監獄@北海道徘徊記③

網走駅の裏側。刑務所とは逆サイドの山の上に『博物館網走監獄』はある。

大人1,000円(税別)。チケット購入時に「集計を取っています。どこから来ましたか?」と聞かれる。

受付を抜けると、を忠実に再現した門が現れる。

門番が忠実かはわからないが、実直そうだ。

まずは獄舎へ。重要文化財だそうだ。

なんか木造の小学校みたいな雰囲気。

ちなみに、5棟が放射線状に広がっている。上からはこんな感じ

もっとみる
網走刑務所@北海道徘徊記②

網走刑務所@北海道徘徊記②

網走駅前を流れる網走川にかかる橋を渡ると、それはすぐあった。

勝手に刑務所は人里離れたところにあると思っていたから、松屋とか、ケンタッキーとか、パチンコ屋とかと並ぶように鎮座しているのは意外だった。とはいえ、小説や映画のイメージの刷り込みもあるのだろうが、刑務所がこんなにかっこいい必要があるのかと思うくらい、雰囲気は抜群。

日本最北端の刑務所というロケーションは、島流しのようなイメージで地の果

もっとみる
はじめての帯広@北海道徘徊記①

はじめての帯広@北海道徘徊記①

「テメエ何してくれてんだ、この粗チン野郎がーー!!!」

急停車したロードスターから降りてきた”ザ・こけし”こと本間朋晃似の男が、赤ら顔を歪ませながら、道路の真ん中で叫んでいる。しかも、あろうことか、その視線は確実に私を捉えている。

「え、お、おれ??」

思わず、岡ちゃんから交代を告げられたカズばりに我が胸に指を立てて聞き返しそうになる。

目的地の宿の場所がわからなくて、直前の交差点でやや不

もっとみる
青森自転車旅④最後の夜

青森自転車旅④最後の夜

早朝、本州最北端の大間までやってきて、朝7時開店の「さつ丸」さんのおかげでマグロにもありつけた。
予定より1時間以上も早く大間を出発できてことで、15時30分発の脇野沢のフェリーにも間に合いそうだ。

強い向かい風を受けながら、風車を横目に下北半島を南下する。
すると電光掲示板に「海峡ライン全面通行止め」の表示が!

昨晩の三平さんで地元の方々に教えてもらったのだが、先の大雨の影響でいたるところで

もっとみる
青森自転車旅③本州最北端で生マグロ

青森自転車旅③本州最北端で生マグロ

4時過ぎに目が覚めた。暖かい布団のおかげで寒さを感じることなく熟睡することができた。多少疲労はあるが、筋肉痛もない。今日も走れそうだ。

5時過ぎ。窓がほんのり赤く染まりだす。ニワトリの声が響き、鳥のさえずりが聞こえ始める。

6時過ぎ。外に出る。強風に備えて、横倒しにしておいた自転車をチェック。特に問題なさそう。昨晩の風はさほどでもなかったか。ただ、今朝の風は強い。宿のすぐ近くに立つ風車の風切り

もっとみる
青森自転車旅②大間の夜

青森自転車旅②大間の夜

恐山から薬研方面の道が全面通行止めとあっては、走ってきた下北駅方面のむつ市街まで戻るしかない。

くだってきた坂を登り、登ってきた坂をくだる。

15キロほど来た道をもどり、下北半島の太平洋沿いを走る国道279号に乗る。

そこから20キロ走って、ようやく恐山から直で向かいたかった大畑町の中心地についた。

小さな港町で、漁船がいくつも停泊している。

風が強い。そして寒い。ただ出発直前に購入した

もっとみる