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妄想のカケラたち

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書く習慣アプリのお題 シロクマ文芸部のお題 ....などから妄想したもの
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2023年9月の記事一覧

#128 半袖Tシャツで迎える秋🍁【3行日記】

#128 半袖Tシャツで迎える秋🍁【3行日記】

#128 半袖Tシャツで迎える秋🍁

昼間は30度を超えるのでまだまだ半袖Tシャツだ。クーラーも入れちゃう。
ただ、この夏の初めにはしゃいで買った一張羅の麻の服はもう旬のさかりを過ぎてしまったような気がして、そして、それが少し残念で、寂しくて...

同じ半袖なのにこのセンチメンタルがきっと秋なのだろうとやっぱり今朝も半袖Tシャツを着ている

書く習慣アプリのお題「秋🍁」から #3行日記

夫婦円満の秘密【超ショート】

夫婦円満の秘密【超ショート】

#127 夫婦円満の秘密

いちじく畑を潰してできたコインパーキングの灯りが我が家を照らしている。
夫が「防犯になっていいね」と言うので「そうね」と口を合わせたけれど、本当は、月明かりよりも白く、強く、煌々と夜を照らすこの灯りの遠慮なさが嫌い。でも、そんなことを言うとめんどくさがられそうなので、この灯りのように白々しい笑顔の仮面をかぶって「そうね」と微笑んだ。

書く習慣アプリのお題「窓から見える

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秋の読む時間【詩】

秋の読む時間【詩】

読む時間に浸る朝の心地よいこと
開け放たれた窓から
ほのかに漂う
金木犀の香りに誘われて
もっと、深く、深く
物語の世界へ_
#シロクマ文芸部 参加作品です。
ご覧いただきありがとうございます。
また、部長の小牧さん
今週もありがとうございます。

金木犀の香りはまだですが
やっと涼しくなってほっとしています。vv*

前回の参加作品はこちら↓

以前、「書く時間」から始まる…というお題で書いた

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夜の灯りを喰らうひと【超ショート】

夜の灯りを喰らうひと【超ショート】

#125 夜の灯りを喰らうひと

夜の灯りが地上に広がる
このひとつひとつの灯りに
人生があり幸せがある

今夜も地上に広がる灯りに手を伸ばすと
灯りは一粒のあめ玉となり
彼はそれを口に運んだ

誰かの幸せが胃袋に広がる

叶うなら、喰らう側ではなく
これら一つの
ただの灯りになりたかった...

そんな憂鬱を抱きながら
彼は灯りのあめ玉をもう一粒口に入れた

あぁ 胸が焼ける
でも 今夜はもう少

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砂になるまでリフレイン【詩】

砂になるまでリフレイン【詩】

#124 砂になるまでリフレイン

浜辺の波が奏でる唄は
流れ着いた貝殻の
秘めた記憶の
遠い遠いどこかの唄

長旅の末、欠けてしまった貝殻の
欠けた唄の不完全なメロディーを
波は構わずにリフレインします

繰り返す波に洗われて
貝殻が砂となり
唄が消えてしまうまで__

書く習慣アプリのお題「貝が」から #詩

いつか星屑にしてあげましょう。【ショートショート】

いつか星屑にしてあげましょう。【ショートショート】

#123 いつか星屑にしてあげましょう。

きらめく星々をシロップにして
綿菓子のような氷の山を壊さないように
そっとかけました

この夏、最後のみぞれ氷です

ところが、
無遠慮にあなたが追い掛けしたイチゴシロップが、きらめきの綿菓子氷の山を赤くえぐります

それを乱暴に一気に平らげて
赤く染まった唇から
「やっぱり抹茶が好きだな」
と、屈託なく放たれた言葉が棘となり
チクリと私を刺して
小さな

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【短編】マイムマイムが募らせる私のブルー (シロクマ文芸部)

【短編】マイムマイムが募らせる私のブルー (シロクマ文芸部)

文化祭が終わりグラウンドでは恒例の後夜祭が始まった。

後夜祭ではフォークダンスを生徒全員で踊ることになっているのだけど、私は誰かに言われて機械のように踊るフォークダンス(特にオクラホマミキサー)が楽しいと思えなくて嫌いだった。

でも、後夜祭はひと通り踊るとあとは自由解散なのがいい。

大半の生徒はそのままグラウンドに残り時間ギリギリまでそれぞれ文化祭の余韻を楽しんだり、恋の花の種まきをする子も

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【詩】特別な月が慰める夜

【詩】特別な月が慰める夜

#122 特別な月が慰める夜

完璧じゃなくても
いいじゃん いいじゃん!
自分は自分ってのが
最近の流行りでしょ?

塞ぎ込む僕を夜が包み
十三年ぶりの大きくて
特別な満月が
僕を見下ろしている

書く習慣アプリのお題「不完全な僕」から #詩