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死ぬとお金がかかります。1. 老いた親との別れ方。

2017年初夏のある朝、父がぽっくり逝きました。
享年74。
本人も家族も、何の準備もしていなかった。
心も、お金も、お墓も全部。 



年老いていく両親に、そろそろ考えておかないとなー……とは思いつつ。
『親が亡くなった時に読む本』だの『いざというときの手続き』みたいなハウツー本も、本屋で横目に見るだけでけっきょく購入には至らず。
人が死ぬと、何がどういう順序で遺族に襲いかかってくるのか。「死亡届を出したりしないといけないんだろうなー」くらいで、その辺の詳細はまったく知らなかった。「まだいいや」とどこかで思ってた。


人って、死ぬとお金がかかるんです。
肉体の後始末に、即金で、それなりの金額が。


産まれるのも生きるのにもお金がかかるものだけど。
死んだあとにもお金がかかる。
そしてそれは、遺された者が払うことになる。

ウチは両親と私と妹の4人家族で、父は、料理人という職人業を選んだ割には、とあるレストランチェーンにサラリーマンとして定年まで勤め上げるという、保守的ギャンブラーな人生だった。

共働きでローンを払いながらではあったけれど、郊外にささやかな戸建てを所有し、ありがたいことに食うに困ったことはなく。極々一般的な日本の中流サラリーマン家庭だったのではないかと思う。

両親ともに末っ子同士で、継ぐべき「家」も「墓」もなければ、本人たちは「無宗教・無神論者」で、お世話になってる「お寺さん」もなし。結婚して40年夫婦仲は「良好」、親子仲は……微妙。でもまあ険悪とまではいかず。親せきづきあいもそれなりにあって、トラブルらしいトラブルもなし。という、フラットに基準に見やすい家族だったのではないかなー、と。


これは我が家の話だから、他家が「父親」を亡くしたときに、ウチと「まったく同じこと」が「まったく同じように」は絶対起こらないだろうけれど。
「親」を亡くしたときに降り掛かってくる、葬儀周りの順番はそう大きく変わらないと思うし。
ここから故人(になる方)と自分(遺族)の人生振り返ってみたら、あぁ、ここんちはこんなタイミングでこんなことが起こって、このくらいかかったんだ、じゃあウチはこんなもんかな~、の目安にできるのではないかと。

葬儀の「こんなときどうする!?」なハウツーではなく(それはほら、ホントに必要になったときに縁のある専門家がきっと知ってる)。
家族が死んだら、遺ったほうにはこんなことが起こったんだよ、を。
親のそろそろ、が見えてきた人たちへの参考程度に。

父の3回忌へ向け、その辺りのことをツラツラと。
書いていってみようと思う。




お読みいただき、ありがとうございます。
よろしければ、こちらもよろしくどーぞ。
死ぬとお金がかかります。
1. 老いた親との別れ方。
2. 父がぽっくり逝きました。
3. 葬式は、どうする?
4. 戒名って、要るの?
5. 仏壇が、ないのだよ。
6. お墓も、なかったのだよ。
7. 死後の手続き。
8. 葬式代わりのお別れ会(お手製)
9. 遺品整理も大変なのだ。
10. 死ぬと入ってくるお金。
11. 父親との最後の会話。
番外. 親友の義母の場合。



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