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映画と人生

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映画の感想と日記がまざったやつ。
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『はじまりのうた』プレイリストを人に見せる

土曜日、うちに友人が来た。
最近も外で会ってはいたけれど、家に誘う機会はなかったので、自宅に自分以外の人が入るのはかれこれ一年ぶりになる。

友人を家に招くのが好きだ。
部屋から出ずに遊べて最高だし、時間を気にせずに過ごせるのもいい。
なにより人が来る前には必ず掃除をするので、一気に部屋が綺麗になる。

そんな休日だが、少し恥ずかしい事があった。

友人がうちのアレクサでイントロドンを始めたのが想

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『マイ・プレシャス・リスト』とストレスだらけの水曜日

今週の水曜日、もう本当に何もかもが嫌になった。
嫌すぎて手帳にも「いやだ」と書いた。

ストレスが溜まっているのは自覚していたので、
早上がりしてエジプト展に行こうと思っていたら、仕事が長引いて、結局定時過ぎになった。

その瞬間、自分の中でなにかの糸が切れました。

原因はとにかく仕事に対する不満。
IT企業っぽく言えば、エンゲージメントの低下です。

取り掛かっている案件が、泥沼化している事。

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『シング・ストリート』が人生で最も好きな映画である理由

「一番好きな映画は?と聞かれても何と答えればいいかわからない」というのはよく聞く悩みですが、自分の中では答えが決まっています。
『シング・ストリート』です。

好きな映画を聞かれた際に、大事だと思うポイントが2つあります。
一つは人に勧められるくらい、普遍的に面白い作品であること。
次に、その映画が自分にとって特別な意味を持っていること。

一つめの条件だけなら、『ホット・ファズ』や『グランド・ブ

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『パターソン』と丁寧な暮らし

先日、オンライン読書会に『暮しの手帖』を持ってきた人がいて、その斬新なチョイスに心を打たれました。

読書会はみんな「今まで読めていなかった名著を読むぞ」と意気込むので、学術書や厚めの小説が揃いがちななか、『暮しの手帖』は異彩を放っていた。

その人が「こういう丁寧な暮らしを見るのが好きなんですよね。手芸とか、インテリアとか。見ても何もしないんですけど」と言っていた。
すごく共感した。

人の暮ら

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『エンジェル・ウォーズ』と最低賃金のバイト

この前、数年ぶりに『ジャスティス・リーグ』を観ました。アメコミに詳しい方ならお察しかもしれませんが、新しく公開されたスナイダー・カットのほうです。

ご存じない方に説明すると、『ジャスティス・リーグ』とは、2017年に公開されたスーパーマンやバットマンの登場するヒーロー映画です。

この映画ができた経緯は少し、いやかなり複雑なものでした。

初めにこの映画の製作を任されたのは、ザック・スナイダーと

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『レディ・プレイヤー1』と純粋経験に近い何か

突然ですが、『レディ・プレイヤー1』のラストは好きですか?

え、そもそも観ていない? なら一旦Prime Videoで観てから、戻ってきていただくとして。

公開当時あのラストをどう感じていたか、正直に言うとあまり覚えていません。それよりも「あれは〇〇が元ネタで、後ろにいたのは△△のキャラで……」と考えていたら、近くにいた男性が連れの女性に聞かれてもいないイースターエッグをべらべらと喋り立て、「

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『まどか☆マギカ』と好きを語る

先日、Twitterで「#いいねの数だけ些細なマイブームを紹介する」というタグがトレンドになっていて、ハッシュタグをつけているツイートに片っ端からいいねしました。

ここ数年で一気に、好きを語ることが美徳とされる世の中になったなーと思います。

SNSを見ていると、善意のマーケティング担当みたいな人がたくさんいて、自分の好きなものを巧みな文章やイラストで紹介している。もちろん無償で。

“好き”と

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『アメリカン・アニマルズ』と突発的な旅行

突発的な旅行が好きです。
プロフィール欄に書いてもいいかもしれません。

趣味:突発的な旅行

突発的とはなんぞやと思われるかもしれませんが、そう表現するしかないのです。
行き当たりばったりな旅行、とも少し違います。

直前まで考えていなかった外国行きのフライトを、出発まで1カ月をきった状態で突発的に買ってしまうのです。

来月の連休、イスタンブールにいたらどうだろう?
もし今ニューヨーク行きのチ

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『未来を花束にして』といつか生まれる君

<いつか生まれる君に、私はなにを残しただろう>

「花は咲く」という東日本大震災の復興ソングの一節です。
10年前にNHKでじゃんじゃん流れていた時は、特に心に引っかからなかったのに、半年ほど前にふとこのフレーズが頭をよぎりました。

親しい友人にもほとんど話した事はありませんが、自分はジェンダー平等というテーマについて、かなり関心があります。

そのきっかけともいえるエピソード。
それは中学校3

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『ボヘミアン・ラプソディ』とミタイの味

『ボヘミアン・ラプソディ』は人生で一番ハマって、映画館に通い詰めた映画です。

トリビアや解説は、ネット上に星の数ほどあるので、『ボラプ』にハマってから実際にした体験談をご紹介します。

1.ミタイの味

映画終盤、ジム・ハットンがフレディの実家を訪れる感動的なシーン。

ここで一定数のファンが気になったであろうポイントが、「ジムは出されたお菓子を食べたのか?」ということ。

あれは、インドのミタ

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『月に囚われた男』とテレワーク生活

「画面越しじゃない人間、久しぶりに見た」

SF映画のセリフではなく、最近思ったことです。
去年の3月から在宅勤務に切り替わったので、そろそろ1年半になるんですね。

最近menu(UberEatsの日本企業版)のクーポンが10枚くらい溜まっていたので、夕飯はほぼそれで置き配にしてもらっていました。

ドラマの刑務所のシーンなんかを見ると、食事がドアからサッと差し込まれたりするけど、概ね同じような

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『フランシス・ハ』と27歳

最近やけに若者ぶってしまう。
社会人4年目。

上司が求めてくるのは、いつだって「若者の意見」なので、
こちらもデジタルネイティブっぽい事を言う。
「ニュースはスマホで見ます」
「コミュニケーションはLINEよりもSNSですね」
すると、後輩が「そもそも検索とかしませんよね」と同意を求めてくるので、ちょっと焦る。

「ところで君たちって本当に、若者世代の中心にいるの?」
上司が尋ねる。

本当は、

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