『ボヘミアン・ラプソディ』とミタイの味
『ボヘミアン・ラプソディ』は人生で一番ハマって、映画館に通い詰めた映画です。
トリビアや解説は、ネット上に星の数ほどあるので、『ボラプ』にハマってから実際にした体験談をご紹介します。
1.ミタイの味
映画終盤、ジム・ハットンがフレディの実家を訪れる感動的なシーン。
ここで一定数のファンが気になったであろうポイントが、「ジムは出されたお菓子を食べたのか?」ということ。
あれは、インドのミタイという伝統的なお菓子なのですが、日本でも専門店に行けば買うことができます。
池袋にあるインド食材店でミタイを購入し、友人と昼下がりの公園で食べてみました。これがなんと、二口目が食べられないくらい甘い。
アメリカのチョコレートのような甘さではなく、煮詰まったシロップ(砂糖)の甘みです。
ちょうどひとかけらミタイが地面に落ちてしまったのを鳩がつついてしまい、友人と大慌てしました。
「あのサイズの生き物が摂取していい糖分じゃない!」
「まずい!鳩死んじゃうよ!」
が、数秒後、鳩がミタイをぽろっと吐き出したので事なきを得ました。
2.ティム・スタッフェルのサイン
QUEENの前身となるスマイルの演奏、およびそのボーカルであるティムが脱退するシーンも印象的でした。
ティム「俺はもっとビッグになるんだ」
ロジャー「ハンピー・ボング? 冗談だよな」
ブライアン「やめるなよ、ティム」
この時辞めてしまったティム・スタッフェルさんが、『ボラプ』公開後、初来日を果たしていました。
音楽雑誌の企画で、トーク付きのサイン会を開いてくれたのです。
音楽の道を一時退いていた彼は、映画のヒットで突然知名度が上がったことに、少し戸惑っているようでもありました。
ただし、サービス精神もある方で、劇中でもライブシーンのあった『Doin' Alright』をギターで生演奏してくれました。
握手した時の手が、ふかふかで柔らかかった。
そして、ティム・スタッフェルという、
お会いする機会でいえば、QUEEN以上にレアであろう方のサインを手に入れる事ができたのです。
3.オペラ・ボックス席
最後に、QUEENの現メンバーを生で見た感想です。
QUEEN+Adam Lambertとして、2020年に行われたツアーには「オペラ・ボックス席」なるものが用意されていました。
オペラ座をイメージして作られたステージの、セットの中に組み込まれている席です。
運良くこの席に当選する事ができたのですが、これが今振り返れば相当貴重な経験でした。
まずメンバーとの距離が近い。そして、舞台裏がよく見える。
一番感動したのは、本番前のアダム・ランバートでした。
まだ幕も上がる前、喉の調子を整えるために、マイクを切った状態で歌っているのですが、
その声量と反響のしかたが尋常じゃないのです。
歌唱力ってこういう事なんだ、と全身が震えるような体験でした。
そして、ロジャー・テイラーとブライアン・メイ。
ステージに登場するには、暗闇の中、階段を上らなければならず、両手で手すりを掴みながら、慎重にステップを踏みしめる姿は、70歳という年齢を感じさせるものでした。
しかしこの二人、ステージに飛び出した途端、走る。歌う。動きまくる。
ロジャー・テイラーに至っては、2時間のライブ中、ほとんど止まる事なくドラムを叩き続けていました。
20代の自分だってそんな体力ないわ……と感服させられる力強さ。大変恐れ入りました。
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