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経営者が指示命令や評価という特権を手放した会社では一体何が生まれるのか
自分が代表取締役を務める側島製罐では2020年の事業承継開始以来、組織のあり方が大きく変わってきました。古色蒼然とした老舗中小企業をみんなで立て直しをした結果、2021年に経営理念(MVV=Mission,Vision,Values)を策定、2023年に自己申告型報酬制度を導入、「社長」という役職も会社から無くすことになり、現在では従前のようなトップダウン経営から転換して、自律分散型組織のような状
もっとみる薄利多売の世界で中小企業が価格競争力を手放した先に手に入れられるもの
チョコレートを買いに来て、フェアトレードを謳っているものとそうでないものがあったとしたら、多少割高でもフェアトレードのものを選ぶことはあると思います。規格外の果物や野菜等がフードロスの名目で売っていたら思わず手が伸びてしまうんじゃないでしょうか。こういうのを倫理的(エシカル)消費と呼びますよね。
では、自分の会社で材料や副資材を調達するときはどうでしょうか。協力会社に外注するときはいかがでしょう
”中小企業型ティール組織”という新しい未来への挑戦
側島製罐では2021年に全員でMVVを策定したのち、2023年からは「みんなで経営 自己申告型報酬制度」と銘打った制度を導入しました。今年導入したばかりなので実際の成果などはこれからでほぼ社会実験みたいなものですが、内容としては過去の実績を評価して給与額を決めるというやり方をやめて、各自の自律性や発展性を信じて未来に先行投資する形で給与を先払いするというやり方で、正に社運を賭けた挑戦です。この制度
もっとみる従業員満足度調査が孕む分断のリスク
「従業員満足度調査」みたいなのって結構危険なんじゃないかなと思っていて。
自分がアンケートに答えた時って”権利意識”みたいなものが無意識に生まれてしまってないかなあ。そして、その後に自分の意見が反映されないと、あんなにアンケートに一生懸命書いたのにと残念に感じてしまったりしないか。「言ったのに何も変わらなかった」「この会社は動いてくれない」みたいな愚痴を溢したくなる気持ちになるのもそりゃ当然だと
世界の果てまで行っても本当の自分なんて見つからない
昔、チリの南端から二週間の旅で150万円もかけて南極に行ったことがあるのだけどね。平均的で凡庸な自分が昔から嫌で嫌でしょうがなかった僕は、いつも自分の存在意義を証明するような誇りのような何かが欲しいと思っていて、その極めつけが南極に行くことだった。そんな稀少なマイルストーンがあればきっと自分も一目置かれる一角の人物になれるんじゃないかと信じて止まなかった、って感じで。だけど、現実は全然違った。「南
もっとみる「好きな人に幸せになってほしい」という原点に軸足を置くこと
「人を好きになって、街を好きになって、その人たちのために何かしたいという気持ちこそが、営業担当者としての矜持だなと思いました」
これは自分が10年前転勤するときにSNSへ投稿してた言葉のコピペで、すごく達観して偉そうな物言いにも見えるのだけど、今の自分にも強く根付いて大事にしている考え方だなあと改めて思う。
金融営業をやり始めたばかりの僕は、とにかく数字に追われてばかりで、目の前のお客さん
「『案件処理』って表現おかしくない?」
という問いかけをされたことがある。時は2013年、浜松は肴町の居酒屋で先輩と飲んでいた時のことだ。当時の僕は金融マン二年目で、融資第一課という部署で窓口申込の審査担当をしていた。自分がいた浜松支店では各担当が月に30件程度の審査をして、融資の可否について稟議にあげるというのが日常業務になっていた。内容にもよるが30件というとなかなか負担が大きく、毎日相当なスピードで対応していないとあっという間に案
もっとみる電話の早取りが職業人生をつくるという教え
僕は社会人初期の頃に、代表電話の対応とかコピー用紙の補充とか、誰も担当が決まってない中間フライみたいな仕事を進んでやるように教えられてきた。
金融機関の代表電話は一日に何百件も鳴ることがある。すぐに担当に代われる内容のものもあれば、申込書や創業計画書の書き方とか30分以上かかるヘビーなのもある。なのでみんな通常業務に支障が出るから電話には出たがらなくて、支店でもよく「電話の早取励行」みたいなお説
JTCのカルチャーを変えた役員の教え
前職の日本政策金融公庫で初めて本店に配属されたとき、めちゃくちゃ緊張してたんですよね。半沢直樹よろしく、金融機関の本店って魑魅魍魎が集う伏魔殿みたいなところで、他部署の上司に対して軽々しく話しかけられるような雰囲気もない感じで、本店に配属されてすぐの時はそのピリピリした空気に圧倒されてました。周りの人がみんな雲上人のように感じて自分なんかがここにいていいのかなって思いながら委縮して過ごしてました。
もっとみる代表取締役に就任した僕がみんなと交わした一つの約束
先日、側島製罐株式会社の代表取締役に就任しました。3月初旬に「もう代表という肩の荷を下ろしたい」と先代からの強い要望もあり、父親が70歳になることや自分が家業に入って3年経過したことなどを鑑みて、このタイミングで自分が代表に就任することになりました。先代は取締役会長となり、ボードメンバーとしては残りつつ代表ではなくなります。
せっかく代表就任なので決意表明でも書くかなと思ったのですが、そちらは上
「自分の子供がもしセクシャルマイノリティだったら、正直嫌だな」
恥ずかしながらこれは8年くらい前に、僕の口から出た言葉です。
最近のニュースで政治に関わる方々がセクシャルマイノリティに対して「気持ち悪い」とか「近所にいてほしくない」とかって発言を拾われて炎上的なニュースになってるわけなのですが、自分も7,8年前までは同じような感性を持っていたような気がします。多分、最近のニュースで見え隠れする人の本音みたいなのに近いものだったと思うんですよね。リベラルぶって