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旅について

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「何のために旅をするのか」という永遠の命題に対する自分なりに思うところをつらつらと。
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世界の果てまで行っても本当の自分なんて見つからない

昔、チリの南端から二週間の旅で150万円もかけて南極に行ったことがあるのだけどね。平均的で凡庸な自分が昔から嫌で嫌でしょうがなかった僕は、いつも自分の存在意義を証明するような誇りのような何かが欲しいと思っていて、その極めつけが南極に行くことだった。そんな稀少なマイルストーンがあればきっと自分も一目置かれる一角の人物になれるんじゃないかと信じて止まなかった、って感じで。だけど、現実は全然違った。「南極に行ったことがある」と自慢したところで「すごいね」と言われる程度で、自分自身も

あのジプニーに乗ってどこまでも。

アスファルトを突き破って生えた木が歩道を塞ぎ、道路を歩く僕を背突くようにクラクションが鳴る。腐ったゴミと排気ガスの混ざった空気が目に染みるここは、フィリピンの首都マニラのローカルが集うアーナイズ通りだ。昨日からもう30kmは歩いただろうか。潰した豆がヒリついていた足の指にもう感覚もない。熱帯モンスーンの気候はベルベットのように身体にまとわりついて、汗だくでマニラの町を彷徨う僕の体力を奪っていく。日本からたった4時間のこの街では全くと言っていいほど邦人を見かけない。日本からの便

「旅の記憶」という色褪せない資産

コロナ禍になり海外へ行けなくなってからかれこれ一年経ってしまいました。これまでの社会人生活、息継ぎするように旅をしてきたので、こうして長期間旅ができないというのは個人的にはかなり辛いところですが、ここで改めて旅の価値について考えてみたいと思います。 ここでは、「旅をして人生が変わった!」「本当の自分を旅で見つけた!」とか、そういう安い自己啓発みたいなことは書くつもりはないのですが、 ”旅は人生を豊かにする” というのが僕の結論です。 僕が旅したところ 先に手前の話を

自分を探さない旅をしよう

先ほど、フィリピンはマニラの四泊五日の一人旅から帰ってきました。まさか、36歳の妻子持ちにもなって東南アジアへバックパッカーできる日が来るとは思ってもなかったですが、海外旅自体は3年ぶり、バックパッカー1人旅は7年ぶりと久しぶりの冒険となりました。今回は旅行記ではなく、リハビリがてら久しぶりに海外に出て改めて感じたことを書いてみます。結論的には、旅って良いよねって簡単な話なのですが、旅ってなんだっけ?という旅人の永遠の命題にもかかるところも少しだけ掘って書いてみますのでお付き