「旅の記憶」という色褪せない資産
コロナ禍になり海外へ行けなくなってからかれこれ一年経ってしまいました。これまでの社会人生活、息継ぎするように旅をしてきたので、こうして長期間旅ができないというのは個人的にはかなり辛いところですが、ここで改めて旅の価値について考えてみたいと思います。
ここでは、「旅をして人生が変わった!」「本当の自分を旅で見つけた!」とか、そういう安い自己啓発みたいなことは書くつもりはないのですが、
”旅は人生を豊かにする”
というのが僕の結論です。
僕が旅したところ
先に手前の話をしておくと、僕はこれまで世界6大陸70カ国弱を旅しました。南極も入れれば7大陸ですね。
一般的なサラリーマンと比べればかなり行ってる方だとは思いますが、100カ国越え、複数年世界放浪がデフォの旅人界隈の中では初級です。そして、こうして地図を見てみると旅人の試金石と言えるアフリカ大陸がほぼほぼ未踏なので、僕は旅人と名乗るには軟弱すぎるかもしれませんね。バックパッカーも何度かやったことはありますが、どちらかというとスーツケースで計画的に旅する派です。
各地の詳細はTwitterでストーリーにもまとめています。
海外へ旅するようになったきっかけ
大学時代もそれなりに海外には行っていたのですが、本格的に海外旅に目覚めたのは社会人1年目の頃で、当時の環境に精神的に耐えられなかったことも相まって暇を見つけては海外へ行くようになりました。
入社後数年の金融マンに給料なんてたかが知れてるので、ボーナスが出れば航空券に全振りするという極めて無計画な資金繰りで常に自転車操業、時には携帯代金が残高不足で引き落としできず実家に請求書が届いたこともありました笑
それでも、休みを見つけては旅をして、帰路につく頃には次の旅先を探して、というサイクルを繰り返して、年に4,5回は海外へ行き、気付けば旅人と名乗れるくらいにはそれなりに世界各地を踏破していました。
高級車も高級時計も買わない20代
社会人になってからの僕は、ステータスを誇示できるような車や腕時計といった”モノ”に対してではなく”経験”に投資してきたと思います。見栄っ張りな自分は大学時代にお金がないながらもRAGTAG等でハイブランドの服を買い漁っていたので、それと比較すると消費志向の大きな変容と言えますが、背景としては主に以下2点が挙げられます。
①地方都市で生活していて見栄を張る必要性がなくなった
②1~2年で使えなくなってしまう高級服飾品への消費疲れ
東京で大学生活を送った後に縁もゆかりもない地方都市で社内に同年代もほぼいない環境というのはなかなかハードでしたが、結果としてモノよりコトにリソースを割くような意識醸成が出来たことを考えると良い経験だったなと思います。
旅を通じて世界が教えてくれたこと
さて、手前の話の前置きが長くなりましたが本題に。
世界を旅して得られたものは個人的にはたくさんあると思っていて
「世界に対して当事者意識を持つことが出来るようになった」
「自分の価値観のチューニング方法を体得した」
「世界のスケール感が把握できた」
「世界の美しさを知ることができた」
などなど、挙げていけばキリがないのですが、僕が一番大切にしているのは
「物事の真価は夢への挑戦とその過程にある」
という価値観を原体験をもって得られたことです。
これは僕の愛読書であるパウロコエーリョのアルケミストでも同様の趣旨で語られています。
「僕が真剣に自分の宝物を探している時、毎日が輝いている。それは、一瞬一瞬が宝物を見つけるという夢の一部だと知っているからだ。本気で宝物を探している時には、僕はその途中でたくさんのものを発見した。それは、羊飼いには不可能だと思えることに挑戦する勇気がなかったならば、決して発見することができなかったものだった」
今の時代、あらゆる情報がインターネットで入手できます。VRも使えば疑似的な旅行体験だって可能です。
だけど、振り返ってみると自分が楽しんでいたのはただのインスタントな体験ではないことにある時気付きました。旅の計画を立てるべく世界にどんな国があるのかを調べ、安い航空券を探すのに悪戦苦闘し、休みを取るために仕事を終わらせて達成感に浸り、空港で外国語のアナウンスを聞いて高揚し、飛行機の離陸の浮遊感に感動し、現地でぼったくりに遭ったことに怒り、現地で目的を果たしたことに喜び、帰国の途で別れを告げることを寂しく思い、そんな一連のプロセスにこそ、旅の価値はあるのではないかと思っています。旅を通して夢中になっているその瞬間こそが人生の煌めきだということです。
「挑戦」という意味では代替できる手段はたくさんあると思いますが、旅ほど立体的な体験ができるものはそうそうないのではと個人的には感じています。
償却しない最高の資産
さて、色々書きましたが、旅の価値って何だっけ?という問いに対する自分なりの答えとしては「夢を持って挑戦することの素晴らしさが体験できること」でした。そして、一生涯償却しないその資産を積んでいくことが、人生を豊かにしていくことなのではないかと考えています。
早くコロナ禍終息しないかなあ。
またいつか世界を自由に飛び回れる日が来ることを夢見てます。
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