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従業員満足度調査が孕む分断のリスク

「従業員満足度調査」みたいなのって結構危険なんじゃないかなと思っていて。

自分がアンケートに答えた時って”権利意識”みたいなものが無意識に生まれてしまってないかなあ。そして、その後に自分の意見が反映されないと、あんなにアンケートに一生懸命書いたのにと残念に感じてしまったりしないか。「言ったのに何も変わらなかった」「この会社は動いてくれない」みたいな愚痴を溢したくなる気持ちになるのもそりゃ当然だと思う。 でも、そもそもそうやって誰かが何かを一方的に評価するような仕組みって本当に健全なんだろうか。

民主主義的に声だけ上げていればあとは誰かが何とかしてくれるって期待感は当事者意識を殺してしまうんじゃないかな。もちろん企業の規模とかその調査の目的によっても全然変わってくるとは思うけど、果たしてそんな当事者意識が劣後した状態で回答されたデータは有意で健康的なんだろうか。そんなデータで導き出された意見や要望に応えることで、本当に会社は良くなっていくんだろうか。色んな人や感情があって当然なのにそれを全部地ならしして角の取れた平均をつくってしまって大丈夫なんだろうか。 「言ったけど何も変わらなかった」って話はうちでも数年前までよく言われてたことだけど、意見を出すことは責任を果たすことではないと思うのだよね。意見を出して、案を出して、実行して、その結果に責任を持つことが仕事だと思うし、そこにショートカットは存在しない。もちろん、前提としては、普段から意見をあげられる環境があるとか、各々が自律しているとか、そういう環境があることは必要だと思うんだけどね。一方は給与や評価を握って一方的にコントロールをして、もう一方はアンケートの機会があるときに普段の鬱憤を晴らすかの如くサンドバッグを殴るように意見をだして、そういうのはあんまり健康的じゃないのではないかな、と思っています。

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