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アイドルノススメ ~分断の時代~

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アイドル冬の時代からグループアイドルの時代、日本の音楽史の変遷の中でアイドルというものが確立されていきます。様々な視点からアイドルという事象を掘り下げます。
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2019年8月の記事一覧

アイドルと「本物」について考える

アイドルと「本物」について考える

 TwitterのTLで流れてきたこの記事。海外にてサッカーの監督養成学校に通う河内さんが書いた内容だが、web時代のサッカーと今後の日本サッカーの在り方について非常に鋭く批評した良記事である。これを読んで、少し思うところがあった。

「コンテンツ」と化したものを受動的に受け取るのは根幹への理解がなく、「本物」に触れる必要があると書かれている。読み砕くに、「自らの手でサッカーを作ってきた」=「本物

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GIGSの表紙が声優さんだったので、ドルヲタがバンドリを履修してみた話

GIGSの表紙が声優さんだったので、ドルヲタがバンドリを履修してみた話

実はあまりアニメを見ない。エヴァ放送時に14歳だったし、子供の頃はガンダムが好きだったけど、今までにちゃんと見たのってカウボーイ・ビバップとバトルアスリーテス大運動会とマクロスシリーズぐらい。あと、TwitterのTLで話題になってて少女歌劇レヴュースタァライトは珍しく全部見たし、あいにゃが出てるので邪神ちゃんドロップキックを見たら、元HKTのまりりもいた。出てることをすっかり忘れてた、ごめん。

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シェアリングエコノミーでアイドルのコストを下げてみたら、ハローキティ先輩に遭遇した

シェアリングエコノミーでアイドルのコストを下げてみたら、ハローキティ先輩に遭遇した

前回、トークンエコノミーとクローズドコミュニティでアイドルの"価値"を循環させる新しい社会というのを考えてみた。その中で少し触れたのだが、今後の社会というのは、B2B、B2Cではなく、C2C、消費者と消費者が直接的に繋がっていく社会が始まる。

その1つが、シェアリングエコノミーであり、既にみんなが使っているメルカリはその先駆けである。口紅なども気になって買ったものの1度使って放置していたものをメ

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トークンエコノミーについて考えてみたら、ライブアイドルが実は最新型なんじゃないかと気付いた

トークンエコノミーについて考えてみたら、ライブアイドルが実は最新型なんじゃないかと気付いた

最新のテクノロジーとか手法で、何か解決出来ないかと考えるのが割と好きなので、トークンエコノミーとかフィンテックとかぐるぐる考えてた時に思いついた話だ。

少し話題になっていたが、承認欲求型のSNSは廃れるんじゃないかという話がある。今はみんな、いいねを押しているが、少しずつ疲れ始めていて、もっと自己実現的なSNSやクローズドコミュニティに変容するんじゃないかという話題である。

この2年くらい、重

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「アイドルは成長の物語だ」というマーケティングに異を唱えたい

「アイドルは成長の物語だ」というマーケティングに異を唱えたい

実際にそんな話をしている分析の記事を山ほど読んだ。しかし、これに違和感を覚えるのだ。今、アイドル業界が突入しているフェーズは「成長の物語」だろうか?何も知らない子が花開く様と評するのであれば、開いた花は枯れ落ちるというのか。

 

【”分断の時代”への突入】

このマガジンの最初でも、アイドル業界というのが分断の時代に入っているという話をした。メジャーとインディーズ、黎明期のTIFで混ざりかけた

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アイドルお金ないって言うけど、ざっくり何をすれば儲かるのか

アイドルお金ないって言うけど、ざっくり何をすれば儲かるのか

アイドルを検索すると、出てくるのはお金がない話ばかり。アイドル産業あれだけ右肩上がりと言われているのに、なんでお金のないアイドルが増えるのか。これはそもそもビジネスとして成立していないのでは………?と思ったので、ざっくり計算して行く。

例えば、月の手取りが15万円程度のメンバーが5人の地方アイドルグループだとして、事務所スタッフが正社員3人、月30万円程度で事務所も構えてて、という計算をすると、

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アイドル運営本を読んでみた結果、マーケティングって大事だなと思った

アイドル運営本を読んでみた結果、マーケティングって大事だなと思った

『10年続くアイドル運営術~ゼロから始めた"ゆるめるモ!"の2507日~』を読みました。

ライターの大坪ケムタさんの文章は、なにせアイドルとプロレスで興味範囲がどっ被りしてるので、いつも読ませていただいております。大好きです。

ゆるめるモ!のプロデューサー田家大知さんが、割と赤裸々にここに至るまでに何が起こったのか、どういう心境だったのか、どんな試行錯誤をしたのかということを書いていて、同じく

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4歳からダンスしている世代がアイドルになるのに、ヲタが追いついてない件

4歳からダンスしている世代がアイドルになるのに、ヲタが追いついてない件

切実な問題である。かつて女の子の習い事といえば、ピアノかバレエ、あとはアクティブな子なら運動教室やスポーツといったところだった。それが90年代に差し掛かり音楽業界的にはTKブームが来て、沖縄アクターズスクールという洗礼が待ち構えていた………というのが、一般的な日本国内のダンスにおける文脈であるかと思う。

さらに言えば、世界的に見て近代的なダンスジャンルというのは、ポップスとの接続は大きく影響して

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NGT48「夢を死なせるわけにはいかない」公演は究極の侮辱行為だと言っておきたい

NGT48「夢を死なせるわけにはいかない」公演は究極の侮辱行為だと言っておきたい

(注:長文になります)

映像を見終わって、数時間が経つ。ゆっくりと咀嚼するのは、沸き上がってくる胃のむかつきと止め処の無い感情だ。個人的に「夢を死なせるわけにはいかない」公演は、AKB48グループの劇場公演のオリジナルセットリストの中で一番好きな公演だ。だから、これを見たら、自分がどんな感情になるかは想像出来た。ただ見ずに物事を言うのは容易い、見た上で言葉を吐かねばならないと思って見た結果の言葉

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悲撃のヒロイン症候群に見るアイドルとYoutubeの在り方を再考したい

悲撃のヒロイン症候群に見るアイドルとYoutubeの在り方を再考したい

Twitter、インスタ、Tiktok………etc、今のアイドルは色々なSNSに囲まれて生きている。48系の新進気鋭のSNS仕事に付き合わされるのは本当に可哀想だとすら思うのだが、"悲撃のヒロイン症候群"というアイドルグループはご存知だろうか。

デビューから半年、新宿BLAZEでの初ライブに800人越え、5ヶ月で渋谷O-EASTで1300人の動員を起こし、女性ファンの多さが話題となっている。コン

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アイドルが好きなら、ヘッドフォンは2つ以上買うのを勧めたい話

アイドルが好きなら、ヘッドフォンは2つ以上買うのを勧めたい話

これはアイドル文化を楽しむ上で、1つの楽しみ方を提案したいという記事である。

アイドルの楽しみ方というのは様々な楽しみ方がある。ライブに行くのもいいし、握手など接触を楽しむのも1つだ。その中に楽曲派と呼ばれる楽しみ方もあるが、ご存知だろうか。リリースされている楽曲に対して、メロディや歌詞、曲のアレンジなどを聞き込んでその素晴らしさを考える、という楽しみ方である。

アイドルの音楽というのは、時と

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アイドルが売れるためには 〜歌の力は裏切らない

アイドルが売れるためには 〜歌の力は裏切らない

売れてるアイドルには理由がある、という話の第三弾。不可思議な話なのだが、何故か生歌信仰が異常に強いのは一体どういうことなのだろう。PAもどうしようも出来ないくらい各メンバーの声の大きさがバラバラとか、外の現場で声が抜けてこないとかあるくらいなら被せにすればいいのにとは思うのだけども。

アイドルと名乗るのであれば、最低限として歌って、ステージに立つということが基本となる。古い歌謡曲の中のアイドルを

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「総選挙なきAKB 衰退の過程か」という記事を読んで思ったこと

「総選挙なきAKB 衰退の過程か」という記事を読んで思ったこと

まずはこの記事を必読してから、読んでいただきたい。

記事内には様々な要因が内混ぜに書かれているが、どうも芯を捉えていないような気がするのだ。特に、劇場への回帰という締めくくりに関しては疑問がある。

【そもそもAKBが衰退していないと思っているのか】

記事の中で、総選挙による総投票数が増加した2013年について触れられている。前田敦子が前年に卒業、指原莉乃がこの年、初めての1位を取った年なのだ

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アイドルこそ信用をお金に換える

アイドルこそ信用をお金に換える

少し視点の違う話を。まぁ、昨今の自己啓発本にありがちな「信用=お金」の話。あまりこの観点でアイドルというのを見ることはないと思うのだが、アイドルこそ信用をお金に換えるのではないかと考えてみる。

ライブが楽しい、顔がかわいい、愛想がいい、接触が出来る、好みの髪型である、いい匂いがする、期待を裏切らないetc………アイドルにおける信用というのは、そんなところではないだろうか。

今までの観点で言えば

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