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これからの人材・組織開発の話をしよう。

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人材開発や組織開発について知ったこと、考えたこと。
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#エッセイ

結局、組織はトップ次第であるという言説と品性(インテグリティ)について

結局、組織はトップ次第であるという言説と品性(インテグリティ)について

結局のところ、組織はトップ次第である。組織のビジョン実現を妨げているのは、ビジョンを掲げている当の本人、組織のトップであることは少なくない(ように思われる)。つい、先日も同僚と、「なんとなくあの組織のトップは信用できない。組織の求心力を弱めているのは、当の本人ではないか」、そんな話になった。こうした話は、特別、ぼくのような人材・組織開発コンサルまわりだけのものではなく、みな働いていれば、実感のもて

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組織はメンタルモデルで動いている

組織はメンタルモデルで動いている

個々人の異なるメンタルモデルが組織開発の障害になる。最近、そう思うことが増えた。特に、組織間の利害を調整しつつ、組織として一貫した戦略をもち、もっとも組織のパフォーマンスを最大化する。組織開発をそう定義した場合、上記の仮説が立ち現れる。

組織間の利害を調整するとはどういうことだろうか。たとえば、よくあるのは営業と製造現場でのやりとりである。営業は製造された商品が売れない、と主張し、反対に製造部は

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なぜ、組織開発はうまくいかないのか~レヴィンの場の理論と河合隼雄の場の論理から考える~

なぜ、組織開発はうまくいかないのか~レヴィンの場の理論と河合隼雄の場の論理から考える~

組織開発にすこしでも関心がある方は、クルト・レヴィン(Kurt Lewin)の場の理論(Field Theory)を知っている読者も多いかもしれない。レヴィンは、社会心理学者であり、グループダイナミクスや組織変革の研究で知られている。彼の場の理論は、主に個々の行動やグループの行動を特定の社会的な状況や「場」の中で理解しようとするものだ。

レヴィンの場の理論は、**B = f(P, E)**の式で

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組織開発はなぜ難しいのか

組織開発はなぜ難しいのか

20年と組織開発に携わってきたが、つくづく難しいなあ、と思う。どうすれば、組織は変わっていくのか、機能するのか、どの手法が最善なのか、と頭を悩ませ続ける日々を送っている。が、今だ明瞭な答えは見いだせない。あまりにも難しいせいで、そもそも組織に対して、少なくとも外部のコンサルタントという立場では、変化を起こせないのではないかとも思う。2020年にぼくたちの働き方を変えたのは、組織開発ではなく、新型コ

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ホワイトすぎて離職?時代に組織開発はどうあるべきか

ホワイトすぎて離職?時代に組織開発はどうあるべきか

コロナ禍の影響だからだろうか。新入社員の傾向が昨年と比べて大きく変わっているように思える。どう変わっているのだろうか。それは、以下の記事でも述べられている。

ホワイトで、働きやすい企業に就職した人たちが不安を感じており、離職するケースが増えているのだという。その不安は、社会活動経験が多い人ほど高まるという。この「ぬるま湯」のなかにいて、自分は先々大丈夫だろうかという不安なのかもしれない。

ぼく

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人事評価イベント真っ只中!あなたの評価をポジティブに変える方法

人事評価イベント真っ只中!あなたの評価をポジティブに変える方法

ぼくはコンサルタントとして人事評価制度の策定をおこなったり、人事評価業務のクラウドサービスを開発する仕事をしている。そして、そういうぼくもメンバーを数人任せてもらっていて、人事評価の準備を進めている。

人事評価イベントを好意的に見ている人はほんとうに少ない。それは、管理職でも一般職でも変わらない。人事評価イベントが好きだ!と言っている人をぼくは見たことがない。どちらかといえば、苦手、ネガティブに

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人材開発や組織開発は永遠だ。

人材開発や組織開発は永遠だ。

ぼくには部下がいる。サービス責任者をしている関係もあって、関係者も含めると10数人だ。ぼくの組織はほとんど文鎮型で、マネジメントに携わっているのはぼくを筆頭にほとんどいない。そんなわけで、ぼくは1日のほとんどの時間をミーティングをして過ごしている。部下の相談に乗ってアドバイスをする。その繰り返しだ。

人材開発や組織開発は永遠だ。ぼくはここ数年、そう考えるようになった。ぼくはキャリアのほとんどを人

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組織開発は信念のプロジェクトだ

組織開発とはいったいなんなのか?と最近とくに自問自答している。

ぼくはこれまでに、営業、コンサル、サービス開発、事業運営というキャリアを経験してきた。キャリアを積めば積むほど、組織開発とは何か?という問いにはまりこんでいく自分がいる。同時に、組織開発にたいして幻滅に近いものを感じていく自分にもぼくは薄々気づいている。

キャリアを駆け上がるほど、組織開発のむずかしさに悩まされる。そして、問題は根

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