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粉微塵
2024年10月24日 20:20
今以上に 優しく あれるように要らないものを 選び棄てて余ったもので 織った 羽衣(はごろも) 纏う大空を 翔(と)べるくらい 軽く空気よりも 遥かに 軽くでもそれだと 誰かの 重荷 背負えない軽々しく 優しさを 揮(ふる)うだけの〝 裸の女神 〟進んで 手を 差し伸べても握ってきた その手は 滑り抜けた想いばかりでは 何も 変えられない誰ひとり 救えない識(し)らずに あ
2024年8月6日 13:28
双(ふた)りには都のそぞろ寒さはいと耐え難かったの地(じ)深く根を下ろした私達にまほろば到る旅支度は適(かな)わず鐘の音(ね)届かぬ遠方(おちかた)は深山(みやま)が隠すさぞ是(こ)れ愉快だった事でしょう奔放気儘(きまま)な根無し草で在れたのなら傍(かたわ)ら並んで芽吹いたのに季節の移ろい見送る毎(ごと)に内なる暦(こよみ)を異(こと)にする誰しもが常(とこ)しえで居られる
2024年6月18日 20:13
くたばり損ねまるで囚われに服す達磨(だるま)月の満ち欠け数えてはまどろみの妖精に血を吸わせ幻肢痛を飼い慣らす在りもしない肥料草叢(くさむら)に放ってはせせら笑うのだ癒えてしまえよ何もかも傷と呼べるあらゆる痛みの源(みなもと)なぜおまえはまだ生きている?草陰に潜む幽世(かくりよ)の使者は問う誰だって過去に生かされてる嘘だって人を救いもする己(おれ)だって答えを探してる不
2024年5月25日 00:37
物憂い昼下がり下がりきって沈んだ胸の高鳴り互いの座標が偶然重なった朝雑踏にふわり舞う薄浅葱のカーディガン忘れえない横顔を見つけた結んでは解(ほど)ける肖像に拐(さら)われた点と線この惚(ほう)けた図の中に帰ってこないどうしたものか勿忘草(わすれなぐさ)に訊(き)いても答えは返ってこないどうしよう憧れと諦めの撹拌(かくはん)何者かによる何某(なにがし)かのロールプレイ
2024年5月10日 02:17
美しさの意味わかんない教えてよお気に入りの枯れ草の寝床あげるから夜の空気この毛皮(からだ)に染みすぎて真昼の街が未(いま)だ馴れないの完璧に成れっこない連中のコロニー取るに足らないありふれたで溢れ返って度しがたいったらないあたしを見倣(みなら)ってそのくだらない装飾剥ぎなって絢爛も豪華も意味は知ってるって舐めるのは自分達の毛皮だけになさい人いきれ漂うアーケード迷いこん
2024年4月1日 08:10
消えないように足跡残したパン屑の代わりにと大地を踏みしめ出来損ないの僕らが残せる物はごく限られてる問答無用で連続する日々から逃げおおせるなんて思っちゃいないそれでも有限と云(い)うならその分わずかくらい欲張らせてほしい春風が咲(わら)う見返りなどいらない朽ちた矛と盾を携えなんだっていいどうだっていいを嘘っぱちと綯(な)い交ぜにしてこの小さな器に盛りつけよう四月の実り
2024年3月16日 02:41
水面(みなも)を伝う哀しい波紋また幾千もの人の縁が断ち切られていく卑怯な私は耳障(ざわ)りなニュースの聴こえない深い水底で息を止めたAsphyxia(アスフィクシア=仮死)神様お願い滞って淀んだ時間に浸っていさせて地上から四つの季節が失われるまで「自分には何も無い」可哀相な呪文を唱える人たち世界中の悲劇を知らずにいてもみんなの幸せの量は変わらない仄かに蜜の味のする逆さま
2024年3月2日 21:35
夏の終わりを報せる旋律朝に弱い僕は大切じゃないモノしか集めることができない早いモノ勝ちあの子は1等賞のアイツを好きになった輪の外へ逃げたはずがそこは弱い蛞蝓(なめくじ)のための牢屋この痒さ憎たらしいいっそ痛いくらいでいいのに心とかいう架空の臓器ソイツを凍りつかせていれば大丈夫でいられる僕は無敵でいられるインスタントな薬草の在り処(ありか)さ迷う掌(てのひら)の社交場
2024年2月12日 14:58
いつからか箱庭の中に居た重力の不自由さを感じない世界で走る同化してるwすべてを履き違えたまま靴を鳴らす二周目のつもりの人生次は上手くやる嗚呼(ああ)そうさ走り去った日々に感想はいらない必要なのは完走しきる躰(からだ)指先から漏れ出る幽体に追い越され背中に焦燥の体当たり時間が解決してくれる?莫迦(ばか)言うなw一刻を争ってんだ刹那で生きてんだチックタック四苦八苦疾駆
2024年2月8日 22:15
そこだけ鮮やかな朱(あか)い絨毯(じゅうたん)を歩んでゆく一面蚕(かいこ)を口無しにした生き物の群れ差し出された花束色とりどりの色彩はどこへ?演じるは不死身の織姫あの薫り高い時じくの木の実を食べたの切ない味のする綺麗事ばかり食べたのねえほんとに笑ってる?敷かれた屍(しかばね)を踏み越えていっても穢(けが)れたことにならない訳(わけ)知り顔の赤頭巾はそう言ってた欲に塗