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Seiji Lakefield
2023年7月9日 23:37
〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜これまでのあらすじ木材置き場の陰で朝を迎えた。ユーレクは驚異的な回復力を見せる。脇腹を貫通した銃創は膿むことなくすっかりと新しい皮膚に覆われて傷が治っている。(たった一晩でこんなにも治るものか?)これまでにも旅を通して"人喰いクロウ"の爺さんの深手の傷さえもユーレクの手当てですぐに治ったことを思いだした。ユーレクが云
2023年6月29日 23:25
〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜これまでのあらすじ第七部アンディーが引鉄を引いた刹那__疾風が駈け抜ける。目にも止まらぬ速さで何かが通り抜けたのはアンディーには白馬に見えたがその姿は幻のように消えてしまった。アンディーにとっては至近距離とも言える絶好の機会にもかかわらず初弾を外してしまった。街は突然の銃声に驚いて逃げ惑う人々でごった返しその人混み
2023年6月25日 23:49
〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜これまでのあらすじ「ジェイコブ・ロバーツ氏の逮捕について連邦法第4条は適用されない。事由:サザン・ベル溺死事故から30年以上歳月が経過しており本件の刑は時効に値する。」とトーマスの元に電報が届いた。それどころかこちらの州保安局の連中も巨大な権力からの報復を恐れてか捜査の追及が及び腰であった。事件の鍵を握ると思われる遺留品
2023年6月18日 21:08
〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜これまでのあらすじ玄関ホールに赴くとスキンヘッドをした恰幅の良い中年男性が屋敷の主の登場を待ち侘びていた。「ようこそ!ブラウン局長。本日はどのような件でお出ましなんだい?」ジェイコブは端正な顔を綻ばせて応対する。快活な笑顔からは白い歯を覗かせるが目は少したりとて笑っていない。保安局長のブラウンも友好的な素振りを見せるよ
2023年6月11日 23:34
〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜これまでのあらすじフェルディナンドとユーレクの少年二人がナッシュビルの街から出発した時に話は遡る。ナッシュビルデイヴィッドソン郡保安局にて__トーマス・オーウェンは長年に渡り腑に落ちなかったことがあった。30年前のサザン・ベル溺死事故である。当時、ソフィアの供述や病院内の目撃者も居りその真相についてはヒューゴなる人物が
2023年6月4日 23:51
〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜これまでのあらすじ第六部俺とユーレクがナッシュビルの街を離れてから一週間が経つ。双子姉妹を巡る不思議な縁に導かれて俺たちはヒューゴの遺骨をガットリンバーグの地下に眠っている双子姉妹の下へと届けようとしている。目的地ツーソンと逆方向に進路を取りながら俺たちはそれぞれの運命を噛み締めるように東へと歩みを進める。思えばユ
2023年4月16日 17:39
〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜これまでのあらすじ《Je t’aime pour toujours___》カンバーランド川岸の港は物資運送の要衝として港湾には人々の活気が漲り往来も多かった。俺たちは遺体を引き上げたため港湾で働いている人々を驚かせたと同時に好奇の目を引いてしまいあっと言う間に野次馬が群がってきた。パコ叔父さんはしどろもどろしながら事の顛
2023年1月19日 01:05
〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜これまでのあらすじ川底には仄かな灯りに照らされて男が横たわっている。(コポポ . . . コポポポ . . . )俺の吐く息が泡となる音が聞こえるだけで静寂が広がっている。およそ20メートルほど潜った水底には何者かの屍が横たわっていた。(これがヒューゴの成れの果てなのだろうか?)南北戦争の時代から30年が経過しており
2023年1月7日 15:26
〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜 これまでのあらすじ一晩明けるとパコ叔父さんはすっかりと正気を取り戻していた。俺たち四人はホテルのレストランで英国風のフル・ブレイクファストを注文し食卓を取り囲んでいる。パコ叔父さんは熱々のトーストにマーマレードをたっぷりと塗り嬉々とかじりついて「おほぅ!こりゃ美味しいねー!」陽気なスペイン系アメリカンらしい快活
2022年12月28日 10:20
〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜 ここまでのあらすじ第五部冒頭より__現在ではV・I・P御用達と名高いマックスウェル・ハウス・ホテルには南北戦争にまつわる悲しいエピソードが人々の言い伝えによって残されている。そのマックスウェル・ハウス・ホテルにてソフィアの話がいよいよ佳境に差し掛かかろうとした矢先のことである。「少し一息つかせて頂けるかしら?」
2022年12月14日 03:16
〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜これまでのあらすじアタシ達双子姉妹が社交界にデビューしてからほどなくして、縁談が殺到するようになる。光は輝くほどに、影もまた濃くなる__ 。アレクサンドラは後悔していた。あの舞踏会で知り合ったジェイコブが執拗に執着してくるのだ。ジェイコブはたびたび家に訪れるのだがアレクサンドラは関わるまいと居留守を使い無視を決め込んでいた
2022年12月8日 02:14
〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜 これまでのあらすじその夜__ヒューゴはいつものように明るく屈託のない話で場を盛り上げていた。母ヴァレリーとアタシたち姉妹はいつもと変わりなく手料理を振る舞い歓談に花を咲かせる。ジェームズは地下にあるカーヴから大切にしまってあった自慢のコレクションの中のブルゴーニュ産のワインを開栓する。「さあ!ヒューゴ君。今宵はとって
2022年12月2日 05:14
〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜これまでのあらすじ第四部ソフィアの追憶から新たに登場するひとりの哀れな若者__ ヒューゴの物語を語らねばならない。彼の名はユーゴ・サン=シモンアメリカの地ではヒューゴと呼ばれていた。二十八歳の端正な顔立ちをしたパリジャンで黒髪をした覇気のある若者だった。1863年のある日__ヒューゴはジェームズを訪ねてきた。彼は
2022年11月25日 23:18
〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜 これまでのあらすじ1859年ガットリンバーグの天使と云わしめる美しいアルビノの双子姉妹アレクサンドラとソフィアは14歳となった。アラバスター彫刻を彷彿とさせる透明な白い肌__彼女たちの存在は宗教絵画から飛び出してきた天使と思える程にその美貌はこの世の奇跡と云ってよかった。ノックスビルはおろか遠くの都会からも噂を聞いた