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#エッセイ
『しんがりで寝ています』三浦しをん
ブフ、と前書きで吹き出してしまったので私の負け。本屋を徘徊していて好物の三浦しをんのエッセイを見つけたものの、値段に逡巡していた。でも前書きだけで私を笑わせるとは。やっぱり三浦しをんのエッセイは別格だ。精神安定剤、この世界を生き延びるための必需品だもの、とも思ってレジへ持っていった。
生理用ナプキンの袋をどう開けるのかをネイリストさんと話し合ったり、タクシーの運転手さんと新しい元号を予想したり(
『ご飯の島の美味しい話』 飯島奈美
料理・食べ物系のエッセイは心地よい。久しぶりに途中から読んでも登場人物やストーリーがわからなくなることはないし、たいていおいしいものについて書かれていて想像するとよい気分になる。つまらなかったとして無害、だいたいは有益だ。
『かもめ食堂』などのフードスタイリスト飯島奈美さんのエッセイ。撮影では役者さんの演技に合わせて揚げ物をあげまくること、「普通」の食器を見つけるのが意外と難しいこと、梅酢を商品
『そして誰もゆとらなくなった』 朝井リョウ
『桐島、部活やめるってよ』で新人賞を受賞、現在、日本経済新聞でも小説を連載している朝井リョウ。彼のエッセイやラジオが本当にくだらなくて、私は大好きだ。
『時をかけるゆとり』『風と共にゆとりぬ』に続くエッセイの三作目。今回はウンコの話が多い。朝井さんは大変にお腹が弱い。(整腸剤メーカーがスポンサーになって、腹よわの星野源氏と対談などをしてほしい)私も幼少期から頻尿でトイレの場所を視界の片隅でいつも
『延長戦に入りました』 奥田英朗
「レスリングのタイツはどうして乳首を隠さないのか」「スポーツにおける大きな顔の影響」「子供の頃の足の速さがその後の人格形成に及ぼすこと」などスポーツや運動に関するエッセイ。「面白いから」と友人に渡された。
小説家という人は普段こんなに面白いことやどうでもいいことを考えているのか、と「プププ」と吹き出しそうになりながら戦慄を覚える。奥田英朗さんは『空中ブランコ』を以前読んだことがあるくらいで、まだ
『のっけから失礼します』 三浦しをん
コロナで週末外出自粛要請が出てから、ガラっと気分が変わった。私の町の図書館も閉まってしまった。Beforeコロナ時に選んだ本が家にあるけれど、今それが読みたい気分じゃない。在宅仕事でなまった体にマスクを装着して本屋に出かけた。ああ、これだよ、今求めている本は。
三浦しをんのエッセイは「約束されている」。何が?面白さが、彼女ならではの独特な世界が。私は彼女のエッセイが大好きで、図書館で読んでいない
『悲しくてかっこいい人』 イ・ラン
この本を買ったのは、吉祥寺の「百年」。同じ著者のイラストエッセイみたいな本があって、パラパラとめくっていたら面白かったのだ。いつもと同じように「絵ばっかりの本では、すぐ読み終わってしまってコスパが悪い!」と思い、読むのにもう少し時間がかかる彼女のエッセイをレジに持っていった。すぐに口の中で溶けてなくなるチョコレートではなくって、キオスクで売っているのど飴みたいに飴のセロファンをめくっては口に入れて
もっとみる『おおきなかぶ、むずかしいアボカド 村上ラヂオ2』 村上春樹
読んだことのあるエッセイが入っていた。大学生の頃、ananに連載されていたらしいから、何かの特集で買ったときに読んだんだろう。そんな再会もあるんだな。発行は2011年。
村上春樹のエッセイを積極的に読んだことがなかったが、Twitterで「村上春樹のつぶやき」というエッセイの一文を紹介するようなbotをフォローしていて、読んでみたいと思ったのだ。軽快だし、着眼点が私とは違って面白い。ギリシアとか
『いくつになっても、旅する人は美しい』桐島洋子
私は旅人属性の人に会うと安心する。旅人は新しいものを体験することに心を開いていて、適度にフレンドリーな気がする。そうでないと旅なんてしないし、旅先でやっていけない。そして自分の常識が場所によっては「アウェイ」であることを知っているから、他人に同調を強いたりしないし、「変わってるね」とか安易に言わない気がする。旅人属性にも度合があるけれど、桐島洋子さんは相当だ。
1937年東京生まれの桐島さんは、