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そらごとつむぎの福祉論

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福祉を学んできた私が様々な福祉を語ります。
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記事一覧

中学の修学旅行で厚生労働省に行った話

小学生の頃には既に福祉を志すことを決めていた私に、朗報があった。中学の修学旅行先の企業訪問で厚生労働省に行けることになったのだ。この際直接国に聞けるもんだと意気揚々と質問を考えて持っていった。

問題を叩きつけてやるような、叫ぶような意気込みで霞ヶ関の厚生労働省の門を叩いたことは忘れられない。

霞ヶ関の門番さんに、企業訪問で来たことを伝えて、中へ通され、担当の職員さんのお話を聞いた。

誰もが暮

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子どもの人権擁護センターに逃げた話

小松島子どもの家にいた頃、青葉区錦町にある人権擁護センターまで逃げたことがあった。

他の相談窓口については教えてもらってなかったし、児相のケースワーカーさんは知らない間に人事異動のせいか、退職したかわからないがいなくなってしまっていたから、私には相談窓口はなかったからだ。

たまたま学校で配布された小さなカードに子どもの人権擁護センターについての紹介が書いてあって、そこしかないと思い、藁にもすが

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小さい頃の自殺願望

物心ついたときから死にたいって気持ちある私。

幼稚園の頃、死にたいとか殺してくれって連呼してたら大人はもっと大変なんだ、子供が言うなと怒鳴られたことがあった。

幼い私はじゃあ更に大変にならないうちにとにかく自殺しなきゃってヒートアップして、「大変なら今死にたい!殺してくれ!」って頭ぶちつけて殺せー!殺してくれ!死にたいー!って叫んだっけな。幼稚園でこういうトラブル起こしたから、先生もかなり問題

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一番古い記憶

これは私が母と話をしている一番古い記憶。幼い私が思った通りに書いてみようと思う。カッコ内は意訳として。

【私】お父さんがいなくてもおかあさんは子供をうめるんだね。だから男の人はいらないんだ!(居ても繁殖に影響しない)

【母】うーん、そういうことじゃないんだけど…

【私】ちがうの?

【母】あんたは橋の下から拾ってきたんだよ

【私】えーそうなの?捨てるくらいなら殺せばいいのにね!殺してほしい

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平均目指す努力より平均捨てる勇気はよっぽど。

平均?そんなもん無理だよ。何でもそつなく熟す?そんなもんのどこに個性あるの?

確かにできれば便利だろうさ。算数できればお会計や割り勘計算でまごつくこともないし、地理ができればいろんな土地での旅行がより楽しめるかもしれない。

何でも基本平均以下だった私は学校で学ぶことよりも読み漁った本から学ぶ知識や感覚的なものから体得することが得意だったかもしれない。興味ある分野をどこまでも知りたくて百科事典眺

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生きて脅威になる。

ある日主治医にこんなことを言われた。
「つむぎさんが自殺せず生き延びたことが奇跡的です。」って。思ってもみなかったけど私の置かれた状況で自殺しない方がかえって珍しいそうだ。

死んだら終わりだ!って百発百中で言われてきたけどさ、そりゃあそうだよ。終わった方が楽だって思うくらい追い詰めて自殺に走る人、何人いると思ってるのだと叫びたい。

過剰適応って恐ろしいと思ったのは、命の危機に晒された状況でも私

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それでも彼らは

【自傷に対する考えが含まれますが決して自傷を推奨するわけではありません】

私が激しい自傷癖があって、命がなんたらと口出ししてくる輩に対して、毎回「死なないから」と平然と返し、痛いでしょ!とキレられて痛くないと至って冷めた口調で返していたことをふと思い出した。

今も昔も命に関わる自傷はしないのは、自傷道具を全部取り上げられて自傷できなくなるのが嫌だからだ。私の自傷はある意味計画的で極めて合理的だ

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ミニマムな福祉

福祉というワードはすごく広い範囲をカバーしていることに可能性と希望を抱き、多くの人の役に立てると信じて20歳頃まで生きてきた。

4年の前期で全ての単位を取っていた私は後期は入院がちで就活さえできないまま卒業した。

卒業してからは作業所通いだったが、手帳の手続きがわからない人や、どこに連絡するか分からない人など福祉を利用するまでにつまづく人が圧倒的に多いことを知って、手伝うことがしばしばあった。

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障害受容を体現する

私が大学時代の恩師に右手を失くした先生がいた。失くした方の手は義手で「利き手なら大変だろうなぁ」と初めての授業の時に思った。

その先生は授業が始まるといの一番にこう言った。
「私は右手が義手です。左手で字を書きますが私は字が汚いです!読めなかったらいつでも言って下さい!」
その先生の授業は障害者福祉論と精神保健福祉論だった。その当時は単語こそなかったけど今考えてみると現在にあたる「合理的配慮」に

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話合い、潰合い

話合いという文字の成り立ちを考えたときに、言う、千、口、屋根の下に一口という成り立ちに展開できる。それを考えた時に、話合いというものは実に人間らしい行動だと私は瞑想した。
口から放たれた言の葉が千集まって、ひとつの口になる。千ある言葉が一つになるための過程として、人間は語らい、議論するための言語を用いて他者と交流するのだ。良いという言葉のニュアンスを知るためにさえ「どこが良かった?」とか「何点くら

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家族

私の家族はろくな人間がいない。
母はアル中で毒親、祖父は虐待するし、祖母は過干渉で監視ばかり。
鬱病の息子に家業継がせるために夢を諦めさせ自殺された親戚は葬儀中なのに跡取りを探し始める始末。
別な親戚は家に金を入れず苦労ばかりした嫁が入水自殺。

本当にひどい家系に生まれた。

唯一、異父姉妹の妹だけが私の気の許せる相手だった。妹は生まれただけでなんの罪もないんだから。
施設が悲惨な場所だったから

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浮く発言、生きる言葉

私は小さい頃から良識から外れていることを伝えないと気が済まない。

いつも「何も敢えて言わなくてもいいじゃない」って周りにいつも言われるんだけど、言わなくて後悔することが嫌でいつも単身乗り込んで物言いしてしまう。

周りから白い目向けられても、自分では何も後悔しない。だってさ、おかしいこと伝えられないってすごく不快じゃん。

大学では頭いい方ではなかったし、結構な「変わり者」だった。物言いだけでな

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児童福祉は誰のもの?

私は児童相談所に繋がり保護された子供の一人だったわけだが、つくづく感じたことがある。

それは児童相談所という場所は「子供のためのに最適化されていない」ということだ。

憲法では以下のように定められている。

日本国憲法第25条
第1項
すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
第2項
国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければ

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