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今日の言の葉

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その日、降りてきた言の葉を綴っています。あなたの良き日々に繋がれば幸いです。
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2022年9月の記事一覧

時を止めたくなるのは

時を止めたくなるのは

金木犀が咲きました。
懐かしい幼なじみと再会したように
甘くやさしい香りとともに。
橙色の花は金平糖のような小ささなのに
たったひとつでも濃く薫る。
鈴なりに咲き揃う頃には
街中しあわせの匂いに包まれてゆくのです。
足早に駆け抜けてゆく季節
時間を止めたくなるのは
こんな時です。

みほとけの微笑にならう

みほとけの微笑にならう

あなたの微笑みに私はならいたい
中宮寺のみほとけと向き合いながら
しばし跪いたひとりの時間をおもう
いったい、あの時、なぜ誰も来なかったのか
不思議な力が人払いをしたかのように
弥勒菩薩と私との、二人の時間が紡がれた
黒褐色の肌はやわらかく引き締まり
触れたらぬくもりを感じるような気がした
無言のうちに問いかける豊かな口もとは
約束さえも求めようとせず
ただ、生きることを教えてくれた
あなたの微笑

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茫々たる宇宙の海を漂うように

茫々たる宇宙の海を漂うように

思い上がった私たち人類は、その所業により
年々歳々とてつもない驚異を目の当たりにしています。
大いなるものの力を前にして、為す術もないことを
いくら経験しても悟りには至らない。
この地球上で、信じがたいことに、まだ争いが止まない。
いま地球丸は、茫々たる宇宙の海を幽霊船のように漂っている。

人間関係において大切なこと

人間関係において大切なこと

人間は「人の間」と書きますが、私はこんなふうに解釈しています。
天と地の間を結んで立つのが人。
人は生まれてくるときも一人、死ぬときも一人です。
けれど、生まれるときにも、死ぬときにも、人の助けが必要です。
自分で産湯に浸かった人もいなければ、
みずから身を清めて棺桶に入った人もいないのです。
このことは生まれて死ぬまで一人では生きられないことを教えています。
かといって、べったりくっついてしまっ

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新しい時代の幸福体質とは

新しい時代の幸福体質とは

何ごとも「自分が納得できればいい」という基準を持つと、
とても楽になります。
もう、人の評価を当てにしなくて良くなるからです。
もちろん人から評価されることは
誰にとっても嬉しいことですから、
そのときは素直に喜べばいいのです。
むしろ最初から人に評価されることを求めていたときよりも、
ずっと嬉しいと感じることができます。ここも重要な点です。
近い将来、資本主義経済が限界を迎え、
地位や財産が幸福

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人生は平等ではない

人生は平等ではない

人生は不平等なものだと認めるのは
少し寂しいような気もしますが
そうとわかれば、もう腹をくくって
自分を生きるほかありません。
自分を生きるとは、この命をどう運ぶのかということ。
せっかくだから
あらゆる可能性を見出して進もう
転ぶときも、自分らしく転ぼう。
そういう自分を慈しんでいこう。

見えないものにこそ

見えないものにこそ

彼の岸はどこにあるのでしょう
美しい流れを隔てた
近いようで遠い向こうでしょうか
探しても見えることのない彼の岸は
深くつながり合う方々の暮らすところ
慌ただしく過ごしていると
つい忘れてしまいがち
だから曼珠沙華は気づかせてくれる
見えないものにこそ
私たちは心を向けるように
見えないものにこそ
変わらぬ何かがあることを

これが真の忠義だ

これが真の忠義だ

合戦が仕事の武士は、明日の命は知れぬ身でした。
ゆえに、明日死んでもいいように、
その日その日を悔いのないように生きることを目指したのでしょう。
それは、私たちとて同じことなのです。
今日も佳い一日を。

秋の日の陽だまりのような

秋の日の陽だまりのような

今日は ふだんにも増して
愛のある言葉を紡ごう
秋の日の陽だまりのような
さりげないあたたかさに満ちた
やさしい言葉を口にしよう
厳しいことを言わねばならない時には
母の心 親心で
我が子を思うがゆえの言葉は
たとえ厳しくとも心に響く
そんな心の有りようを
自分に求めていこう

永遠の今

永遠の今

おはよう 新しい一日
人生は 出会いと別れに満ちている
出会いのぶんだけ 別れがある
どんなに悲しくても
どんなに淋しくても
最後には すべてに
お別れしなければならない
「またね」と 口にしても
また会おうね と 約束しても
どうしても淋しいのは
もしかしたら「これが最後」になりかねないから
あるいは
最後のお別れを 心のどこかで予感するから
さよならだけが人生だ なんて
よくいったものだと思う

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あんまり緑が美しいから

あんまり緑が美しいから

あなたの目が映し出した空を、緑を
あなたが感じたのと同じ美しさで
わたしは、私の目に、心に、
映し出すことができているでしょうか
もしもわたしが今日、死ぬのなら
あなたとおなじくらい
この世界を美しく感じるでしょうか
いまは遠い空の彼方
あなたは、この世界を、あのときと同じくらい
美しいと、感じていますか?

心中の不足不満を表すな、求めるより与えよ

心中の不足不満を表すな、求めるより与えよ

何かある度に不満顔をしたところで、
事態は好転しません。
むしろさらに悪い方へと向かうでしょう。
重時が「後々までよからぬ影響を及ぼすものだ」と述べていることを
深く心に留め置きたいものです。

 

解決しなければならない病

解決しなければならない病

仕事で問題が生じた際には
解決に向け務めていくのは当然で
ただ、でも、すべてすっきり元通り
というわけには、なかなかならないものです。
だけどそれは、見方を変えれば
何か新しいかたちやあり方に移行するために
与えられたものであったといえるのです。
元に戻るよりも大事なことは、進化していくことだろうから。
それと同じで、人生における悩みが生じたとき
その悩みと向き合い、悩んでいる自分と向き合うことで

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バイリンガル教育の前に知っておきたい「日本語で育つ」ことにより身につく独自の感性と感受性について

バイリンガル教育の前に知っておきたい「日本語で育つ」ことにより身につく独自の感性と感受性について

英語で歌い出した幼い女の子

 赤坂へ向かう地下鉄に乗車してほどなく、目の前の座席に座る5歳くらいの女の子が突如「カントリー・ロード」を歌い出した。これくらいの年齢の女の子にありがちなことだが、どこか得意そうな様子が見て取れる。
 私は、沈み込むような心境になり、つり革を掴む手に思わず力が入った。極めて残念な、嫌な気分になったのだ。
 幼少期から英語教育をおこない、留学を経て海外でもバリバリ働ける

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