山科清春(やましな)

漫画原作者、編集者、ライター。 違星北斗研究会代表。

山科清春(やましな)

漫画原作者、編集者、ライター。 違星北斗研究会代表。

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WORKS (WEBライティング)

フリーライター・編集者・漫画原作者の山科清春です。 出版社で漫画や一般書籍の編集者をしたのち、独立。 ソニーミュージック「モノコン2019」マンガボックス賞 大賞受賞…

WORKS(違星北斗研究)

                →紙媒体  →WEB媒体  2000年頃より、アイヌの歌人・違星北斗(いぼし・ほくと)の研究をしています。(wikipedia : 「違星北斗」←…

WORKS (特撮関係)

               →紙媒体 →WEB  →違星北斗研究  ●『ULTRAMAN』公式サイト記事《毎月》 2020-01-24~ 『ULTRAMAN SUIT ANOTHER UNIVERSE』紹介記事 …

WORKS (WEBライティング)

フリーライター・編集者・漫画原作者の山科清春です。 出版社で漫画や一般書籍の編集者をしたのち、独立。 ソニーミュージック「モノコン2019」マンガボックス賞 大賞受賞…

山科清春 WORKS

フリーライター・編集者・漫画原作者の山科清春(やましな)です。 出版社で漫画や雑誌、一般書籍の編集者をしたのち、独立。 ソニーミュージック「モノコン2019」マンガボ…

昔、詩人だったとき。

「星のうた、あしたの鏡」

声    「《ヨウカイ》が来るぞ!」  荒野に響き渡る声。  トレーラーの運転席の屋根の上の拡声器から、声は出ている。  停車しているトレーラーの前輪タイヤ、後輪…

空奇物語(うつくしものがたり)2

二    一緒の汽車を降りた人は五、六人だったが、三々五々停車場から離れていく。みな、用意していた上着を羽織ったりしているところを見ると、肌寒く感じたのは清六だ…

さらば、合研ロボ

アキレスと亀(フルCGまんが)

空奇物語(うつくしものがたり)1

   これは我が祖父・山科清六のノートを元に書いた架空の物語である。 一  空奇(ウツクシ)の停車場に降りた途端、汗がひいた。  山科清六は片手に下げていた学生…

投石器

 雨は降り続ける。  護民長官ペトロニウスは、展望台から城壁の外を眺めていた。  城市(まち)の外はすべて《海》になっていた。気に入らない景色だった。  かつてこ…

吉本新喜劇否定論に抗する

 最近、どこかで「吉本新喜劇なんか要るか?」みたいなことを読んだ夢を見たのである。  最近の私は嫁に怒られるほど寝間でスマホするので、もしかしたら本当に読んだこ…

鏡の中の歌

1 避難 「《ヨウカイ》が来るぞ!」  インカムのヘッドホンからランタオの叫ぶ声が聞こえた。  掘削中の縦穴の中にいたサンフーは、今壁面につきたてたばかりのセラ…

砂場と瞬間の思い出

 あの日、僕は弟と見知らぬ団地にいたんだ  お母さんは用事があって  僕は弟と一緒に団地の公園で遊んでいたんだ  でも、僕らは時を忘れて遊んでいたので …

じてんしゃ

 じてんしゃのことを  かこうとしたら  じてんしゃが  ぼくに  かくなと  いった

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フリーライター・編集者・漫画原作者の山科清春です。
出版社で漫画や一般書籍の編集者をしたのち、独立。
ソニーミュージック「モノコン2019」マンガボックス賞 大賞受賞。円谷プロダクションクリエイティブアワード金城哲夫賞最終候補。
アイヌの歌人・違星北斗の研究者。お問い合わせ→ 山科清春

                 →紙媒体 →違星北斗関係

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WORKS(違星北斗研究)

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                →紙媒体  →WEB媒体 

2000年頃より、アイヌの歌人・違星北斗(いぼし・ほくと)の研究をしています。(wikipedia : 「違星北斗」←私が書いたものです)

研究サイト: 「違星北斗.com」
ブログ  : 「違星北斗研究会(ブログ)」
ツイッター: 「違星北斗bot」 
note : 「コタンノート」

★違星北斗研究●連載中
「今ぞアイヌのこの

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WORKS (特撮関係)

               →紙媒体 →WEB  →違星北斗研究 

●『ULTRAMAN』公式サイト記事《毎月》
2020-01-24~ 『ULTRAMAN SUIT ANOTHER UNIVERSE』紹介記事

《コラム》※やましなミミッチ名義

2021-01-05  謎のキーマン「牧史郎」とは?
2020-12-19 気になるキャラクター「メフィスト」とは?
2020-11-27 暗躍す

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WORKS (WEBライティング)

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フリーライター・編集者・漫画原作者の山科清春です。
出版社で漫画や一般書籍の編集者をしたのち、独立。
ソニーミュージック「モノコン2019」マンガボックス賞 大賞受賞。円谷プロダクションクリエイティブアワード金城哲夫賞最終候補。
アイヌの歌人・違星北斗の研究者。お問い合わせ→ 山科清春

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山科清春 WORKS

山科清春 WORKS

フリーライター・編集者・漫画原作者の山科清春(やましな)です。
出版社で漫画や雑誌、一般書籍の編集者をしたのち、独立。
ソニーミュージック「モノコン2019」マンガボックス賞 大賞受賞「ももいろヤングガン!」(マンガボックスで連載)。
円谷プロダクションクリエイティブアワード金城哲夫賞最終候補。
現在は漫画編集プロダクションで漫画編集として、集英社、スクエニ、秋田書店、KADOKAWAなどの作品担

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「星のうた、あしたの鏡」

「星のうた、あしたの鏡」

声    「《ヨウカイ》が来るぞ!」

 荒野に響き渡る声。
 トレーラーの運転席の屋根の上の拡声器から、声は出ている。
 停車しているトレーラーの前輪タイヤ、後輪のキャタピラは半分くらい、砂が埋もれている。

 一瞬おいて、地面に掘った大きな穴(直径2メートルくらい)の中から、小猿のように飛び出してくる少年。
 サンフー(10歳)だ。

サンフー「来た! 来た! 来た!」

 サンフーは泥だらけ

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空奇物語(うつくしものがたり)2



 

 一緒の汽車を降りた人は五、六人だったが、三々五々停車場から離れていく。みな、用意していた上着を羽織ったりしているところを見ると、肌寒く感じたのは清六だけの話ではなかったと見える。

 京田院の話では、オオクボくんとかいう助手が時刻表に合わせて停車場まで迎えに来てくれるということだったが、本来汽車が到着するべき時間に比べてすこし間があるようだ。

 汽車が早く着きすぎたらしい。早く着き

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空奇物語(うつくしものがたり)1

 

 これは我が祖父・山科清六のノートを元に書いた架空の物語である。



 空奇(ウツクシ)の停車場に降りた途端、汗がひいた。

 山科清六は片手に下げていた学生服の上着を羽織った。札幌にある開拓大学の制服である。清六は行李の中から学帽を取り出して、伸びはじめた坊主頭にのせた。

 どうも先程から、雲行きがあやしいと思っていたが、いよいよ降りだしそうな雰囲気である。

 眼鏡の奥の細い目をさ

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投石器

 雨は降り続ける。

 護民長官ペトロニウスは、展望台から城壁の外を眺めていた。

 城市(まち)の外はすべて《海》になっていた。気に入らない景色だった。

 かつてこの国を覆い尽くしていた緑の農地も、狩場も牧草地もなくなってしまった。彼がまだ若く新米の護民官だったころから、毎日毎日見続けてきた牧歌的な風景はもうどこにもなかった。

 世界は《海》によって覆われていた。

 ペトロニウスは天に唾を

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吉本新喜劇否定論に抗する

 最近、どこかで「吉本新喜劇なんか要るか?」みたいなことを読んだ夢を見たのである。

 最近の私は嫁に怒られるほど寝間でスマホするので、もしかしたら本当に読んだことかもしれないけれど、もし夢だったとしても現にしても、まあ、なんか親戚がdisられているようで悲しかったなあ。

 吉本新喜劇で笑ったことはない、面白くない、すぐチャンネル変える、ギャグにコケるのはバカバカしい、下品だ、大阪にあるとされる

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鏡の中の歌

1 避難

「《ヨウカイ》が来るぞ!」

 インカムのヘッドホンからランタオの叫ぶ声が聞こえた。

 掘削中の縦穴の中にいたサンフーは、今壁面につきたてたばかりのセラミック製のシャベルから手を放すと、急いで縄梯子を登って、すこし離れたところにある基地車へと向かった。

 古い時代のトレーラーを改造したベースカーの、コンテナ側面の梯子をかけ登り、アンテナ台の上によじのぼる。

 くん、と鼻を鳴らした

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砂場と瞬間の思い出



 あの日、僕は弟と見知らぬ団地にいたんだ

 お母さんは用事があって

 僕は弟と一緒に団地の公園で遊んでいたんだ

 でも、僕らは時を忘れて遊んでいたので

 気がついたらむこうのほうでお母さんが呼んでいて

 僕らは行かなくちゃならなかったんだ

 弟は砂場で灰色の砂粒たちと、一生懸命に遊んでいた

 弟はとてもとても楽しそうに、一心不乱に遊んでいた

 弟はこのうえなく愉快な顔

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じてんしゃ

 じてんしゃのことを

 かこうとしたら

 じてんしゃが

 ぼくに

 かくなと

 いった