マガジンのカバー画像

日々の思考と記録

1,757
毒にも薬にもならないけれど、身体に染み込むように、思ったこと、考えたことを自分の言葉で書きます。拙くたって、伝わらなくたって、真摯に書く。
運営しているクリエイター

2022年1月の記事一覧

感謝で奪うな

感謝で奪うな

 人への感謝を忘れるな。
 そういう言葉を人生で何度も聞いた。

 今までの経験上、概ねその通りだと思う。
 ただし、感謝を人を動かす手段とするのは反対だ。

 ある人が自分のためにやっていることに対して、第三者が感謝することがある。
 たとえば、学ぶという行為は自分にとって必要だからやるのだが、それに対して「学んでくれてありがとう」という人がいるのだ。それは理屈としておかしいのだが、要するに「学

もっとみる
未熟への寛容さ

未熟への寛容さ

 典型的なちぐはぐな会話を聞いた。男女で話していて、
「やっぱり私もノートパソコン買った方がいいかな」
「買うとしたら、SSDのやつがいいね」
「SSDってなに?」
「HDDはCDみたいなのに磁気でデータを書き込んでいくんだけど、SSDはメモリーチップでデータを記憶させるんだよね」
「そのパソコンがいいってこと?」
「まあ、値段が高いからね」

 みたいな会話が延々と繰り広げられていた。
 僕は聞

もっとみる
向かなくても成長する

向かなくても成長する

 人前に立つことが苦手だった。
 自分が前に立つとなると、お腹が痛くなるような子どもだったし、上手く言葉が出てこない。人前に立たなくていいように過ごしていきたいと思っていた。

 けれど、今日の仕事でも人前に立っていた。
 こんなはずではなかったのだ。

 しかし、場数をこなすことである程度慣れは出てきた。以前は緊張して、表に立っている時はずっと力が入っていたけれど、今日は自然体に近い形で過ごせた

もっとみる
裏表を越えて

裏表を越えて

「私、基本人を信じないから」
 つい最近、そう言った人がいた。話を聞いてみたら、手酷く裏切られたことがあるらしい。詳しくは控えるが、同じ体験をしたら確かに僕もショックを受けたかもしれない。

 ただ、不思議に思った。
 裏切られたから、人を信じなくなるのだろうか?
 いや、裏切られても人を信じようとする人を僕は知っている。だから、「Aが起こったらBになる」みたいな簡単な図式は成立しない。

 逆の

もっとみる
ざわざわ

ざわざわ

 今日はなんだかnoteが全然書けない。
 いくつか書き始めて、手が止まってしまう。
 思考がいつにもまして、形になっていかない。

 すごく内心がざわざわしている。

 町を行き交う人々の顔が、どことなく険しい気がする。
 だれかなんとかしてくれ。
 そんな声がそこかしこから聞こえてくる。

 自分の中からも聞こえてくる。
 けれど、お互いの顔を伺っているうちはだれも動き始めない。

 待ってい

もっとみる
なにを残せるか

なにを残せるか

 2度だけお会いしたことのある方が、先日闘病の末に亡くなったと聞いた。
 雰囲気の柔らかい懐の大きい人で、とても印象に残っている。その方が生前残していた言葉を聞いていて、疑問が起こった。

 僕はこの世界に一体残せるんだろうか?
 自己実現のような個人的なものとは別に、社会を構成する1人として、なにをしただろうか?

 今のところ、胸を張って言えることはない。
 けれど、次の世代の人々へなにか変え

もっとみる
乾いた指摘

乾いた指摘

 自分の関わり方は、まだまだ未熟だと感じることは日々ある。今日もあった。

 相手のあることなので例え話として書くが、隣の家に剪定の人が来て、切りづらいからと自分の家の庭に入らせてくれと言う。それに快く応じたものの、剪定の人がなぜか自分の家の枝切り鋏を使っていた。

 僕は「使う前に一言断ってください」と言った。

 皮肉が言いたかったわけじゃないし、謝罪や賠償を求めていたわけじゃない。減るもので

もっとみる
自己との対話

自己との対話

 ちょっと前に、本が読めない時期があった。
 どれだけ文章を読んでも、文字が踊っているように見えるだけで、中身が頭に入ってこない。

 それが最近また本を読み進められるようになってきた。
 まず、本に集中できる。
 以前は注意が散漫で、そもそも本に向かっていられなかった。頭の中がうるさくて、静かな文章はかき消されてしまうようだった。

 それが少しずつ自分の思考が落ち着いていたおかげだろうか。短い

もっとみる
試行錯誤の余地

試行錯誤の余地

 今日は朝から出かけて本を読み、昼は今日中に済ましておきたかった仕事を片付け、夕方は身体を動かし、今noteを書いている。

 なにか大きな出来事があったわけではないが、充実した1日だと感じている。
 というのも、自分の中で朝からやろうと思っていたことができた。

 自分が思っていた通りに動けると気分が良い。それだけ自分自身が思い通りにならないことを日頃から思い知らされている。
 ただ、以前よりも

もっとみる
見える、見えない

見える、見えない

 自分には絶対に見えない世界がある。そして、それは裏返せば自分にしか見えない世界もあるといことだ。

 元々、漫才を見るのが好きだったが、ここ数年で芸人ラジオをよく聞くようになってから、更にお笑いに関心が深まっている。とはいえ、オンラインライブを見る程度のライトなファンだ。

 そんな人間にとっても、M-1というのは特別な舞台で、毎年心から楽しみにしている。去年衝撃を受けたのはなんといっても、モグ

もっとみる
助けになりたい

助けになりたい

「人を助けたい」とは思わない。
 それは、一歩間違えば相手を無視した一人よがりな行動になってしまうから。

「人の助けになりたい」とは思う。
 それは、受け取るか否かの選択権を相手に委ねることだから。

 助けるとは、なにか行動を起こすことだ。
 助けになるとは、しなかったことも含まれる。

 助けを必要としている人を目の前にすると、ついつい「なにをするか」ばかり考えてしまう。
 でも、なにが救い

もっとみる
身体でかい

身体でかい

 普段、自分の身体を見る機会は意外と少ない。
 手や足、顔、上半身といった部分を目にすることはあっても、全身はあまり見ない。自分の身体は感じるものであって、見るものではない。

 姿見があったとしても、人と比べて見ることはないので、自分の身体が客観的にどう見えるのかは無自覚だ。それは、ある種の職業の人以外はそうだと思う。

 ちょっと前に、複数人で写真を撮る機会があって、その写真を見た時に他の人々

もっとみる
不快感を自ら処理する

不快感を自ら処理する

 僕達が生きていると、心地よいものに触れる機会がある一方で、不快になるものに出会うこともある。
 その不快さを他者に解決してもらおうとするのが、いわゆるクレーマーだと僕は思っている。ここで大事なのは、不快さを感じること自体は珍しいことではない。自分の不快感を表明したり、向き合ったりすることはなにも悪くない。
 その中で、自分の「嫌な感じ」を他者に解決してもらう手段は取らない方が良いと思う。

 物

もっとみる
程よい疲れ方

程よい疲れ方

 昨日は1日ただただポンコツだった。
 なにをしていても、まともにできない。

 大いに心当たりがあるので、全く心配していなかった。その状態は心身のバランスが取れた疲れの結果だと思っている。

 身体だけが疲れている時、たとえばフルマラソンを走った翌日は、とにかく寝ているしかない。抗いようがないのだ。
 逆に精神的に疲れている時、色んな雑念が浮かんできて、なにもする気に慣れない。

 昨日は、とり

もっとみる