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見える、見えない

 自分には絶対に見えない世界がある。そして、それは裏返せば自分にしか見えない世界もあるといことだ。

 元々、漫才を見るのが好きだったが、ここ数年で芸人ラジオをよく聞くようになってから、更にお笑いに関心が深まっている。とはいえ、オンラインライブを見る程度のライトなファンだ。

 そんな人間にとっても、M-1というのは特別な舞台で、毎年心から楽しみにしている。去年衝撃を受けたのはなんといっても、モグライダー。演技とリアルの境界線が曖昧な漫才に衝撃を受けた。
 そんなモグライダーのツッコミ芝さんがラジオに出ていた。
 そこで語られていたM-1のネタに関する話がめちゃくちゃ面白かった。

(公式アーカイブ 17:18~)

 パーソナリティーは放送作家の方だ。その作家ならではの視点で、M-1のネタに関して質問をする。ネタで「どうして笑いが起こるのか、全くわからないところが1つだけある」というのだ。

 そのやりとりが興味深かった。
 放送作家というのは、舞台に立つ人間ではない。だから、どうしたって理屈で考えざるをえない。
 一方で、演者である芝さんはなかなか言葉にできないのだが、自分の肌感覚として、なんとなく笑いが起こると想定して作っているという。

 理屈で考えても全く理解できない。
 肌感覚でできてしまうが、上手く説明はできない。

 この対照的な視点はとても面白い。
 理屈と体感をバランス良く高めていくのが1番なのだが、それを極めていっても結局失われてしまうものがあるだろう。だから、一人一人の視点が面白いんだろうなと思った。

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