かごとも

本屋とラジオ好き。関心領域は海外文学・人文学。「ALL REVIEWS友の会」会員。

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記事一覧

ALL REVIEWSの歩き方(ガイブン編)

この記事は、藤ふくろうさんが主催している「海外文学・ガイブン アドベントカレンダー」12月6日のエントリーです。12月1日から25日まで、ガイブン好きの猛者たち(本エン…

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3年前
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2020年9月の読書メモ

● 夜のみだらな鳥読書会 内容はさておき、1章~30章の細かく章立てされた構成で、チェスのコマを進めるように短期集中で読書が捗った。 翻訳がこなれていて意識の流れの…

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3年前

荻窪Titleへ

雨と雷の荒天の日、人出の少ないチャンスを見計らって、荻窪Titleへ向かう。案の定、電車は座れるほど空いていた。 広すぎず狭すぎない店内と、書棚のラインナップが好み…

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3年前
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半年ぶりの東京堂書店訪問

有休を取得し、半年ぶりに夕暮れの神保町を訪問。大型書店に行くのは本当に久しぶりで、自分のためにやっているのでは、と錯覚するほど、フェアが充実していた。書店はこう…

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3年前
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きんしかがやく~「紀元二千五百年」から「リパブリック讃歌」へ

テレビゲームが登場する前の、昭和の女児の外遊びにゴム段があった。地域によってはゴム飛びというかもしれない。公園の車止めの2本の円柱に衣類用の平ゴムを引っかけてそ…

かごとも
3年前
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毎年1月3日に山種美術館に行く理由

人はたいていある程度歳をとると、着物、落語、歌舞伎に能、京都の寺社めぐりなど、何かしら和のたしなみを身につけるものだが、ついぞその機会が訪れることはなかった。 …

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4年前
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2020年の読みはじめ

■紫式部『源氏物語』A・ウェイリー英訳版 (左右社)「桐壺」の章を読了。「御殿」⇒「パレス」、「萩」⇒「ライラック」の訳し替えは、平安時代と異国のお伽話の情景が同時…

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4年前
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本屋で年越し〜book topics of the year 2019 イベント メモ

下北沢B&Bの”本屋で年越し”イベントに参加。 開始早々、「本屋で年越しをするなんて、そうとう変な人」と登壇者の一人に軽くディスられるのだった…。 出演者: 北田博…

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4年前
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第二十三回文学フリマ東京で買った本

1.LOCUST vol.3 2.Criteria 4 3.ODD ZINE vol.3 4.生活考察 vol.07 5.Witchenkare vol.10 6.北欧フェミニズム入門 7.パリのガイドブックで東京の町を闊歩する1 8.ヴ…

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4年前
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神保町ブックフェスティバルにて

1.『独裁者のブーツ』ヨゼフ・チャペック(共和国) 2.『鏡の中のボードレール』くぼたのぞみ(共和国) 3.『読書の歴史: あるいは読者の歴史』アルベルト・マングェル(柏書…

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4年前
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先週買った本とそのきっかけ

1.『天才たちの日課 女性編』(フィルムアート社) 昨年観た映画『顔たち、ところどころ』でファンになったアニエス・ヴァルダの日課に興味を惹かれて。 2.『在野研…

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4年前
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『「差別はいけない」とみんないうけれど。』読書会で著者からおすすめされた本

課題本『「差別はいけない」とみんないうけれど。』(平凡社) ゲストでご参加いただいた著者・綿野恵太さんのおすすめ本。 ●『言ってはいけない』『もっと言ってはいけ…

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4年前
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今日買った本とそのきっかけ

人は何をきっかけに本を手に取るのだろう。そんなことをふと思い、自分が本を手に取ったきっかけを記してみた。 ●『読書会入門』山本多津也(幻冬舎新書) 過去何十回と…

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4年前
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ALL REVIEWSの歩き方(ガイブン編)

ALL REVIEWSの歩き方(ガイブン編)

この記事は、藤ふくろうさんが主催している「海外文学・ガイブン アドベントカレンダー」12月6日のエントリーです。12月1日から25日まで、ガイブン好きの猛者たち(本エントリー主を除く)が参加しています。
https://adventar.org/calendars/5669

書評アーカイブサイト ALL REVIEWS のボランティアスタッフとなり、ちょうど2年。校正や入稿作業をする過程で、日々

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2020年9月の読書メモ

2020年9月の読書メモ

● 夜のみだらな鳥読書会
内容はさておき、1章~30章の細かく章立てされた構成で、チェスのコマを進めるように短期集中で読書が捗った。
翻訳がこなれていて意識の流れのくだりも、誰の声か分かりやすく、読みやすい。
一般には「悪夢」とイメージされる小説世界。語り手や主要人物が不幸な眼にあっても、フリークスや老人は伸び伸びと生きている。座間や相模原の事件を思うと、むしろ居心地がいいのでは。
知識人の語り

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荻窪Titleへ

荻窪Titleへ

雨と雷の荒天の日、人出の少ないチャンスを見計らって、荻窪Titleへ向かう。案の定、電車は座れるほど空いていた。

広すぎず狭すぎない店内と、書棚のラインナップが好み、というより、毎日TitleのTwitterを見ていて、本のセレクトに多大な影響を受けている。1年に1度ないしは2度訪問なのに、自宅にある本の多くが並んでいて、最新刊も見覚えのある本で既視感があり、むしろ不思議……?に思うのだった。

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半年ぶりの東京堂書店訪問

半年ぶりの東京堂書店訪問

有休を取得し、半年ぶりに夕暮れの神保町を訪問。大型書店に行くのは本当に久しぶりで、自分のためにやっているのでは、と錯覚するほど、フェアが充実していた。書店はこうでなくては。

- 中上健次の本棚
- 阿久津隆『本の読める場所を求めて』フェア
- 佐々木敦『批評王』フェア
- 河出書房新社 ふくろうの本 フェア

買った本は3点。
- デビット・グレーバー『ブルシット・ジョブ』
- 佐々木敦『批評王

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きんしかがやく~「紀元二千五百年」から「リパブリック讃歌」へ

きんしかがやく~「紀元二千五百年」から「リパブリック讃歌」へ

テレビゲームが登場する前の、昭和の女児の外遊びにゴム段があった。地域によってはゴム飛びというかもしれない。公園の車止めの2本の円柱に衣類用の平ゴムを引っかけてその間に立ち、歌を歌いながら左右のゴムを足に引っかけたり、ひねったりしてステップを踏む。
姉やその友達たちがリズミカルに複雑なステップをこなすのを、年少で運動嫌いの自分はただ眺めているだけだったが、ゴム段遊びの歌は今も口ずさむことができる。

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毎年1月3日に山種美術館に行く理由

毎年1月3日に山種美術館に行く理由

人はたいていある程度歳をとると、着物、落語、歌舞伎に能、京都の寺社めぐりなど、何かしら和のたしなみを身につけるものだが、ついぞその機会が訪れることはなかった。

それでも年に1度は、正月の3日に、日本画を観に行くことにしている。
行き先は恵比寿の山種美術館。

ワビサビを理解できない雑駁な知能の持ち主にも理解がしやすい、富士!、桜!、美人!と、大きな画面に端麗な筆づかい、眼にも鮮やかな日本画が多数

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2020年の読みはじめ

2020年の読みはじめ

■紫式部『源氏物語』A・ウェイリー英訳版 (左右社)「桐壺」の章を読了。「御殿」⇒「パレス」、「萩」⇒「ライラック」の訳し替えは、平安時代と異国のお伽話の情景が同時に浮かび上がってきて、とても新しい読書体験。

■南方熊楠『十二支考』下巻 (岩波文庫)「鼠」の章を読了。プリニウスの『博物誌』やフレイザーの『金詩篇』、中国、アジア、アフリカなど、古今東西の膨大な民間伝承、伝説を収める。一般向けの雑誌

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本屋で年越し〜book topics of the year 2019 イベント メモ

本屋で年越し〜book topics of the year 2019 イベント メモ

下北沢B&Bの”本屋で年越し”イベントに参加。
開始早々、「本屋で年越しをするなんて、そうとう変な人」と登壇者の一人に軽くディスられるのだった…。

出演者:
北田博充さん(二子玉川 蔦屋家電)
鈴木永一さん(本屋イトマイ)
竹田信弥さん(双子のライオン堂)
嶋浩一郎さん(本屋B&B)
内沼晋太郎さん(本屋B&B)

☆2019年の出版トピック●雑誌編集の今後
-広告枠を売るビジネスから、カルチャ

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第二十三回文学フリマ東京で買った本

第二十三回文学フリマ東京で買った本

1.LOCUST vol.3

2.Criteria 4

3.ODD ZINE vol.3

4.生活考察 vol.07

5.Witchenkare vol.10

6.北欧フェミニズム入門

7.パリのガイドブックで東京の町を闊歩する1

8.ヴァージニア・ウルフ ある協会

9.若月 馥次郎 桜と絹の国

10.機関精神史 第二号

11.橋本 亮二 うもれる日々

12.genkai v

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神保町ブックフェスティバルにて

神保町ブックフェスティバルにて

1.『独裁者のブーツ』ヨゼフ・チャペック(共和国)

2.『鏡の中のボードレール』くぼたのぞみ(共和国)

3.『読書の歴史: あるいは読者の歴史』アルベルト・マングェル(柏書房)

https://1000ya.isis.ne.jp/0383.html

先週買った本とそのきっかけ

先週買った本とそのきっかけ

1.『天才たちの日課 女性編』(フィルムアート社)
昨年観た映画『顔たち、ところどころ』でファンになったアニエス・ヴァルダの日課に興味を惹かれて。

2.『在野研究ビギナーズ』(荒木優太 編)
著者のTwitterをフォローしていたので。

3.『昏き目の暗殺者』(マーガレット・アトウッド)
ノーベル文学賞の有力候補で、鴻巣さん訳で文庫化されたため。

『「差別はいけない」とみんないうけれど。』読書会で著者からおすすめされた本

『「差別はいけない」とみんないうけれど。』読書会で著者からおすすめされた本

課題本『「差別はいけない」とみんないうけれど。』(平凡社)
ゲストでご参加いただいた著者・綿野恵太さんのおすすめ本。

●『言ってはいけない』『もっと言ってはいけない 』橘玲 (新潮新書)
人種と知能指数に関する研究の紹介。「リベラルな社会ほど遺伝率が上がる」

●『実践行動経済学』リチャード・セイラー&キャス・サンティーン(日経BP)

●『シンプルな政府:“規制"をいかにデザインするか』キャス

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今日買った本とそのきっかけ

今日買った本とそのきっかけ

人は何をきっかけに本を手に取るのだろう。そんなことをふと思い、自分が本を手に取ったきっかけを記してみた。

●『読書会入門』山本多津也(幻冬舎新書)
過去何十回と参加している読書会、猫町倶楽部。読書会の運営ノウハウを知りたくて。

●『善意という暴力』堀内進之介(幻冬舎新書)
裏表紙の解説に惹かれて。買ってから著者の前著を一度手にしていたことを思い出す。前著は、文化系トークラジオLifeのイベント

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