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毎年1月3日に山種美術館に行く理由

人はたいていある程度歳をとると、着物、落語、歌舞伎に能、京都の寺社めぐりなど、何かしら和のたしなみを身につけるものだが、ついぞその機会が訪れることはなかった。

それでも年に1度は、正月の3日に、日本画を観に行くことにしている。
行き先は恵比寿の山種美術館。

ワビサビを理解できない雑駁な知能の持ち主にも理解がしやすい、富士!、桜!、美人!と、大きな画面に端麗な筆づかい、眼にも鮮やかな日本画が多数展示されている。

現在は『上村松園と美人画の世界』展が開催中。
●会期:2020年1月3日(金)~3月1日(日)
●見どころ:松園の《蛍》、《砧》、《牡丹雪》などの代表作を含む所蔵作品計18点がすべて展示される。

《つれづれ》という題の、書を読む女、まさに美人画、完璧な構図、としばらく嘆じていた。

しかし、この美人、よくよく見ると、体育座りで股に本を挟む姿勢で、なかなかにお行儀が悪い。
花のかんばせに見とれて、あやうくダマされるところだった。

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話を戻そう。

山種美術館は、正月の3日が年始最初開館日にあたり、この日だけのサービスがある。

●館長ご挨拶。
晴れやかな着物姿でお出迎え。スマイル0円。

●プチギフトのプレゼント
入場の際に、ポストカードが配られる。鶴や松などの縁起物の絵柄。先着順。

●甘酒サービス
こちらも3日限定のサービス。冷えたからだが温まる。

●喫茶カフェ椿で正月限定の和菓子が出される
色鮮やかな練り切りと抹茶のコントラストは、眼福の限り。
展覧会の折々の出品作品からモチーフを取り、老舗菓子匠「菊屋」に特別にオーダーした和菓子が楽しめる。

●豪華福袋
2020年カレンダーと美術館グッズの詰め合わせ。
グッズは半端ものでなく、人気のある華やかな花々や愛らしい動物の絵柄のアイテムが揃っている。
山種は、都内の美術館の中でもグッズの質が際立って良く、ちょっとしたギフトにもなる。
価格は通常価格の三分の一。
懐事情がひっ迫していない限り、買わないのは損である。

【2020年のグッズ】
・ポチ袋5枚:速水御舟「春池温」の鯉
・ミニタオル:速水御舟「翠苔緑芝」の猫
・ミニノート:速水御舟「翠苔緑芝」
・ブロックメモ:田能村直入「百花」
・グリーティングカード:川合玉堂「氷上(スケート)」
・クリアファイル大小:速水御舟「名樹散椿」、速水御舟「バラ」
・マスキングテープ2種:田能村直入「百花」、速水御舟「バラ」
・化粧箱入りキャンディー:横山大観「木兎」

鑑賞と買い物の後は、喫茶でしばし休憩。松園《春風》に想を得た和菓子「春のかぜ」と抹茶セットを注文。春の陽ざしのような橙色の温もりを、一足先に口にする。
母へのプレゼントに次回展の鑑賞券を求めて、美術館を後にした。

【アクセス】
JR恵比寿駅西口・東京メトロ日比谷線恵比寿駅 2番出口より徒歩約10分
駒沢通りを青山方面に道なりにまっすぐ向かう。

【インフォメーション】
開館時間:10時‐17時
休館日:毎週月曜日
所在地:東京都渋谷区広尾3-12-36
入館料:1000円~1300円程度
割引:フライヤーの割引券、きもの割り、リピーター割り

【Webサイト】

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