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本屋で年越し〜book topics of the year 2019 イベント メモ

下北沢B&Bの”本屋で年越し”イベントに参加。
開始早々、「本屋で年越しをするなんて、そうとう変な人」と登壇者の一人に軽くディスられるのだった…。

出演者:
北田博充さん(二子玉川 蔦屋家電)
鈴木永一さん(本屋イトマイ)
竹田信弥さん(双子のライオン堂)
嶋浩一郎さん(本屋B&B)
内沼晋太郎さん(本屋B&B)

☆2019年の出版トピック

●雑誌編集の今後
-広告枠を売るビジネスから、カルチャーの知見やプランニングを企業に売り込むコンサルビジネスへ
-前例:Veryが主婦向けの自転車を企業と共同開発
-マス向けではなく、ラジオ(たまむすびやアトロクなど)などコアなファンに向けた企画立案。

●青山ブックセンターコミュニティ始動
-本屋のファンクラブ運営
-例:リトルスタッフ(40店舗加盟、月額300円)
-Pixivファンボックス、VTuber支援

●メルカリなどによるCtoCでの流通
-メルカリチャレンジ(出品して売れるまでに読み切る)
-Amazonで自著が1円で出品されたら自分で購入し、値崩れ防ぐ

●ニューヨーク公共図書館ヒット
-本屋の適正数:私鉄駅の駅前に本屋はあってほしい。家に帰るまでに一軒あってほしい
-日本は図書館少ない
-子ども向け
-雑誌購入を民間企業にスポンサーさせる

●ヘイト本と『私は本屋がすきでした』
-パターン配本←売り場に置かなければいいのでは
-韓国文学のヒット、雑誌「文藝」重版

●雑誌が雑じゃなくなってる問題
-コンビニの販売スペースが削減
-dマガジンで読みたい記事だけ読む
-雑味があることの価値観を伝えなくては。
-フィルターバブルというけどTwitterは雑味もある
(大学生は50人しかフォローしない、3000人フォローすれば雑味がでる)

●書き手が直接本をつくる時代
-大手が文芸書を出さなくなっている
-フィクションを読むリーダー(経営者・政治家)が出るといいな
-私家版 早助よう子『ジョン』

-文学フリマで小説家がZine販売 太田靖久『ODD ZINE vol.3』

●近隣周辺国と本と出版の関係
-韓国との政治的緊張で韓国人アーティストの展示が中止→企画「連帯」
‐K-Book Festival 大盛況、クオン
-これまで韓国文学が入ってこなかった分、今は傑作ばかりが販売

●増税
‐10月の売上減少

●出版物流
‐運送会社はもうからないので雑誌は運びたくない

●政策
-近隣諸国の支援体制に比べ日本は無策
中国:本屋の出店に政府補助金
台湾:独立書店の配送料負担
韓国:政府機関で本の翻訳支援

●本屋の本の販売以外の可能性
-本棚販売、ビール販売、イベント実施
-本を売っても利益率22%、ビールは50%
-6時からの英会話教室、上級者向けワイン講座(18万円)→知的好奇心を売る
-ALL REVIEWSイベント、翻訳家・鴻巣友希子さんワイン会
-喫茶7:書籍3の売上(イトマイ)
-喫茶でプリン提供+喫茶で出しているプリン掲載本(イトマイ)

●書肆汽水域

-北田氏の設立した出版社
-忘れられた作家を再刊
-『多田尋子小説集 体温』
-清水博子7回忌『ぐずべり』雑誌未刊行の小説とあわせて再刊したい


●noteの発展
-はてダ、さるさる日記、Mixi日記→ブログ→SNS→もう少し長い文章
-書店を補助するキュレーションページ

●日記文学
-滝口悠生『アイオワ日記』←文芸誌連載が本にならないのでNUMABooksから出版
-ウォーホル、横尾忠則などの日記に注目

●医学書院フィーバー
-シリーズ・ケアを開く
-『中動態の世界』『いるのがつらいよ』『どもる体』『弱いロボット』

●ノンフィクションが売れない
-トーハン・日販のベストセラーに入らない
-話題作『ぼくイエ』『牙』『魚とヤクザ』

●Amazonが新刊在庫を持たなくなりつつある
-ロングテールから方針変更?
-インフラ化しているから、出版社に在庫があるが品切れと誤解

●Amazon&CCC買切り方針
-返品不要、売れなければ値下げ
-出版社に掛け率(利益率)を変更してほしい
-中小出版社は現金化が半年後

●年間ベストセラー20に文芸書が1点のみ
-本屋大賞の本のみランクイン
-本屋大賞は確実に売れる。それ以外の本を売る努力は?
-元は直木賞など文学賞のカウンターとして始まった→エスタブリッシュメント化
-裏本屋大賞(くまざわ書店)
-とはいえ、SNSで投稿したマイベストが版元に届くのはいい時代

●文学フリマ
-ヴァージニア・ウルフのファン同人誌『かわいいウルフ』1000冊販売
-『百年の孤独を代わりに読む』note連載→文フリで書籍版

●二子玉川本屋博開催

●ブームからの脱元年
-フェミニズム、韓国文学…議論の種をまいた跡をフォローする

★年越しソバと日本酒が振舞われる。粋な心遣い!

初売り

fuzkueの「読書の日記」で興味をひかれ、滝口悠生『やがて忘れる過程の途中』を求める。滝口作品は『高架線』を読んでいる。作中の人間関係の距離感が好みだった。
そういえば、滝口さん、文学フリマで売り子をされていた。ODD ZINEのブースで「この中で好きな作家はいますか」と聞かれたので、「滝口さんと町屋さん」と答えたら、滝口さんがサインをくれた。芥川賞作家も文学フリマに参加する時代。

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