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2020年の読みはじめ

■紫式部『源氏物語』A・ウェイリー英訳版 (左右社)

「桐壺」の章を読了。「御殿」⇒「パレス」、「萩」⇒「ライラック」の訳し替えは、平安時代と異国のお伽話の情景が同時に浮かび上がってきて、とても新しい読書体験。

■南方熊楠『十二支考』下巻 (岩波文庫)

「鼠」の章を読了。プリニウスの『博物誌』やフレイザーの『金詩篇』、中国、アジア、アフリカなど、古今東西の膨大な民間伝承、伝説を収める。一般向けの雑誌に掲載されたと言え、大正時代の文体は、トピックごとに区切りがなく、ややとっつきにくい。何かしら書き物をする人は持っていて損はない一冊。毎年その年の干支の章を読むと楽しいと思う。(青空文庫入りもしている)

■ロベルト・ボラーニョ『2666』(白水社)

1月中の「鈍器本」の読書会に参加するために、取り組み中。2段組みの本は久しぶり。進捗は今一つ。
『2666』を読むために、カフェテーブルを買った。テーブルの価格<書籍の価格、というのは何か釈然としない。
ちなみに1月はプルーストのセミナーと、ボラーニョ、町田康ゲストの読書会の3本立てである。
こうして見ると、ウェイリー版の『源氏』(全4巻)も、十分鈍器としての資質を備えていた。

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