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#読書感想文
紅"連"の華よ、咲き誇れ / 『鬼滅の刃』
以下、原作最終巻までのネタバレ有:未読の方はご注意を。
その親和性に改めて感嘆。『鬼滅の刃』原作も最後まで、アニメ版オープニング曲『紅蓮華』になぞらえて観たくなる作品だった。
蓮という漢字は、花を表すくさかんむりの下に"連"。この作品には、沢山の紅の華が連なり咲いていたなと思った。
"ヒノカミ神楽/日の呼吸"
神に祈りを捧げるべく炭治郎の父が舞っていたのは、すべてのはじまりの呼吸を用いた神楽
快と不快、対立と共存 / 小説 『死にがいを求めて生きているの』 朝井リョウ
読み、noteに書き留め、また読む。そのサイクルで結末まで走り抜けた結果、決して心地よくはない読後感が癖になっているから不思議だ。快と不快が対立し、それでいて共存している。或いは、海族と山族の様に。
朝井リョウの小説に苦手意識を持ったのは『何者』に続けて『何様』を読んだ頃と記憶している。その時も私は、誰かの薦めで両作品を読んだのだ。明確な理由は忘れてしまったのだけど、私はこうじゃない、と没入でき
あたたかな夜の街を往く / 小説『おやすみ、東京』 吉田篤弘
タイトルに惹かれてページを捲り、最後まで読んでみることを決めたのは2人の登場人物が気になったから。映画会社の小道具担当・<調達屋>のミツキと、タクシー運転手の松井さん。
東京、午前一時。この街の人々は、自分たちが思っているよりはるかに、さまざまなところ、さまざまな場面で誰かとすれ違っている―映画会社で“調達屋”をしているミツキは、ある深夜、「果物のびわ」を午前九時までに探すよう頼まれた。今回もま
今こそ書きたい大人の読書感想文
本を読むのが好きな子どもだった。正確にはテレビやゲームを制限されていて、親から与えられる唯一の娯楽が本だっただけの話だ(漫画はある程度OKだった)。どんな親も一度は我が子を天才だと思うらしいが、絵本でひらがなを覚え、早々と大人向けの本に手を出し漢字を覚えていたそうで、小学生の頃には年間600冊を読む本の虫に成長していた。ただしこれは全てが自らの意志だった訳ではない。「読書ノート」なる記録をつけるこ
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