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メタル君の「今日の精神医学豆知識!」(506)-(510)

皆様、こんにちは。鹿冶梟介(かやほうすけ)です😆

7月も後半に突入!学生さんの中には既に夏休みに入っているかたもいるのではないでしょうか?

一方、大人な皆様は「夏休み...?何それ...😭」

...と、血の涙を流す人もいらっしゃるでしょう。

「夏休み」

小生の場合、大学時代は8月、9月が丸々休みだったので当時は時間を無駄遣いしてました😅

大学を卒業してからは丸々2ヶ月仕事を休む...、なんてことはありませんでしたが、前回のメタル君の「今日の精神医学豆知識!」でも紹介したように、7月は有休消化でわりと休みが多いです🤗

もちろん丸々1ヶ月休み...なんてことはできませんが、ウィークデーに休みが入るとちょっとウキウキして大学時代の夏休みのことを思い出したりしますね...🤔

8月以降はなかなかまとまったお休みは取りにくくなりますが、先のことは気にせず今を満喫したいと思います!

メタル君の「今日の精神医学豆知識!」は、X(旧: twitter)で毎朝8時にアップしております。

X(旧: twitter)民の皆様も、X(旧: twitter)では語りきれなかった【メタルのおまけ】がございますので、ご興味があれば本記事を是非お読みください!


【今日の精神医学豆知識集!(その102)】

506.統合失調症のドイツ語Schizophrenieは「Schizo(分裂した)」+「Phrenie(精神)」という意味なんだよ。このPhreniaは古代ギリシャ語のphren(フレン)で「心」を意味するけど、由来は横隔膜なんだってさ。昔は横隔膜に心が宿ると思ったみたいだね。

2024年6月6日

【メタルのおまけ】
統合失調症、つまりSchizophrenieという言葉を提案したのはスイスの精神科医Eブロイラーだよ。Schizophrenieという用語が誕生する前までは、早発痴呆(dementia praecox)と呼ばれていたよ。ちなみに日本では1937年から精神分裂病と言っていたけど、2002年より名称を改訂して「統合失調症」と呼ぶことにしたよ。

↓焼肉で横隔膜といえば、ハラミですね!


507.プレスビオフレニー(Presbyophrenie)は老年期認知症の一型でコルサコフ症候群(記名力低下、失見当識、作話)を示すけど精神的・情緒的には活発で外見も比較的整っているよ。ちなみにPresbysはギリシャ語で"老人"を意味するよ。

2024年6月7日

【メタルのおまけ】
認知症においては大脳皮質の障害が多いんだけど、情動処理に関わる辺縁系などは比較的保たれているんだ。だからそれまで社会適応がうまくいっていたケースにおいては、外界からの刺激に"表面的に"反応した結果、見かけ上精神的に安定しているように見えるんだよ。言い換えるとプレスビオフレニーは、行動や反応を自動(オートマ)的に行っているんだよ。ちなみにプレスビオフレニーという言葉は今ではほとんど使われないから、この言葉を知っていたら若い先生にちょっとマウントをとれるかもよ?

↓「マウント」で調べたら、こんな漫画が…。シリーズ「ストーリーな女たち」、興味深いですね…🤔


508.パラフレニー は人格荒廃のない体系化された妄想をともなう精神病を意味するよ。現在ではほとんど使用されていない用語だよ。因みにパラフレニーはKreapelin Eが「教科書第6版」で上記の意味で用いたけど、フロイトは妄想病(Paraoia)と破瓜病(Hebephreie)の造語として用いたよ。

2024年6月8日

【メタルのおまけ】
パラフレニーも今ではすっかり使用されなくなった言葉だね。現代でもかろうじて使用されているのは、"遅発パラフレニー late paraphrenia"という文脈の中ぐらいかな...。遅発パラフレニーは高齢者(60歳以上)に発病する妄想状態のことなんだけど妄想は体系化し、幻聴を伴うことがあり、人格や感情反応は保たれているんだ。疫学的特徴としては女性、独身、結婚していても子供が少ない、単身生活、社会的孤立、難聴、脳器質性障害の存在などが挙げられるよ。

↓60歳から好きに生きるのは良いですが、妄想に人を巻き込まないように…。


509.ヘベフレニー(破瓜病:Hebeprenie)はKahlbaum KLのparaphrenia hebeticaという概念を弟子のHecker Eが整理して独立した概念だよ。思春期に発病し、メンランコリー(鬱)、マニー(躁)、錯乱を呈し速やかに精神衰退に陥る予後不良の疾患だよ。現代の統合失調症のことだよ。

2024年6月9日

【メタルのおまけ】
以前は統合失調症を「破型」「緊張型」「妄想型」に分けていた時代があったけどこのうち「破型」に該当するのがヘベフレニーなんだよ。昔は統合失調症による人格解体を俗に「ヘべる」なんて言っていたけど、これはへべフレニーが語源だと思うよ。

↓夏は西瓜(スイカ)の季節ですね!


510.破瓜病に似た言葉でヘボイドフレニー(類破瓜病:Heboidophrenie)という言葉があるよ。これもKahlbaum KLが提唱した概念で、幻覚妄想はないが気分変動、社会や家庭での反抗、考えの偏奇を特徴とし犯罪に結びつくと考えられたよ。現代だとパーソナリティ障害のことだと思うよ。

2024年6月10日

【メタルのおまけ】
これも最近ではほとんど使われない精神医学用語の「死語」だね...。ちなみにこの概念は間違った教育によるモラル精神病(moralisches Irresein)の中でも、破瓜病に近縁の疾患と考えられたんだよ。ちなみに破瓜は16歳という意味なんだけど、これは瓜の字を縦に二分すると八の字になるから、8x2=16になるからなんだって!

↓これは8x2ではなく、二八そばです!


【メタル君の考察】

今回は「語尾に"フレニー"がつく言葉」に関してツイートしたよ!

記事を読んでわかったと思うけど、"フレニー"がつく言葉の多くが、今や使われていない"死語"に近い用語なんだよ。

ところでphrenieは「心」「精神」を意味するけど、もともとは前述のように「横隔膜」という意味だよ。

昔の人は横隔膜に精神が宿ると考えていたんだけど、なぜだか知っている?

古代ギリシャでは「プネウマ(pneuma)」という概念があり、プネウマが体に取り込まれることで生命は動くことができる...と考えたんだ(医聖ヒポクラテスもこの説を信じていたよ)。

プネウマとは精気、空気、気息から成り立ち、このため呼吸こそが生命の源であると考えたんだって。

そして呼吸をコントロールしているのが横隔膜だったからここに"精神の座"がある...と思ったそうだよ。

これからもガンガンとマニアックな精神医学ネタを提供するぞ!

↓夏休みのお子様にはこれをどうぞ!


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