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メタル君の「今日の精神医学豆知識!」(486)-(490)

皆様、こんにちは。鹿冶梟介(かやほうすけ)です😆

実は昨日まで北海道に滞在しておりました!

小生が北海道に居た理由...、それはグルメ...ではなく、日本精神神経学会に参加するためです(勉強のためだぞ)😤

...とは言えせっかくのチャンスなので、ホテルやレストラン等で北海道グルメを堪能することができたので幸せいっぱいです🍀

学会での勉強は...、まぁ後日オンデマンドでみれるからほどほどでいいですよね...😅

やっぱり北海道は、なまらうまいっしょ!

メタル君の「今日の精神医学豆知識!」は、X(旧: twitter)で毎朝8時にアップしております。

X(旧: twitter)民の皆様も、X(旧: twitter)では語りきれなかった【メタルのおまけ】がございますので、ご興味があれば本記事を是非お読みください!


【今日の精神医学豆知識集!(その99)】

486.ドイツの哲学者・精神医学者であるJaspers Kは統合失調症に特有な思考特性として「了解不能性」を重視したよ。”了解"とはなぜその人がそう考えそう感じるのか追体験し共感をもつことだよ。特に一次妄想は実際に体験しないと患者さんの気持ちは理解はできないからね。

2024年4月11日

【メタルのおまけ】
Jaspers(ヤスパース)は精神科医であるのと同時に、実存主義の哲学者だよ。しかし、精神科医として活躍したのは数年程度で残りの生涯は哲学者として活躍していたよ(精神医学への興味は持ち続けたそうだよ)。ちなみにヤスパースの奥さんはユダヤ人だったのであやうくヤスパース自身もナチスに捕まりそうになったんだって。

↓小生が精神科医一年目で輪読した本です!


487.実存分析で有名なBinswanger Lは、統合失調症を統合失調症たらしてめているのは「自然な経験の一貫性の解体」としたよ。彼はこの基本障害のために統合失調症患者はかたくなな二者択一に分裂し、捻くれ、わざとらしさ、思い上がり、すなわち衒奇症が生じると考えたよ。

2024年4月12日

【メタルのおまけ】
内科の先生はBinswanger(ビンスバンガー)と聞くと脳血管性認知症であるビンスバンガー病を思い出すんじゃないかな。ビンスバンガー病の発見者オットー・ビンスバンガーは、精神科医のルートヴィヒ・ビンスバンガーの叔父さんにあたるよ。

↓これはビンスバンガーではなく、クリフハンガー!


488.現象学を精神病理に導入したMinkowski Eは、統合失調症の本質を「現実との生ける接触の喪失」としたよ。"現実との生ける接触"とは、人格が外界との調和を取りながら発展する心的生活の動的要素…だよ。要するに環境と調和するのが苦手なのが統合失調症の特徴と考えたよ。

2024年4月13日

【メタルのおまけ】
「現実との生ける接触の喪失」はMinkowski Eが唱えた統合失調症の基本障害だけど、師匠であるBleuler Eが唱えた統合失調症における「自閉」に相当するよ。さらにMinkowskiは自閉を非現実的で空想豊かな自閉(豊かな自閉)と、そうではない空虚な自閉(貧しい自閉)に分類したよ。

↓沈黙と自閉、名著です!


489.ドイツの精神病理学者Blankenburg Wは、統合失調症の本質を「自然な自明性の喪失」と考えたよ。自明性とは人として当たり前の感覚、つまり常識(common sense)を意味するよ。この自明性がない故に、統合失調症患者さんは対人交流の場で誤解が生じやすいんだって。

2024年4月14日

【メタルのおまけ】
失礼な言い方をすれば、要するに「自然な自明性の喪失」ということは常識がないということだね...。確かに統合失調症の患者さんの中には自分本位で時として非常識にもほどがあることをしでかすね。でも、自分が病気であるという「病識 insight into disease」が欠如するため自分の言動が周囲に受け入れられない理由を自分ではなく他者に求めるんだ...。だから統合失調症の患者さんは被害妄想に陥りやすいんだよ。

↓話題になりましたね!


490.スイスの精神医学者Bleuler Eは統合失調症の基本症状として、連合弛緩(Assoziationslöckerung)、感情障害(Affekt-Rigidität)、自閉(Autismus)、両価性(Ambivalenz)を挙げたよ。これらの症状の頭文字をとって俗に"ブロイラーの4A"と言うよ。

2024年4月15日

【メタルのおまけ】
Bleuler(ブロイラー)は"統合失調症(Schizophrenie)"という言葉の生みの親だよ。ブロイラーがSchizophreniaという言葉を提唱する前までは、エミール・クレペリンの提唱した早発痴呆(Dementia Praecox)の方が一般的だったんだよ。ちなみに日本では統合失調症の前は精神分裂病という名称だったけど、海外ではschizophreniaという言葉は100年近く変わっていないよ。

↓ブロイラーで検索すると、こんなに美味そうなものが🥰


【メタル君の考察】

今回は「統合失調症の精神病理」に関してツイートしたよ!

統合失調症の独特の思考、対人接触に関して昔から精神病理学的に分析されてきたんだね。

しかし、注意して欲しいのはこういった精神病理的特徴が全ての統合失調症患者さんに当てはまるかと言われれば違うんだよ。

ここからは想像だけどこれは統合失調症の軽症化が原因じゃないかな?

昔は統合失調症の治療方法がなかったから、多くの患者さんが同じような経過(荒廃状態)をたどったのだろうけど、近年は薬物療法の発達で統合失調症も重度から軽症まで様々な転機をとるようになったんだ。

今日紹介した精神病理学者たちが診ていた統合失調症と、今僕たちが診ている統合失調症では質的に異なるかもしれないよ。

これからもがじゃんじゃんとマニアックな精神医学ネタを提供するぞ!


↓これでロト三部作が全部楽しめます!


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