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#コラム

WEB漫画(無料) おすすめの5作品

WEB漫画(無料) おすすめの5作品

自信を持っておすすめできる、しかもネットで無料で読めてしまう漫画をご紹介します。

○働かないふたり

(働かないふたり@吉田覚)

題名の通り、働いていない兄妹のお話。
世の中悪いことだけでも悪い人ばかりでもないと思えてくる、やさしいお話。

キャラが増えていくと面白くなくなるものは漫画に限らず多いと思うのですが、面白さが崩れないんです。
どのキャラにも個性があり、背後の生活があり記憶があり、悩

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【原田マハ】楽園のカンヴァス

【原田マハ】楽園のカンヴァス

いつまでも続くような物語が好きです。

小説の最後、「で、どうなったの?」が分からない作品が好きです。
彼女はどこまでも歩き続けられる気がした、とか見上げると青い空が広がっていた、とかとにかく、その後どうなったかを読者に任せるような、そんな結末の、物語が好きです。

久しぶりに小説を読んだなと思って、そうじゃなくて久しぶりに面白い小説を読んだんだと気が付きました。ページをめくりたくて、でもめくるの

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自分探し

自分探し

【たとへば君 ガサッと落葉すくふやうに私を攫つて行つてはくれぬか】

俵万智さんのエッセイでこの歌が紹介されていて、河野裕子さんを知りました。それから気にはなっていたのですが、エッセイ集を図書館で見つけたので読んでみました。
「わたしはここよ」。
読んでいて、すごくそれだー!と思った部分があったので、引用してみます。

『自分は何者なのか。それは誰にもわからない。けれど、歌をつくっているうちに、ど

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星との距離について

星との距離について

「星のようにあってほしい人がいます。常に変わらず輝き、不安になったり迷ったとき、見上げればただそこにいる。近づくことはないけれど、遠ざかることも決してない。
 求めるのは、星の距離感。」

坂木司さんの小説『夜の光』の“あとがきのような献辞”にこんな文章がありました。読んだ時、あ、私もだ、って思いました。

その人の才能が大好きだけれど個人的には知り合いたくないなと思う方が何人かいます。
言い換え

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【坂木司】夜の光

【坂木司】夜の光

星を見るのが、昔から好きです。
月と星の、大きいはずなのに小さく見える距離。遥か昔から届く光。
自分がちっぽけだと思い知らせてくれる、とてつもなく大きなものを見ると安心してしまうのは、なぜなのでしょう。大きな未来には、怖れを感じてしまうというのに。

夜空を見上げる高校の天文部で、4人のスパイは、それぞれがそれぞれの事情と感情を抱え、行き場のない夜を共有します。
坂木司さん『夜の光』。

「『むし

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