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日々の思いを書き留める

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日常生活からの気づきをエッセイとして記します。週2回更新。
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#親子

アパートがレストランになった日

アパートがレストランになった日

「ウィ、シェフ!」と夫が10歳の息子に言う。
「お飲み物は何になさいますか?」と8歳の娘が言う。
この日、我が家は1日限りのフレンチレストランになった。

“食べることが好き”
これが私たち家族のキャッチコピーだ。
夫はフレンチの料理人を経て、今はパティシエ。
休みの日にも料理やお菓子を作ってくれる根っからの“食の人”である。
おかげで、家族みんなが見事なまでの食いしん坊になった。

例えば、大福

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お母さんも、たまには寝込む。

頭痛持ちにはキツイこの季節。

今日も午前中から(予感がする〜)と思っていたら、夕方を前に超酷くなってしまった。

頭痛薬って、実際どうなんでしょうねぇ。。

昔から偏頭痛持ちで、中学生の頃にはお医者さんから「我慢しないで薬を飲んで大丈夫だよ」と言われてたけど、いつまで経っても心のどこかで(飲まないで治せるに越したことはないだろうに)という罪悪感みたいなのを抱えながら、EVEに手を伸ばしている。

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過去を編み直す、人間のゆたかな営み。

過去を編み直す、人間のゆたかな営み。

ドラム式乾燥機付き洗濯機先日、小さな一軒家を購入しました。

引っ越しに伴い、ドラム式乾燥機付き洗濯機を購入。高価ですね。

そして、キッチンには食器洗浄機がビルトインされています。

これまでは、狭い1LDKのアパートで家族4人暮らし。洗濯機はリサイクルショップで買ったもので毎日手干しだったし、食後の食器は翌朝まで溜め、見かねて仕方なく洗っていました。

そこへきて、ドラム式乾燥機付き洗濯機と食

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息子の言葉

息子の言葉

小学校四年生の息子は、今サッカーに夢中だ。

二年生の頃から週に一度のサッカースクールに通っていたが、物足りなくなり、
今年の初めからは小学校のチームに入り、毎週土日を練習に費やしている。

休みの日に朝8時からの練習なんて、勘弁してくれと親としては思うけれど、本人はちゃんと起きて準備をする。

とは言っても、実は小学校のチームに入るまでにはものすごく時間がかかっている。
体験に行ってから決めれば

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何でもなかった日

何でもなかった日

昨日、母に付き添って検査結果を聞きに行った。

結果、原因不明。
血液検査の数値から異常が考えられる箇所には、石も腫瘍も閉塞もなかった。

はじめに調べた数値も、ほぼ正常に戻っているとかで、とりあえず様子を見ましょうということになった。

うん。よかった、よかった。
わたしたちは、よかったねと一瞬だけ言い合った気がしたが、すぐに別のことを考えていた。

母は、自分の信じようとしている健康法

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医師と母とわたし

医師と母とわたし

昨日、ある連載でドクターにインタビューをさせていただいた。
知らない世界のことを色々と伺えてとても興味深かった。

そして今日、別の仕事へ向かおうとしたところで母から電話が来た。
数日前の不調が良くならずに近所の病院に行ったら、肝臓の数値が悪いと言われて大学病院を紹介されたという。

すっかり良くなっていると思ったので予想外だった。

わたしは仕事を休み、2時間かけて病院へ向かった。

サクサクテ

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ここにいない誰かを想うこと

ここにいない誰かを想うこと

今日、地元で働く幼なじみの美容師に髪を切ってもらった。
片道1時間半かけて行く。

当然、実家の近くに行くことになるのだけれどいつも寄るとは限らない。
今日はその友達が、「たまには寄って行ったほうがいいよ」というので、母に電話してみた。

すると、昨日兄家族が遊びに来ていたらしいが、帰り際から母の具合が悪くなってしまったという。
寒気がして、吐き気がして、一度もどしてしまったらしい。
そのまましば

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タブー

タブー

『やってはいけないと思っていたことを
自分に許したら、
お母さんが愛しく思えた。

わたしにはこの人の血が流れている。
それが誇らしく思えた。

70歳を越えたお母さんは、
ハンバーガーショップでアルバイトはじめた。

わたしなんか足手まといと言いながら、
お母さんは確実に美しくなった。

何故かわたしまで仕事を増やして、
はじめることの大変さを密かに共感していた。

あえてお母さんには言わないけ

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