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2024年1月の記事一覧

満面の笑みで高みを目指す? 文章上達のために「紋切り型」の語を言い換える

満面の笑みで高みを目指す? 文章上達のために「紋切り型」の語を言い換える

若手記者の頃、会社内で語り継がれるエピソードがあった。記事に「●●選手は会心の浮かべた」と書いた記者が、それをチェックする上司(デスク)から叱責されたという。

 「会心の笑みって何だ?」
 「喜んだ笑顔です」
 「じゃあ、会心の笑みを浮かべてみろ!」
 「……」

勝利した選手が笑顔を浮かべたとしても、それぞれ違う表情、仕草のはずなのに、ひとくくりに「会心の笑み」「満面の笑み」と表現するだけでい

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長嶋茂雄監督と万年筆 私の取材メモ術を教えます

長嶋茂雄監督と万年筆 私の取材メモ術を教えます

以前、ゴルフ場のロビーを借りて選手をインタビューした。取材を終えてゴルフ場の職員に御礼を伝えると、恐縮した様子で「1つ、お伺いしてもよろしいでしょうか?」と言われた。

「取材されている様子を遠目に見せていただいたのですが、メモをするスピードが速くて驚きました。私もお客様との打ち合わせや会議でメモを取るのですが、追い付かずに困っています。何かコツがあれば教えていただけませんか」

私がメモする速度

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文章が苦手な人へ 原稿を書きたくなかった新人記者の頃に学んだこと(1)

文章が苦手な人へ 原稿を書きたくなかった新人記者の頃に学んだこと(1)

ここ数年、大学生や高校生に向けて「分かりやすい文章の書き方」という講座をする機会が増えた。

ただ、私は文章がうまいのかというと、それはない。

だから教えられる。

講義の最初に必ず、「私の話を聞いても作家やライターになれるわけではありません」と断りを入れる。そして言う。

「でも、文章が苦手という人には参考になると思います。うまくいけば苦手意識がなくなるかもしれません。なぜなら、文章が苦手だっ

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文章が苦手な人へ 原稿を書きたくなかった新人記者の頃に学んだこと(2)

文章が苦手な人へ 原稿を書きたくなかった新人記者の頃に学んだこと(2)

原稿が下手くそだった新人記者の私は、「せめてボツにならない原稿を書けるようになろう」と決意した。先輩記者の記事を書き写すなどしているうちに、5つの点を重視していこうと決めた。

❶主語を明確に書く

当たり前に思うだろうが、主語が分かりにくい文章は多い。スポーツは複数の登場人物が出てくるので、省略すると分からなくなる恐れがある。常に「省略しても読み手に通じるか?」というチェックが必要だ。

私は、

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文章を書くのが苦手だと思っている人へ

文章を書くのが苦手だと思っている人へ

このセリフ、いろんな人から何度も聞いた。ただ個人的には本当に書くのが苦手な人は言うほど多くないと思っている。
だって苦手と言っている人のブログやnoteを読んでみると、めちゃくちゃ長文を書いているし、文章もまとまっているから。たしかに冗長表現や言い回しが少し変かな?と思うことはある。でもプロのライターじゃないんだからそこまで気にすることはない。

ならば、文章が苦手と感じるのはなぜなのか?
そんな

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名著に学ぶ「目標達成できる人」の習慣・思考とは?

名著に学ぶ「目標達成できる人」の習慣・思考とは?

こんにちは!

年が明けて約1カ月。みなさんは、年末年始に掲げた「2024年の目標」をまだ覚えていますか。目標を決めたはいいものの、すでに忘れていた人も結構いらっしゃるのではないでしょうか。

ガンジーが「目的を見つけよ。 手段は後からついてくる」と言っているように目標設定は大切ではありますが、やはり行動につなげることも必要です。

そこで今回は、年間200冊のビジネス書を読む編集者が、「目標達成

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「語彙力」って本当に必要? 伝えるのがうまい人と下手な人の違い

「語彙力」って本当に必要? 伝えるのがうまい人と下手な人の違い

こんにちは!

突然ですが、質問です。
みなさんは文章を書くとき、「語彙力不足」を感じる場面はありますか?

5、6年くらい前、「大人の語彙力」というテーマの本が流行りました。
Web記事だと、いまも結構出ているようです。語彙力の鍛え方。アプリも出ているんですね。

でも、語彙力は本当に必要なのでしょうか。そもそも語彙力って、なんなのでしょう。

今回は「語彙を増やすよりも大切なこと」について考え

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