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論文・研究

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記事一覧

あなたの研究は誰のために?:卒業論文の書き方 その3

あなたの研究は誰のために?:卒業論文の書き方 その3

本noteでは,その1,2に引き続き,卒業論文のためのアドバイスをご紹介します.このnoteの経緯はその1の冒頭に書かれていますので,そちらも合わせてご覧ください.なお,本noteは執筆時に私の後輩と共著し,そのアイディアを踏襲しつつ私が大幅に加筆・修正しました.

本noteでは,研究の意義に焦点をあててまとめます.

「ヤッコー」にならないために:意義を説明する
卒業論文は「レポート」ではなく

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「先行研究・文献はありません」はありえない:卒論の書き方 その2

「先行研究・文献はありません」はありえない:卒論の書き方 その2

本noteでは,その1に引き続き,卒業論文のためのアドバイスをご紹介します.このnoteの経緯はその1の冒頭に書かれていますので,そちらも合わせてご覧ください.

本noteでは,先行研究に焦点をあててまとめます.

「自分で考えるな」:無知の知に至る道「そうですね,若い研究者や学生にありがちなんですが,よく調べもしないで,「私はこう思った」って言うんですよね.」
(中略)
「自分の頭で考えよう,

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問いを設定すれば70%は終わっている:卒論の書き方 その1

問いを設定すれば70%は終わっている:卒論の書き方 その1

大学生活の最後にまとめる学業の集大成――各人が興味関心に従い,研究・執筆する「卒業論文」は人生で最も高い自由度で作成できる論文です.しかし,自由度が高いからこそ,質の幅もあります.

このnoteでは私が博士院生だったころに,学部生に配った「卒業論文のコツ」を再構成してまとめます.社会科学系の研究室でしたので,このnoteに書かれたアドバイスも社会科学系分野に向けられています.

このnoteがみ

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情報を「読んで」仕入れる:本と論文をどう選び,どう読むか?

情報を「読んで」仕入れる:本と論文をどう選び,どう読むか?

このnoteでは,より良い文章を書くためのポイントを話していきます.レポートや論文,報告書や企画書を書く上でのヒントにしてください.

今回は「書くべきことが思いつかない」という方へ,「アウトプットの量・質を高める情報の仕入れ方」を考えます.

書くことがない?レポートや卒論,あるいは就活のESといった文章は,設定された,あるいは自分が設定したお題に対して書くものです.その文章には「書くべきこと」

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書籍・論文を読み,まとめるシステムの構築

書籍・論文を読み,まとめるシステムの構築

今回のnoteでは,論文を読み,まとめるシステムについて私の実践を紹介します.そんなに大したことはしていませんが,あらたに研究生活を始める方や,これまでの環境を見直したい方はぜひ参考にしてください.

今回の仕組みは,今後も更新される可能性があります.しかし現状では,論文の読書メモと本文の検索を行うことができるシステムになっており,非常に快適です.

今回ご紹介するシステムは,論文で読んだことを一

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レジュメを作成する:本・論文を要約し,自分の考えを積み上げる

今回のnoteでは,人文・社会科学系のゼミで必ず求められる「レジュメ」の作成について,そのコツをまとめておきます.レジュメを作成するときの参考にしてください.

0. レジュメとは何か?人文・社会科学系のゼミでは,本や論文の内容について輪読する形式のゼミがスタンダードの一つになっています.この形式の場合,一人の担当者がいて,その人が担当部分(本であれば1章分,論文であれば1本)を紙にまとめて,内容

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博士論文の書き方講座

博士論文の書き方講座

2018年に古巣の研究室の院生に向けて「博士論文の書き方」というタイトルでプレゼンテーションをしました.このnoteでは,その内容をシェアしたいと思います.今回の内容は,長い文章を書く方にも示唆的かもしれません.

博士論文とはそもそも何かまず,博士論文とは何か,何のために書くのかを明確にしなければいけません.

博士論文とはいったい何のために書くのでしょうか? その答えは「学位規定」にあります.

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修士論文の書き方:執筆中に気づいたことをふり返る

修士論文の書き方:執筆中に気づいたことをふり返る

このnoteでは,私が2015年に所属研究室の合宿の際に「修士論文ができるまで」というタイトルで行ったプレゼンテーションをシェアしたいと思います.

修士論文執筆を振り返る今回のnoteは(発表当時,D2であったころから)修士論文の作成過程を振り返って,今後の研究生活の向上を図ることが目的です.私の修士論文は「教育達成の階層間格差における下降回避仮説の検討」というタイトルで,のちに学会雑誌に掲載さ

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「砂時計」で考える論文・プレゼンの「構成」

このnoteでは,より良い文章を書くためのポイントを話していきます.レポートや論文,報告書や企画書を書く上でのヒントにしてください.

今回は「全体的にわかりづらい,と言われた」という方へ,「全体の構成」を考えます.

自分勝手な論文・プレゼンは読みづらい大学生から社会人に至るまで,卒業論文のような長い文章を書いたり,人前でプレゼンする経験は必ずあることでしょう.

たとえば,卒業論文について考え

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