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『わたし、定時で帰ります』第9話 危険なサイコパス上司とヘタレ婚約者

あらすじ(ネタバレ有り)

福永の口から語られたのは、種田が本社に復帰したのは東山の為だった。
種田は東山の元婚約者であり、仕事人間で東山を傷つけ破談にしてしまった。それを気にしていたからか、仕事でも東山に無理をさせないようにしたり、フォローしてきた。結婚より仕事が大事だと言っていた種田は、定時で帰れる会社に転職する為に仕事を頑張っていたのだった。
東山はもう済んだことと割り切るが、このまま種田を働かせたら倒れてしまうかもと圧力をかける福永に対し、種田をフォローするように言う東山だった。

そんな折、種田の後ろ盾になっていた常務が突然退社してしまい、無理やり通した今回の案件の責任を福永が取らされることになってしまう。残業も制限されてしまいったことで、福永が動き出す。部下に声をかけ、甘い言葉をかけ、サービス残業をするように仕向けていたのだった。たまたまその現場を見ていた本社の元上司から電話が入る。チーフの東山も知らない、キャンペーンサイトを手がけていた。

新人の来栖にも、才能を認めるようなことを言い「来栖くんは一番伸びるよ。ガンガンやればガンガン伸びる!」と言われ、その気になった来栖はガンガン頑張り出す。他の社員も、同じように言われ、承認欲求をうまく突かれ、進んでサビ残をしていた。福永は、人が何を求めているのか、何を認めて欲しいかを見抜く天才とも言えるかもしれない。それにより、社員は自らサビ残をし、メイン作業の遅れは種田が一人背負っていた。それを知った東山は、福永に物申しに行く。
「福永さんがサービス残業するよう仕向けてるんですよね?皆を振り回すのはやめてください。それで本当の信頼は築けないんじゃないですか?」
それに対し、
「信頼?それ大事?」
と本性を垣間見せる。
その日も定時で切り上げサビ残する為に一時退社する社員たち。東山は、ピンチを乗り切る為に、一緒に残業すると宣言する。事情を知った種田は、管理職は残業がつかないからと、さらに仕事を背負う。

そこから駆け足で物語は進み、残業の日々は続く。多忙で車内がピリつくある日、賤ヶ岳先輩に愚痴をこぼす東山。結婚の準備も進まず、自分が情けないと涙を流す。「何かをしてあげようって思わなくていいんじゃない?それにいつも定時で帰れるだけの集中力で働いてたら倒れるよ」という賤ヶ岳の言葉に、東山は少し肩の力が抜けるのだった。
そんなある日、巧は小籠包の隠し味を聞きに上海飯店に一人でいき、常連客から、喧嘩したあの日、東山がおんぶされたことを聞いてしまう。

取引先の星印工業の課長が変わってしまい、当初の話と大きく変わってしまう。予定していた運用も他者との競合になってしまい、他者に運用を取られれば、大損害になってしまう。しかもその担当者は婚約者の巧だった。その帰り、来栖が倒れてしまう。来栖は種田のようになりたいと言うが、東山は「種田の真似をしてはダメ。人には人の働き方がある」と言うが、来栖は今は休んではいられないと、会社に戻る。

東山に、種田弟の愁から星印の新課長の情報が入る。そこで来栖が種田のようになりたいと言っていることを話すと、会ってみたいと言われ、休日種田家実家に行き、愁が引きこもりになるに至った経緯と、兄とのことを話す。どんなに大変でも、兄の「大丈夫だ。人間は寝なくても死なない」と励ましたことが、さらに自分を追い込み、線路に飛び込もうかと思い悩んでしまう。そこで自分を止めたのは、東山が二日酔いで会社をズル休みしたことだった。そんな簡単に休む人がいるんだと、追い込む自分がバカらしくなあて救われたと。それで、死ぬのをやめて、休むことにしたのだった。新人だから認めてられたい気持ちが強いのは当然で、来栖も種田のことを尊敬しているが、種田のようになれば認められう訳ではない。兄には仕事しかない。それで本当に幸せなのか?頑張りすぎて体や心を壊しても、いいはずがない、と。
その話を外で聞いていた兄の晃太郎は、一人思い悩む。晃太郎は、自分がこの会社に来るべきじゃなかったkもしれないと。東山は晃太郎の存在に気付き、話を聞くことしかできなかった。

家に帰ると、巧が荷物をまとめていた。しばらく実家に帰る。結衣ちゃんとは、結婚できない、と。

サイコパス的な上司・福永

ブラック上司と言われる福永は、人の心を掴み、どうすれば利用できるかをよくわかっているサイコパス的なキャラと言えます。ただの激務を押し付ける一辺倒なブラック上司というだけではなく、人それぞれの承認欲求を見抜き、どうすればいいのかをわかっているのです。「人心把握術」と言えばそれまでですが、サイコパスは、人間としての感情が欠けています。なので、人心把握術を悪用することができるのです。

福永の場合、会社の為、自分の為に人を動かし、それを自発的にさせるような、ジョーカー的なキャラではありますが、サイコパスの要素が強い人だと言えます。メタ視点で見ている私たちは、その福永の危険性がわかりますが、そういう相手は正面から向き合うと、部下が丸め込まれたように、ジョーカーやサイコパスにはそういう危険性があります。

福永がなぜそのようなサイコになってしまったのかはまだ描かれておらず、最終回に見られるのかもしれませんが、福永の姿を見ることで、身近なサイコパスや危険なジョーカーを見抜く参考にできるかもしれません。

巧ヘイト

結衣の婚約者の巧ですが、個人的に、回を重ねるごとに巧ヘイトが溜まっているんです。観ている方も同じような方がいると思うのですが、巧は一見理想的な相手に見えますが、私には、表面的で彼の裏が見えないんですよ。もしかしたら裏がないのかもしれませんが、言い換えれば「自分」がないということです。
優しくて器が大きそうに見えて、元婚約者の種田への嫉妬やコンプレックスだらけで、浮気をしていた訳でもないのに結衣を疑い、勝手に落ち込んだり声を荒らげたり、自信があるように見えて、全然自信がない。そのクセ人のせいにして、愛する人を信じず、自分と向き合わない。しまいには、結婚に向け家賃20万の新居で同棲しているにも関わらず、

「何の相談もなく突然実家に帰るて、お前女か!!」

まじ巧嫌いです。

これは、巧がなぜ自信がないのか、巧というキャラを表面的にしか描いていないから、仕方がないかもしれません。「優しくて料理好き、一応イケメン」それだけでも価値は十分にあるかもしれませんが、東山が巧を好きになった理由が私にはわかりません。種田と対照的に描いていて、その種田と別れたから、対照的な巧を好きになったんでしょうが、この作品における「働き方改革」を描く為に用意されたキャラと言えるのかもしれません。そう考えると、彼の存在の重要性が低く、ちょっと可哀想かもしれませんが、正直、この作品にはいなくてもいいキャラなのではないかと思います。描くなら、賤ヶ岳や三谷のように、最低限の背景を描いてもらいたいものです。

巧好きな方にはごめんなさい。ただ、ちょっと表面的で薄過ぎるので、私にとっては、見るたびに巧ヘイトが溜まっていて、今まで触れてきませんでしたが、ここで吐き出させていたできました(笑)

次回はいよいよ最終回です。物語がどのように完結するのか。東山の結婚は?福永の去就は?この作品が訴える働き方とは?

そういった所に注目して、楽しみにしたいと思います。

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