ジョー、いろいろ語る

本業は法律家。でも、数え切れないほどある趣味の方が大事。 くだらないブログ(http…

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本業は法律家。でも、数え切れないほどある趣味の方が大事。 くだらないブログ(https://www.joesas.net/ja)と真面目なアメリカの政治に関するサイト(https://www.joeseiji.com/)を運営。

記事一覧

不可避に見えたバイデン交代〜トランプ暗殺未遂事件によって急転直下?〜

ジョウ・バイデンにとって散々だった討論会から2週間経っても収まらなかった「バイデン交代論」。もはやバイデン撤退は避けられないと思われていた最中、トランプ暗殺未遂…

トランプ暗殺未遂事件〜大統領選への影響は?〜

現地時間の7月13日(土)、ドナルド・トランプ前大統領が銃撃されるという衝撃的な事件が起こった。ここでは何が起こったのか、何が分かっていないのか、そして今後の大統…

にわかに現実味を帯びてきた「バイデン交代論」〜1週間以内に決着がつくか〜

ジョウ・バイデンにとって散々だった討論会から1週間経った今も「バイデン交代論」は鎮火されていない。バイデンの撤退が現実味を帯びてきていることから、ここではその背…

バイデン交代論〜実現性はどれくらい?代わりの有力候補は誰?〜

6月27日(現地時間)の討論会でジョウ・バイデン大統領が苦戦して以降、「バイデン交代論」が本格的に議論されるようになった。ここでは、どのようなシナリオならバイデン…

バイデンとトランプの1回目の討論会〜まさかバイデンの撤退に繋がる?〜

トランプとバイデンの最初の討論会が6月27日(現地時間)に開催された。ここでは、なぜバイデンが討論会で”敗北”したと思われているのか、どうしてバイデン交代論がささ…

バイデンとトランプの討論会〜なんで重要なの?〜

トランプとバイデンの討論会が来週の6月27日(現地時間)に開催される。ここでは、大統領候補討論会の詳細と重要性を歴史と共に解説していく。 なんで討論会は重要なの?…

トランプに対する「口止め支払い事件」での有罪評決〜何が起こったのか?大統領選への影響は?〜

現地時間の2024年5月30日(木)、ニューヨーク州の裁判所で進行していた「口止め料違法処理事件」でトランプ前大統領が有罪評決を受けた。ここでは、その判決の詳細と大統…

トランプとバイデンの再対決〜歴史的な珍しさ〜

2024年の大統領選はトランプ前大統領とバイデン現大統領の再対決。そして、トランプにとっては3回連続の党の候補指名。いずれも極めて珍しいことなので、過去にあった再対…

再熱している人工妊娠中絶の争点〜今年の大統領選では従来に増して重要?〜

人工妊娠中絶への是非はアメリカを二分する政治の争点である。ここではなぜ中絶が今年の大統領選の行方を左右する可能性があるのかを解説する。 そもそも、人工妊娠中絶の…

小室圭が担当している「G-BRIDGE」の業務は、日本の法律事務所では考えにくい

僕が内定を貰ってたローウェンスタイン・サンドラー(Lowenstein Sandler)法律事務所で小室圭が担当している「G-BRIDGE」。これが一体どういう業務なのかあまり語られてい…

トランプは副大統領候補として誰を選ぶか

2024年大統領選の予備選(指名争い)に決着がつき、注目は副大統領候補の指名に移った。民主党の副大統領指名候補はカマラ・ハリス(Kamala Harris)現副大統領になること…

トランプが被告人である4つの刑事事件の大統領選への影響

ドナルド・トランプ前大統領は現在、4つもの刑事事件の被告人である。これら刑事事件の詳細と大統領選への影響、およびトランプが大統領に就任した場合の赦免の可能性につ…

トランプまたはバイデンが撤退・死去したらどうなる?

2024年の大統領選の予備選は早々と決着がつき、ドナルド・トランプ前大統領が共和党の指名候補に、ジョウ・バイデン現大統領が民主党の指名候補になることが確実となった。…

大谷はお金に無頓着であってはいけなかったのに無頓着だったから、詐欺にあってしまった

大谷翔平の元通訳、水原一平が米国で起訴された。起訴状を読めば、大谷が知らないところで水原が1600万ドル(約25億円)をも窃盗していたことは、もはや疑いの余地がない。…

大谷翔平の通訳だった水原一平の違法スポーツ賭博問題について、アメリカの法律とスポーツ選手の詐欺被害の観点で解説

大谷翔平の通訳、水原一平の驚愕的な違法スポーツ賭博問題。アメリカの法律とスポーツ選手の詐欺被害について一定の知識があるので、解説してみようと思う。 事実確認2024…

小室圭の異動と日本製鉄のアドバイザーになるとの憶測について考えること

最近、小室圭が入所2年目にして違う部署に異動し、USスチールの買収を発表した日本製鉄のアドバイザーになるのではないかとまで憶測されている。 小室圭がいる世界にいた…

不可避に見えたバイデン交代〜トランプ暗殺未遂事件によって急転直下?〜

不可避に見えたバイデン交代〜トランプ暗殺未遂事件によって急転直下?〜

ジョウ・バイデンにとって散々だった討論会から2週間経っても収まらなかった「バイデン交代論」。もはやバイデン撤退は避けられないと思われていた最中、トランプ暗殺未遂事件が起こって状況は大きく変わった。ここでは、なぜバイデン撤退問題が急転直下の収束を迎えそうかについて解説する。

「バイデン交代論」の現状を簡潔にまとめると?完全に鎮火された。前回の解説では「政界で一旦吹き始めた風は暴風になりやすく止めに

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トランプ暗殺未遂事件〜大統領選への影響は?〜

トランプ暗殺未遂事件〜大統領選への影響は?〜

現地時間の7月13日(土)、ドナルド・トランプ前大統領が銃撃されるという衝撃的な事件が起こった。ここでは何が起こったのか、何が分かっていないのか、そして今後の大統領選への影響を解説していく。

何が起こったの?事件が起こってからまだ数時間しか経っていないわりには、多くの事実が判明している。

トランプは、大統領選の最重要な激戦州であるペンシルベニア州で開催されていた決起大会で、演説を始めた数分後に

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にわかに現実味を帯びてきた「バイデン交代論」〜1週間以内に決着がつくか〜

にわかに現実味を帯びてきた「バイデン交代論」〜1週間以内に決着がつくか〜

ジョウ・バイデンにとって散々だった討論会から1週間経った今も「バイデン交代論」は鎮火されていない。バイデンの撤退が現実味を帯びてきていることから、ここではその背景を解説する。バイデンが撤退するとどうなるかについては、こちらの解説を参照。

簡潔にいうと、討論会から1週間経った今、どんな感じなの?バイデン交代論は収まるどころか拡大する一方であり、バイデンが持ち堪えられるか極めて微妙になってきている。

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バイデン交代論〜実現性はどれくらい?代わりの有力候補は誰?〜

バイデン交代論〜実現性はどれくらい?代わりの有力候補は誰?〜

6月27日(現地時間)の討論会でジョウ・バイデン大統領が苦戦して以降、「バイデン交代論」が本格的に議論されるようになった。ここでは、どのようなシナリオならバイデン以外の候補が民主党の大統領指名候補になれるのか、バイデンが交代した場合に誰が有力候補になるのか、バイデン以外が指名候補になる確率はどれくらいなのかを解説する。なお、トランプの死去などにより共和党の指名候補を交代させるシナリオはこちらで解説

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バイデンとトランプの1回目の討論会〜まさかバイデンの撤退に繋がる?〜

バイデンとトランプの1回目の討論会〜まさかバイデンの撤退に繋がる?〜

トランプとバイデンの最初の討論会が6月27日(現地時間)に開催された。ここでは、なぜバイデンが討論会で”敗北”したと思われているのか、どうしてバイデン交代論がささやかれているのか、そして今後バイデンがどうなるのかを解説していく。なお、討論会の背景についてはこちらを参照。

簡潔に言うと、バイデンとトランプの討論会での出来はどうだったの?バイデンは年齢の衰えを深く印象付け、高齢に対する懸念は払拭され

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バイデンとトランプの討論会〜なんで重要なの?〜

バイデンとトランプの討論会〜なんで重要なの?〜

トランプとバイデンの討論会が来週の6月27日(現地時間)に開催される。ここでは、大統領候補討論会の詳細と重要性を歴史と共に解説していく。

なんで討論会は重要なの?大統領選の間、共和党と民主党の大統領指名候補が同じ場所で同じ質問に生で答える時は討論会でしかない。

投票者にとっては、政策や理念に関する説明を候補者から直接聞けるだけでなく、身振りを観察しながら候補者の人間性を判断できる機会ともなる。

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トランプに対する「口止め支払い事件」での有罪評決〜何が起こったのか?大統領選への影響は?〜

トランプに対する「口止め支払い事件」での有罪評決〜何が起こったのか?大統領選への影響は?〜

現地時間の2024年5月30日(木)、ニューヨーク州の裁判所で進行していた「口止め料違法処理事件」でトランプ前大統領が有罪評決を受けた。ここでは、その判決の詳細と大統領選への影響を解説する。

トランプは何の罪で有罪になったの?トランプは2006年から元ポルノ女優ストーミー・ダニエルズと不倫関係になり、2016年の大統領選中、このことが公になって選挙に影響を及ぼすことを懸念した。そこで顧問弁護士だ

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トランプとバイデンの再対決〜歴史的な珍しさ〜

2024年の大統領選はトランプ前大統領とバイデン現大統領の再対決。そして、トランプにとっては3回連続の党の候補指名。いずれも極めて珍しいことなので、過去にあった再対決と連続指名候補の例を解説する。

過去に同じようなことが起こったことはあるの?1度だけ、1884年、1888年、1892年の大統領選で、"3回連続候補指名"および"再対決"が起こったことがある。

1884年、民主党のグロバー・クリー

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再熱している人工妊娠中絶の争点〜今年の大統領選では従来に増して重要?〜

再熱している人工妊娠中絶の争点〜今年の大統領選では従来に増して重要?〜

人工妊娠中絶への是非はアメリカを二分する政治の争点である。ここではなぜ中絶が今年の大統領選の行方を左右する可能性があるのかを解説する。

そもそも、人工妊娠中絶の争点とはどういうものなの?アメリカでは、福音派のキリスト教信者を中心に、生命を重視する視点から中絶を「出生前の子供の殺人」と見做す人が多くいる。反対に、人権を強調する人を中心に、出産するかしないかの判断は女性個人の身体に関わる話なので、中

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小室圭が担当している「G-BRIDGE」の業務は、日本の法律事務所では考えにくい

小室圭が担当している「G-BRIDGE」の業務は、日本の法律事務所では考えにくい

僕が内定を貰ってたローウェンスタイン・サンドラー(Lowenstein Sandler)法律事務所で小室圭が担当している「G-BRIDGE」。これが一体どういう業務なのかあまり語られていないが、それは日本の感覚からして、法律事務所が行う業務としてイメージが湧きにくいからかもしれない。

G-BRIDGEは「Generating Business Relationships in the Defen

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トランプは副大統領候補として誰を選ぶか

トランプは副大統領候補として誰を選ぶか

2024年大統領選の予備選(指名争い)に決着がつき、注目は副大統領候補の指名に移った。民主党の副大統領指名候補はカマラ・ハリス(Kamala Harris)現副大統領になることが確実なので、ここでは主に誰が共和党の副大統領指名候補になるかを解説していく。

副大統領候補はどのように指名されるの?予備選を勝ち抜いた大統領指名候補(共和党の場合はドナルド・トランプ前大統領、民主党の場合はジョウ・バイデ

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トランプが被告人である4つの刑事事件の大統領選への影響

トランプが被告人である4つの刑事事件の大統領選への影響

ドナルド・トランプ前大統領は現在、4つもの刑事事件の被告人である。これら刑事事件の詳細と大統領選への影響、およびトランプが大統領に就任した場合の赦免の可能性について解説して行く。

トランプはどのような刑事事件に巻き込まれているの?①トランプの会社が間接的に元ポルノ女優に支払った口止め料について、当会社は虚偽的に「弁護士費用」として計上した
②大統領退任の際、トランプは政府の機密文書を持ち出した

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トランプまたはバイデンが撤退・死去したらどうなる?

トランプまたはバイデンが撤退・死去したらどうなる?

2024年の大統領選の予備選は早々と決着がつき、ドナルド・トランプ前大統領が共和党の指名候補に、ジョウ・バイデン現大統領が民主党の指名候補になることが確実となった。もっとも、トランプとバイデンはそれぞれ77歳と81歳と高齢である上、バイデン大統領は低迷する支持率に悩まされている。党の大統領指名候補が死去または撤退する可能性が否定できないので、ここではその場合どうなるのかを解説する。

今後の大統領

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大谷はお金に無頓着であってはいけなかったのに無頓着だったから、詐欺にあってしまった

大谷はお金に無頓着であってはいけなかったのに無頓着だったから、詐欺にあってしまった

大谷翔平の元通訳、水原一平が米国で起訴された。起訴状を読めば、大谷が知らないところで水原が1600万ドル(約25億円)をも窃盗していたことは、もはや疑いの余地がない。

水原の欺瞞は相当深かった。

大谷の野球選手としての給料が振り込まれていた銀行口座には、水原のメールアドレスと電話番号が登録されていた

賭博業者への送金は、すべて水原のモバイルやパソコンから行われていた

銀行から本人確認の電話

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大谷翔平の通訳だった水原一平の違法スポーツ賭博問題について、アメリカの法律とスポーツ選手の詐欺被害の観点で解説

大谷翔平の通訳だった水原一平の違法スポーツ賭博問題について、アメリカの法律とスポーツ選手の詐欺被害の観点で解説

大谷翔平の通訳、水原一平の驚愕的な違法スポーツ賭博問題。アメリカの法律とスポーツ選手の詐欺被害について一定の知識があるので、解説してみようと思う。

事実確認2024年3月時点での報道を踏まえると、次のことは事実と考えてよさそうである。

水原一平は違法なスポーツ賭博を運営していたマシュー・ボーヤー(Mathew Bowyer)に450万ドル(約6.8億円)もの借金があった

少なくとも2回、「S

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小室圭の異動と日本製鉄のアドバイザーになるとの憶測について考えること

小室圭の異動と日本製鉄のアドバイザーになるとの憶測について考えること

最近、小室圭が入所2年目にして違う部署に異動し、USスチールの買収を発表した日本製鉄のアドバイザーになるのではないかとまで憶測されている。

小室圭がいる世界にいたことがあり、彼が所属していたローウェンスタイン・サンドラー法律事務所(Lowenstein Sandler)から内定を貰っていた者として、僕なりの考えを述べてみたい。

異動は任意米国の企業では、日本のような「辞令」の概念がない。異動も

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