佐藤 倫太郎 / Rintaro Sato
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短歌連作「Summer Nova」
YouTube でも公開しています。ぜひご覧ください。 https://youtu.be/gpJGAuDBc_s ○ 帆を張る 推進力は生まれないぼんやりとした重力が増すだけ 怯えてた心象ノイズ移…
第六回笹井宏之賞応募作「GEZAN」
第六回笹井宏之賞応募作品「GEZAN」
8月の猛暑の中、短歌を作ると意気込んで入った喫茶店で、ただタバコの煙を吐き出すだけの日々。それでも「この夏に作らなきゃいけない短歌がある」という謎の創作意欲と若干の脅迫観念によってなんとか完成までは漕ぎ着けることができました。
まぁ、あの夏の”しけもく”みたいなものですが、ぜひ読んでいってください。
「GEZAN」
追憶の底から続く山道に春の植生、初夏の
短歌連作「タオルケットは穏やかな」
心が折れかけたとき何度も助けてもらったカネコアヤノさんのアルバム「タオルケットは穏やかな」から着想を得ました。
一番下にPDFを着けておくので、noteで読みにくい人はそちらからご覧ください。
わたしたちへ「変わりたい変われない変わりたい代わりがいない」
片隅であの子が叫ぶとき、今のわたしは詠い叫びを纏う
やさしいギター「不安の形は日々変わりゆくように」
不規則に弾いたコードの泡だけで埋も
気ままに一首評_005
手羽先を拳銃としてわたくしはあなたの不幸を奪う強盗
「氷柱」工藤玲音
なんてヘンテコでコミカルで幸せな強盗なんだろう。鬼気迫る感じが、、、ない。全然ない。
手羽先を向けられた人は、何もできず両手を上げたまま、呆然としている間に不幸を奪われてしまう。そして幸せだけが残る。
拳銃の代わりが手羽先なのが良かった。
手羽先の“手”や“羽”が軽やかさを醸し出していて、死を連想させる拳銃と良い対比になって
気ままに一首評_004
アイス買おうと言ってコンビニに行ったけど4人中2人は買ってない
「隣り駅のヤマダ電機」永井祐
アイスを買うためにコンビニに行ったはずなのに、出てくる頃にはコンビニに行った理由なんてとうに忘れている。
アイスだって買い忘れている。
いや、初めからアイスなんかいらなかったのかもしれない。
この4人は友達かもしれないし、家族かもしれない。ただ言えるのはこの4人は、気を許し合える関係性があるということ
気ままに一首評_003
晩春の怒りは百合の蕾のよう、弾けて世界なんて割ったれ
「この林を抜けると花の名を一つ覚えている」千種創一
晩春にある怒りは百合の蕾のようで、
弾けて世界なんか割れてしまえ。
深読みせずに、そのままの意味をとっても良いだろう。
上の句は、晩春や百合からくる湿度のようなものを感じるが、下の句では、怒りと共にその湿度ある世界を弾き飛ばした先に、初夏のカラッとした気持ち良い風を想像できる。
”晩春”
気ままに一首評_001
終わらない だから誰かが口笛を嫌でも吹かなきゃならないんだよ
中澤系「uta0001.txt」
終わらないは世界のことだろうか。
世界を終わらせないために今も誰かが嫌々口笛を吹いているのだろうか。
今も誰かが働いている、病気と闘っている、戦争しているなどは、どこかで聞いたことがあるし、言われたときは確かにそうだなと思うが、数十秒後には忘れてしまっていることもある。
口笛も子供の頃に吹いた記憶は
Crayon Angels / Judee Sill
Crayon angel songs are slightly out of tune
クレヨンエンジェルの歌は少し外れた旋律
But I'm sure I'm not to blame
だけど私のせいじゃない
Nothing's happened , but I think it will soon
何も起こっていないけど、もうすぐだと思うから
So I sit here waitin'
nikki221010 街の綻び
散歩していると、街に綻びがあるのに気づく.
こんなに建物がびっしり立ち並んでいるのに、
誰のものか分からない土地が存在する.
いや、明確に言ったら現代日本にそんな土地は存在しない.
でも実際に、存在する.
街は誰かのものだと思い込んでたのかもしれない.
でもよく考えたら自分のものでもあるような.
自分の街がどうありたいか、
どういう使い方をしたいか、
どういう色で、匂いで、音でありたいか.
考え
短歌連作「Summer Nova」
YouTube でも公開しています。ぜひご覧ください。
https://youtu.be/gpJGAuDBc_s
○
帆を張る 推進力は生まれないぼんやりとした重力が増すだけ
怯えてた心象ノイズ移ろい 蜃気楼の街が見える
乗ってきた船はもうない 全てが偽物だったから僕は一人だから
長い影アスファルトに焼き付いて ギョッとしたので野良猫を撫でる
くも雲く 蝉時雨少しNoisyで お出か