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気ままに一首評_001

終わらない だから誰かが口笛を嫌でも吹かなきゃならないんだよ
中澤系「uta0001.txt」

終わらないは世界のことだろうか。
世界を終わらせないために今も誰かが嫌々口笛を吹いているのだろうか。

今も誰かが働いている、病気と闘っている、戦争しているなどは、どこかで聞いたことがあるし、言われたときは確かにそうだなと思うが、数十秒後には忘れてしまっていることもある。
口笛も子供の頃に吹いた記憶はあるが、いつしか吹かなくなって、口笛を吹く行為自体忘れてしまっている。

終わらない世界で口笛を吹き続ける、すなわち誰も口笛を吹かない時間が1秒でも存在したら世界が終わるかもしれない。その世界の危うさと、口笛という軽やかで平和・無常的であるが、どこかもの悲しげな言葉の対比がうまく溶け合っている。

今日は、世界を終わらせないために少しだけ口笛を吹きたくなる。

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