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気ままに一首評_004

アイス買おうと言ってコンビニに行ったけど4人中2人は買ってない
「隣り駅のヤマダ電機」永井祐

アイスを買うためにコンビニに行ったはずなのに、出てくる頃にはコンビニに行った理由なんてとうに忘れている。
アイスだって買い忘れている。
いや、初めからアイスなんかいらなかったのかもしれない。

この4人は友達かもしれないし、家族かもしれない。ただ言えるのはこの4人は、気を許し合える関係性があるということ。
変に気を遣う関係だったら、いらないアイスを買ってしまうだろう。

4人中2人がアイスを買わなかった。ピッタリ半分半分に分かれている。
永井さんならもっと複雑な・奇天烈な数にしてもおかしくない。
(現にこの短歌が掲載されている本のタイトルが「広い世界と2や8や7」である)
4人にしたのは実体験からきている数なのかもしれない。
数字についてもう少し考えてみる。
4人を超えると、全員が“アイスを買いたくてコンビニに行く”という行為の信憑性が薄れてしまう気がする。
3人だとどうしても2対1になってしまうので、誰かが仲間はずれみたいになってしまう。
2人だとそもそも短歌の意味合いが変わってくる。
4人中2人にしか表せない関係性、というか空気感がある。
永井さんの数の使い方、というかコントロールの仕方みたいなものには心地よさを感じる。

気ままに一首評も今日で4日目。
気ままにラフに行きます。


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