『これからの地域づくり』について議論してみた!
いま、地域のありようがどんどんと変わっていっています。
特に感染症の波により、これまで潜んでいた課題が一気に表面化してきているように思います。
ずっと変わらないと思っていたことも、時間の経過とともに、だんだんと変わっていきます。人であったり、時代であったり、社会であったり。
昨日、北九州市民カレッジの『地域力アップセミナー』という、地域活動の実践者を対象とした講座の1枠を担当させていただきました。
テーマは、『新しい地域づくり』について。
とっても、深く、難しいテーマの依頼をいただきました。色々と考えて実施させていただきました。
①現状分析
まず、地域のコミュニティが希薄になっていっているのは明らかです。
地域の中で繋がりがなくなっていっている。人や家庭が孤立していっているという課題があります。
何でも便利な世の中です。家から会社や学校のドアtoドアで生活が成り立ち。モノも情報も豊かに揃っています。地域と繋がったり、ましてや町内会に入る理由はありません。
便利な世の中は利己的な社会を生んでいるとも言えます。
そして、共助として成り立っていたものも、何でもサービスに置き換えられていきます。例えば、昔はムラ社会として取り組んでいたような冠婚葬祭や子ども達の保育なども、民業へとシフトしていますよね。
また、これまでとこれからに、いま、線を引くとすれば、大きな問題はPTAの任意加入問題です。
PTAは地域づくりと直結していると思っています。
直結といっても、目の前で繋がっているわけではなく、時限装置のように、その後の地域コミュニティに繋がっていっていると思います。
いま、PTAを維持できなければ、数十年後の地域活動は崩壊を迎えるのは間違いないと考えます。
PTAにしろ、町内会にしろ、地域活動にしろ、
共感され、『選ばれる』ことが求められています。
②事例提供×3
昨日の講座では、前述のような話題提示をしたうえで、
ぼく自身の活動を踏まえた事例をあげさせていただき、それをインスピレーショントークとして、皆さんに議論していただく展開としました。
①PTAの加入同意確認問題
②防災まちづくりと地域コミュニティ
③子どもを真ん中にした地域づくり
どれも、ローカルな地域活動のものです。
4人×4班の皆さんで、順にファシリ&板書をしていただき、議論していきました。
①PTA
前述のとおり、PTA活動においては、地域コミュニティと連動しています。
PTAの意義や意味について、皆さんの経験を踏まえてディスカッションしていただきましたが、出てくるものは、『繋がり』などのコミュニティに関することが多かったです。
②地域コミュニティ
感染症の波で、エッセンシャルでないものは淘汰されていくなかで、各種お祭りや、人生を豊かにするオプション的な生涯学習などの場が削ぎ落されていきました。
では、ぼくが取り組んでいるような、災害対策や防災まちづくりにおいてはどうでしょう?その最大の武器は地域コミュニティです。人と人とが繋がり合うことが一番強い力を発揮します。
これらを踏まえて、地域コミュニティの維持・向上について議論していただくと、お祭りだったり、人が集まるイベントだったり、またサロンやクラブ活動など生涯学習活動が重要だという議論展開になっていきました。
直結してなくとも、繋がっていることを実感しました。
③子どもを真ん中にした地域づくり
地域活動のようなフィールドで何かを実施する際には、協力者の存在が不可欠です。協力者が多いほど良いわけですが、『協働』の感性を大切にしたいです。
関わる人が気持ちを寄せ、取組むということには、『共感』が必要です。共感には『共通項』が重要です。
地域のみんなで子どもを育んでいくということは、共感する共通項になりやすいです。
皆さんに、どんな活動を展開したいか希望も含めて議論していただくと、
とてもステキなものばかり!!
とってもキラキラとしていて、明るいものばかりでした。
そんな地域づくりがどんどん展開されていくと、このまちで育っていく子ども達が、自分のまちに愛着をもち、自分の居場所を誇り、安心して、育っていってくれると思います。
③『これからの地域づくり』へのアプローチ
事例展開と、それから派生した議論をどんどんしていっていただきました。
では、最後に、『これからの地域づくり』へ向け、どんなことを意識したり、取組んでいったりすれば良いでしょうか?
活動じたいの本質的な意義や意味を見出すことは重要だと思います。
半強制的に「面的」に取り組まれてきた活動は、これからは『選ばれて』参加していただくことが求められます。
面よりも『個』や『点』を意識した取り組みが重要です。
そのために、共感の輪を拡げ、ひとりひとりに着目していく必要があります。
一足飛びに全面達成することは難しいと思います。着実にその点や輪を大きくしていくことかと思います。
そのためには、コストや効率性に注意する必要もあります。コストはお金だけでなく、時間やヒトのコストも含めています。
また、『楽しい』が絶対的に必要です。
人は、楽しいと参加してくれます。自分が楽しむことで、周りにも楽しんでくれる人が増えます。
意義や意味を学問的に見出していくというよりも、現場感覚で楽しいものを突き詰めていく方が良いと思います。
情報の発信も重要です。
情報が重視される時代です。
活動の前後での発信は大切です。
特に活動後の発信にはチカラを入れていくと良いと思います。必ず次への布石になっていくことと思います。
最後に、『協働』の価値や素晴らしさを感じていくことが重要だと思います。
協働は実践してみないと、その意義やノウハウを会得できないと思います。これも現場あってのことですね。
みんなが想いを傾け、それを資源にし、主体的に取り組んでいくこと。そんな協働のまちづくりが進んでいくと良いなと思います。
これからの地域づくりへのアプローチという抽象的な問いにも関わらず、皆さん一生懸命議論していただきました。とっても素晴らしいものばかりでした。
最後に、ひとことだけ、ふせんに宣言を書いていただきました。
このアウトプットは、皆さんの地域に戻られてからも、必ず実践していただける宣言になるものと思います。
ぼくも色んなことを話しましたが、
きっと皆さんが、それぞれ話されたことが正解なんだろうと思います。
ぼくから聞いたことよりも、皆さんが話していただいたことが実践に繋がっていくと思います。
そんな、皆さんから教えていただいた講座となりました!!
こんな、とても素晴らしい『人財』が学び、
それぞれの地域での実践者になっていくと思うと、とても喜ばしいことです。
より一層、市民カレッジのファンになるとともに、皆さんとの出会いに感謝しています。
今日もご覧いただきありがとうございます。
これまでの関連する記事をいくつか貼っておきますね。
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