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マンガレビュー

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マンガレビュー『ねじ式』つげ義春(1965~1984)いびつなエロ・グロ・ナンセンス

マンガレビュー『ねじ式』つげ義春(1965~1984)いびつなエロ・グロ・ナンセンス


不条理マンガの元祖本作のことはかなり前から
気になっていて、
ずっと探していました。

なかなか中古では売っておらず、
そろそろ新品で買おうか
迷っていたところだったのですが、

先日、たまたま中古で見つけたので、
ようやく読むことができました。

つげ義春といえば、
雑誌『ガロ』で有名な
マンガ家の一人です。

私がこの方の名前を知ったのは、
「不条理マンガ」について
調べていた時のことでした

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マンガレビュー『進撃の巨人』諫山創(2009~2021)哲学的なテーマも感じさせる奥深いストーリー

マンガレビュー『進撃の巨人』諫山創(2009~2021)哲学的なテーマも感じさせる奥深いストーリー


今さらながらイッキ読み超人気作なので、
今さらではありますが、
全巻読みました。

昨年、アニメ版も終了した際に、
本作の大ファンである妻から
「読みなよ。絶対おもしろいから」
と強く勧められ、

イッキ読みすることに
なりました。

数年前の私のブログを辿ると、
2017年くらいにも

「妻からの強い勧めで、
(当時の)最新巻・21巻まで
 イッキに読んだ」
という記録が残っていました。

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マンガレビュー『W3』手塚治虫(1965~1966)手塚治虫の隠れた名作

マンガレビュー『W3』手塚治虫(1965~1966)手塚治虫の隠れた名作


手塚治虫の隠れた名作私がはじめて手塚治虫の
マンガを読んだのは、
中学生の頃でした。

当時は、昔のマンガが
手ごろなサイズの文庫本で
復刻されており、

そういうものを好んで
よく買っていました。

中でも私がハマって読んだのは、
『鉄腕アトム』ですね。

『鉄腕アトム』は、
もっと小さい頃から
読んでみたかったので、

こんな文庫版が読めるのは、
とても嬉しかったんです。

他にも手塚治虫の

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マンガレビュー『藤子・F・不二雄[異色短編集]3 箱舟はいっぱい』藤子・F・不二雄(1973~1982)人間の「欲」に根差した物語

マンガレビュー『藤子・F・不二雄[異色短編集]3 箱舟はいっぱい』藤子・F・不二雄(1973~1982)人間の「欲」に根差した物語

藤子・F・不二雄は
短編マンガの名手でもあった『ドラえもん』の
作者として知られる
藤子・F・不二雄ですが、

彼は短編マンガの名手でも
ありました。

特に、オススメなのが、
『ビッグコミック』などの
青年誌に発表した
読み切り作品です。

最初に『ビッグコミック』に
発表したのが、
『ミノタウロスの皿』('69)で、

地球とよく似た惑星にやってきた
主人公の青年が
一人の女性と出会う物語でし

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マンガレビュー『はまり道』吉田戦車(1994)懐かしいのに古びないおもしろさ

マンガレビュー『はまり道』吉田戦車(1994)懐かしいのに古びないおもしろさ


今でも大人気の兄弟も登場!吉田戦車が'80年代末~
'90年代前半にかけて
『週刊ファミ通』で連載していた
4コママンガの単行本です。

『ファミ通』なので、
すべてのマンガのネタが
当時、流行っていたゲームが
もとになっています。

出現率が多いのは、
マリオとルイージで、
表紙にいる気持ち悪い
おっさんたちがソレです(笑)

(マリオは
 『ドクターマリオ』のバージョン)

後半は『月刊アス

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マンガレビュー『ちびまる子ちゃん』さくらももこ(1986~2018)のどかな子ども時代よ永遠に

マンガレビュー『ちびまる子ちゃん』さくらももこ(1986~2018)のどかな子ども時代よ永遠に

今日、5月8日は、
マンガ家のさくらももこの
誕生日です。

残念ながら、作者は
2018年にお亡くなりに
なりましたが、

代表作の『ちびまる子ちゃん』は、
今もテレビアニメとして
続いています。

この日に因み、
今日は私が過去にブログで書いた
同作品のレビューを掲載します。

平和な子ども時代の世界観に和むいつものマンガレビューでは、
全巻読んでから
書くようにしていますが、

今回は知人か

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マンガレビュー『ドラえもん のび太の恐竜』藤子・F・不二雄(1980)のび太が見せる親心

マンガレビュー『ドラえもん のび太の恐竜』藤子・F・不二雄(1980)のび太が見せる親心

※2000字以上の記事です。
 お時間のある時に
 お付き合いいただけると嬉しいです。

今日、3月15日は
アニメ『ドラえもん』の
映画版第1作目

『のび太の恐竜』が
公開された日です。

『ドラえもん のび太の恐竜』は、
『大長編ドラえもん』シリーズの
1作目として、

1980年、
『月刊コロコロコミック』に
掲載されました。

同じ年の3月15日に
劇場版が公開され、

今も続く、
映画

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マンガレビュー『エースをねらえ!』山本鈴美香(1973~1975、1978~1980)この一球は絶対無二の一球なり

マンガレビュー『エースをねらえ!』山本鈴美香(1973~1975、1978~1980)この一球は絶対無二の一球なり


個性豊かなキャラクター私の苦手なスポーツマンガであり、
少女コミックというのもあって、
まさか大人になってから読むとも
思っていませんでした。

興味を持ったきっかけは、
松岡修造が本作の影響を
強く受けていたのを知ったことでした。

そもそも松岡修造がテニスを始めたのも
『エースをねらえ!』を読んだのが
きっかけらしく、

海外遠征にも全巻を持参して
臨んだそうです。

試合の合間に
コートに

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マンガレビュー『プラチナエンド』大場つぐみ、小畑健(2015~2021)単なるエンタメじゃない哲学的要素が濃厚

マンガレビュー『プラチナエンド』大場つぐみ、小畑健(2015~2021)単なるエンタメじゃない哲学的要素が濃厚


天使の羽と矢
あなたならどう使う?もしも、あなたの前に天使が現れて、
翼とハートの矢を
プレゼントしてくれるとしたら、

あなたは翼と矢を
どう使うでしょうか。

翼を使って、空を飛び回り、
いつも歩いている街を
上から見下ろすでしょうか。

はたまた、好きな人に
ハートの矢を刺して、
あなたが思うままに
相手を手中に入れるでしょうか。

そんな「if」の世界が
本作では描かれています。

『デ

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マンガレビュー『約束のネバーランド』臼井カイウ、出水ぽすか(2016~2020)勧善懲悪ではない奥深いストーリー

マンガレビュー『約束のネバーランド』臼井カイウ、出水ぽすか(2016~2020)勧善懲悪ではない奥深いストーリー


優しいママと子どもたちこのマンガのことをよく知らずに
読み始めた時のことです。

可愛らしい絵柄とその表紙から、
その昔、テレビで放送されていた
アニメ『世界名作劇場』のような作品を
想像していました。

舞台は、グレイス=フィールドハウス
という孤児院で、
世界観はヨーロッパそのものです。

『少年ジャンプ』に連載されている
作品だということは知っていました。

なので、「自分が子どもの頃に読

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