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ショートショート「超・回復傷薬」
またやってしまった___。アキは流血した指先を見つめ思った。ほつれたスカートのはしを安全ピンで止めようとして、あやまってピンを自分の指に刺したのだ。血がどんどんにじんでくる。
アキは急いで絆創膏を探し、指に巻いた。こういうことは日常茶飯事だ。子どものころからそうだった。27歳になった今でも、怪我が絶えない。
せっかちな性格も多少の影響はあるのかもしれないが、ほぼ毎日のように怪我をしているとなる
大切な人は必ずそばにいる
いつの間にか、瞬間移動したようだ。
自宅で娘と寝ていたはずの私は、いつの間にか実家の自分の部屋に一人佇んでいた。
ドアのノック音がした。
部屋に入ってきたのは、父だった。
「やあ、久しぶり。」
と言って父は、紙袋を私の前にそっと置いた。
「あ、うん。」
父が何を持ってきたのかと袋を覗いたら、袋いっぱいに大小色様々な駄菓子が詰め込まれていた。
懐かしいな。
幼い頃、近所に駄菓子屋さ