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周りの人達への思いやりとして、私は我慢をやめてみた。
「君は、あまりにも自分より他人のことに心を傾けすぎている。
それは君の美学かもしれないけれど、僕にとっては残酷なことなんだよ」
もう10年ほど昔だろうか
会社から社宅までの帰り道、職場の人間関係の悩みに押し潰されて泣きながら歩いていたら、当時付き合っていた彼が社宅の前に立っていた。
とても寒い12月の夜。
帰宅時刻は伝えていない。
一体いつから待っていたのだろう。
[少し心の調子がよくなく
[妻]でも[母]でもない[私]のエンジンをかける10分間
私は毎朝、出勤前の10分間だけ
[妻]でも[母]でもない
ただひとりの[私]になる。
まだ窓の外が暗い朝5時、(眠いし怠いから後もう少しこうしていたい)なんて心の声は完全無視して無理やり体を引きずり寒い台所へ移動する。
夫のお弁当を準備しつつ娘の朝ごはんを用意してテーブルの下の床に新聞紙を敷き詰める。家中のゴミ袋をまとめ手を洗うついでに洗顔と歯磨きを済ませ、化粧水と日焼け止めを塗りながらすや
キラキラした『泥だらけのスニーカー』
幼稚園へと歩く道中、なんとなく母の服装が気になった。パーカーにジーパンにスニーカー。大きなリュックを背負って私の手をひく母は、テレビで見る綺麗なお姉さん達とは少し違う。なんとなく、キラキラしていないような…
でも、私が転ぶとすぐにパーカーのポケットに入っているハンカチで泥を落としてくれて、おなかが空いたと泣けばすぐにリュックからおやつとお茶が出てきて、猫を見つけて走り出す私を母はすぐに走って草藪
ろうそくの火を吹き消さない誕生日パーティー
東日本大震災が発生したのは、誕生日の前日だった。
春休みで授業も部活動もない昼下がり。親は仕事の為わたしは祖母宅に預けられ、ソファに寝転び携帯小説を読んでいた。
突然、地球がガターしたような大きな違和感を覚えた時にはもう目の前で電子レンジが飛んで食器棚に突き刺さっていた。
家は壊れてもう住めない。水も電気もない。親は仕事で避難所の運営に24時間奔走している。当然わたしの誕生日どころではないと
ラッキーdayの混ぜこぜ餃子
我が家の定番晩酌メニューは
【混ぜこぜ餃子】です。
いつも終電ぎりぎりまで仕事をしている夫は、月に1回ぐらい定時で帰ってくる日があります。
そんなラッキーdayは2人でキッチンに並び、お揃いのエプロンの紐を結び合い、窓から注ぐ夕日を浴びながら晩酌スタートです。
とりあえず冷蔵庫からキンキンに冷えた缶ビールを2本取り出し乾杯。
思いっきり喉を鳴らして気分爽快となったら、[餃子の皮・ミックスチ
萌芽のソフトクリーム
君と出会い
初めて髪を染め
耳たぶに光を揺らし
香水の瓶に触れた。
尊敬が憧れに
憧れが恋心に色を変えた頃
君は卒業して都会へ行ってしまった。
だから私 久しぶりの連絡が嬉しくて
旅行鞄をパンパンに詰めてここまで来たの。
神奈川県横浜市
みなとみらい線 元町・中華街駅を降りる。
すれ違う人達が皆幸せそうなカップルに見える。二人ならシェアして食べ歩くことが出来る。ひとりで小籠包をつつく私は浮
『どうぶつの森』で結婚相手を見つけました
きっかけ
仕事の人間関係に悩み
不眠症が悪化して
一日の中で偏頭痛と吐き気がない時間のほうが珍しいという状態になっていた頃
当時の彼氏(現在の夫)が
3DSと『とびだせ どうぶつの森』を持って部屋に来た。
「眠れない夜は釣りでもしたら。」
とのこと。
今まで 勉強一筋 仕事一筋 で、ゲームなんてやったことのない私には思いつかない発想だった。
なるほど。釣りのゲームね。
(後にすぐ
もしかしたら“朝食”かもしれない
[いつかティファニーで朝食を/マキヒロチ作]
この本が、わたしの人生再起動スイッチを押してくれた。
当時のわたしは新しい仕事がうまくいかず、沈鬱の夜に溺れていた。
仕事以外の時間も身体中に仕事の重りがへばりつき、徐々に食事も睡眠もできなくなっていた。
(現状打破の為もっと仕事を頑張らなくては)と(もうこれ以上頑張れない)が交互にわたしを飲み込んでいた。
仕事の帰り道、まっすぐ帰宅する気に
催花雨の沖縄へ行こう
「催花雨の沖縄へ行こう。」
新しい仕事がうまくいかず
毎晩泣いていたら
食事も睡眠もできなくなった。
病院を検索していると
無口な夫が珍しくデートに誘ってきた。
太陽も海も観光客もない、静かな沖縄。
雨音を聴きながらレンタカーに揺られ、沖縄そばのスープを飲むと、ちょっと沁みた。
ホテルの大きなふかふかベッドに横たわると、数ヵ月ぶりにゆっくりと沈み込む気配がして、気づいたら朝だった。
ひど
甘くて 温かくて 柔らかい
もうすぐ冬がくる
指先がじんじん冷えて
たくさん着込んだ服はもそもそして
人混みの中をくねくね掻き分けていると
早くあの空間に包まれたいと願う。
わたしは
スタバのキャラメルスチーマーがだいすきだ。
甘いキャラメルシロップが溶け込むホットミルクに、煌めくキャラメルソースのリボンを纏うホイップクリームが美しく浮いている。
スタバの柔らかい照明と
心地よい音楽に包まれ、
珈琲豆の香りに癒