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催花雨の沖縄へ行こう

「催花雨の沖縄へ行こう。」

新しい仕事がうまくいかず
毎晩泣いていたら
食事も睡眠もできなくなった。
病院を検索していると
無口な夫が珍しくデートに誘ってきた。


太陽も海も観光客もない、静かな沖縄。

雨音を聴きながらレンタカーに揺られ、沖縄そばのスープを飲むと、ちょっと沁みた。

ホテルの大きなふかふかベッドに横たわると、数ヵ月ぶりにゆっくりと沈み込む気配がして、気づいたら朝だった。

ひどく空腹を感じる。朝食会場でお粥を口に入れると、こんなにも 甘くて 柔らかくて 温かい 食べ物があるのかと、心の底から驚いた。もずくの天ぷらもおいしい。海ぶどうもおいしい。

もっと沖縄の名物を食べたい
もっと観光地をまわりたい

そう思ったら、帰りの飛行機の時間になった。

「今の涙は、君が溺れる為じゃない。
君の花が咲くのは、これからだ。」

そっか、そういうことね。
ありがとう。

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