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心理学•社会学•哲学•思想

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記事一覧

コミュニケーション〜意図と解釈〜

※この記事は予告なく加筆•修正される場合があります。

最近はわりと範囲の狭いテーマを扱っていましたが、今回は多くの人にとって関係があるであろうコミュニケーションの問題について今まで書いてきた記事の内容とも絡めながら書いてみたいと思います。
まず初めにコミュニケーションという言葉の意味について考えてみます。

【コミュニケーションとは】
コミュニケーションとは、人と人、あるいは人とグループの間で情

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私とは④

あなたを通じて私は世界を感じる。
私を通じてあなたは世界を感じる。

世界というものは人々の共有財産と言えるだろう。
そして世界を通じて私は私という存在が確かに在るという事を感じる事ができる。

世界を解釈する為に私がいる。
世界を解釈する為にあなたがいる。
私を解釈する為に世界がある。
あなたを解釈する為に世界がある。

私とあなたと世界というものは陰陽論的な引力によって相互に影響を与え合う。

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私とは③

私という存在は無数の役割を持っている。
しかしながら役割というものは決して私の本質ではないのである。
誰かに望まれた役割に徹する事はそれを心の底から望む私がいない限りは自分で自分の首を絞めるようなものである。

無数の役割を持つ私をそれぞれ独立した存在にする事で私は容易くバラバラになるだろう。
割れた鏡のように。
その欠片一つだけを見て果たしてそれを私として認識できるだろうか。

非常に価値のある

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私とは②

私が「在る」という事実そのものがあなたに直接的に影響を及ぼす事はない。
私が「在る」という事実そのものがあなたに間接的に影響を及ぼす事がある。

間接的影響とは何か。
それはあなたの内側が私が「在る」という事そのものに対して示す反応の事である。
自己喪失した者は間接的影響を直接的影響として解釈する事で手っ取り早く他人の欠陥に没頭して自身の自己喪失から目を背ける事で頼りない自分を頼りないままで生き永

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私とは

在るとは何か。
「在る」という感覚を知るにはまず「無い」という感覚を知る必要がある。

「無い」という感覚は恐ろしいものである。
まるですぐ目の前に死が迫っている時のような強烈な恐怖を引き起こすのが「無い」という感覚である。
しかしながらその「無い」を受容した先に発生するのが「在る」という感覚である。
そこには誇大妄想的な万能感を伴う事もなく、ただ「在る」という以外に何もない。

無い事に気づく事

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透明人間

心が触れないというのはどういう事か。
最近そんな事を考えていました。

人間関係のトラブルにおいて距離が近すぎる事がトラブルの原因などとよく言われます。
しかしながら本質的な問題は距離ではないというのが僕の主張です。
距離が近づいただけでやたらと問題が起こるのは内面的な問題や構造的な問題があるのではないかと考えています。
今回は精神的接触を身体的接触に喩える事で「心が触れない」という現象について話

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「我思う故に我在り」から読み解く客観性

久しぶりの更新です。
最近は心理学よりも哲学に興味が向いており、哲学の本を読んでいました。
様々な哲学者の思想に触れながら自分の思想への探究もより深まっていくような感覚がありますが、同時に多様な思想に触れすぎるあまりそれらを整理しきれずに頭の中が混乱するような感覚もありました。
インプットをしすぎてアウトプットが足りなくなっていたのです。
というわけで頭の中の整理がつかない中ではありますが、最近ハ

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同性愛者の解離

今回は心理学における解離という現象と同性愛の関係性について書きたいと思います。
※解離についての解説はこちらになります。

また心理学における解離という現象を社会現象として捉えるという内容の記事がこちらになります。
こちらも今回の記事と関係が深いので読んでみてください。

まず初めに伝えなければいけない事は僕がゲイであるという事です。
そもそもこのnoteを始めるキッカケはnoteで自分がゲイであ

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パーソナリティ障害と解離(ChatGPT)

今回の記事は僕が思いついた仮説についてChat GPTに質問して論じてもらうという記事になります。
10種類に区分されているパーソナリティ障害の全てにおいて実は解離が生じているのではないか?という仮説を思いついたのですが、それを納得できる形で論じる事が現状難しかったのでChat GPTの力を借りてみました。
非常に面白い内容だったので記事にする事にしました。

なおここで言う解離とは「痛みやストレ

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社会現象としての解離〜社会的解離〜

今回の記事では解離を社会現象として捉えてみるという記事になります。
※心理学的な意味での解離については↓の記事で概要を載せています。

近年ではSNS文化が広がり、誰でも自由に発信できる社会になりました。
しかしながらSNSでの投稿が炎上したり、そもそもコンプライアンスが昔に比べてかなり厳しくなっている状態もあり、SNSでの発言においても人からどう見られるかという事がより重要視される流れが生じてい

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解離の概要

今回は解離という現象について概要的な記事を書いてみたいと思います。
今後、解離という現象について紐解いて分析するような記事を書いていきたいのですが、その前段階として解離という現象についてざっくりとした概要のような記事があった方が良いなと思い、この記事を書くに至りました。
解離についての細かい詳細記事を書く場合にはこの記事のリンクを最初に貼り付けますので、こちらの記事を読んでから詳細記事を読んでもら

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自責のフラッシュバック

今回は以前書いたこちらの記事とフラッシュバックについて関連付けて書いてみたいと思います。

こちらの記事はざっくり言うと自分を責めるのと他人を責めるのは表裏一体であるというような内容になっています。
つまり自分を責める事に耐えかねると他人を責めてという事です。
また逆に他人に責任転嫁していた人がいよいよそれができなくなると自分を激しく責めるようになるというような原理の話です。

そして「責める」と

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トラウマ記憶の解凍とエピソードトーク

今回はトラウマがある人の冷凍保存された記憶が解凍される時に起こる特有のエピソードトークの話をしたいと思います。
こちらの記事を読んでから読む事をオススメします。

最近トラウマに関する本を読んでいてふと思い出した事があります。
それは亡くなった僕の祖母のことでした。
祖母はお酒を飲むと毎回同じエピソードトークを話していました。
ざっくり言うと昔親戚にすごく嫌な事をされたというような恨み話のようなも

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主語が他人になる自他境界の弱い人

以前から何度もアイデンティティについての記事を書いてきましたが、最近一つ気がついた事があります。
アイデンティティを喪失した人やアイデンティティが弱い人というのは主語がすぐに他人になってしまうという事です。
どういう事かというと自分の話をする場面で主語が他人であったり別のモノになってしまうという事です。

「自分がどうしたいか」
「自分はどう思うか」
「自分はどうして欲しいのか」
こういう場面にお

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