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はじめてのメイドカフェ〜ドジっ子トラップを添えて〜
私たちはその日、秋葉原のはま寿司に居た。
友人のJくんと、初心者二人で思い切ってメイドカフェに乗り込もうという算段であった。だが情けないことに、我々は完全に怖気づき、気づけば寿司を食っていたのだ。
しかも昼食のために寄ったとかではなく、なんなら、2人共既に昼食は済ませていた。腹が減っているわけでもなく手持ち無沙汰で仕方がないので、ここぞとばかりにとんこつラーメンや、よくわからないオクラの天ぷら
たのしい読み切り小説#2「面接」
「それではまず、お名前を教えてください。」
「はい。田辺麗子と申します。」
田辺は、緊張で自らの手が震えているのが判った。
だが、私には「ここ」しかないのだ、落ち着け。今はただ、できることをやるしかないのだ────と自らを諭し、小さく呼吸を整える。
「田辺さんですね。当社の社員募集にご応募いただきありがとうございます。本日はよろしくお願いいたします。」
田辺は、よろしくお願いします、と会釈を返した
少女☆歌劇 レヴュースタァライトは名作ですね……わかります。
※ストーリーの根幹にはあまり触れませんが、多少〜〜〜のネタバレを含みます。
ただ、この作品にハマる人は、おそらく話の筋がなんとなく察せたとて全然楽しめる種類の作品だと思うので、むしろ未視聴の方に読んでほしいかも……布教したい……
えらく面白い作品を観てしまった。
ただこの良さを説明するのはすごく難しい……
私が今回観た作品「少女☆歌劇 レヴュースタァライト」は2018年のアニメなので、既に観て
たのしい読み切り小説#1 「バタフライエフェクト」
夜の京葉線の中、ふと、目を覚ました。
開いたドアから吹き込んできた風の冷たさに、列車が駅に着いていたことに気づく。慌てて車内の表示を確認すると、幸い降りる駅を寝過ごしてしまったという訳ではなさそうだった。
しかし、なんだかとんでもない夢を見ていたような気がする。そのせいか、一瞬、自らが帰路にいることさえも忘れてしまっていた。
平気なつもりではいた。しかし今日は仕事上のイレギュラーが多く、それらの
めるめろ「好きだって言わせて!」歌詞
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サブスクいろいろ:
しょうもない繰り返しばかりの日々に
ふとあなたが顔を出した
こんな繰り返しばかりだって
もう悪くないと思えたの
何気ない会話だとか
くだらなさを愛させて
ラブストーリーなんて求めないから
ただ私のことを好きでいてよ
何気ない会話だとか
それすらない静寂とかも
全部 好きだって言わせて!
大好きだとか そうじゃないだとか
そ
学生証を虚空に消した話
ある日の帰り際、ポストを覗くと大量の封筒が届いていた。そういえば大学が夏季休業に入ってからというもの、なんとなく昔から暗黙の了解で一家のポストの中を確認する係になっている私は家に篭りがちなっていた。そのため、1週間分ほどの封筒やらチラシやらが溜まってしまっていたようだった。
家に着くとそれらを何も考えず、父親のデスクにぼんと置いてしまうのが、もはや小学生の頃からの習慣であった。というのも、昔は特に
長く、細く、そして透明な毛について
時々、こんなことがある。
早朝、中央線に揺られながらふと抱えている鞄に目を落とすと、その鞄を抱える腕の上に何やらきらきらと光るものがある。
よく見ると、それは自らの腕から生えた毛であることに気づくのだが、その一本だけがやけに長く、細く、そして透明であるために、窓から差し込んだ光を受けてきらきらと光っているようなのだ。
以前にそれを見た時は脛から生えていたっけかとそんなことを思いつつ、じいっとそ
互いに平然を装い合う瞬間
不意に目の前のドアが、がたりと鳴った。
その勢いから、相手方の激しい焦燥感が扉を挟んだこちら側にも手に取るように分かる。私は某駅のトイレの個室の中でひとり、にやけてしまった。
わかる。わかるぞ。何故かって、私だってものの数分前にはそうだったのだから。
「過敏性腸症候群」と言うとなんだか仰々しいが、要は「ちょっとした負荷でお腹がゆるくなっちゃう病」である。
しかしそいつは、突然にやってくると言う