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少女☆歌劇 レヴュースタァライトは名作ですね……わかります。

※ストーリーの根幹にはあまり触れませんが、多少〜〜〜のネタバレを含みます。
ただ、この作品にハマる人は、おそらく話の筋がなんとなく察せたとて全然楽しめる種類の作品だと思うので、むしろ未視聴の方に読んでほしいかも……布教したい……

えらく面白い作品を観てしまった。
ただこの良さを説明するのはすごく難しい……

私が今回観た作品「少女☆歌劇 レヴュースタァライト」は2018年のアニメなので、既に観ている方々は今さらかとも思われるかもしれないけれど、あまりにも良すぎたので、ちょっと書かざるを得ないので、書きます。感想を。

ちなみに今から私が書くのは、レビュー(review)であって、この題名にあるレヴュー(revue)はそれとは全く異なるものらしい。

私はrevueなるものをこの作品で初めて知ったので、詳しいことは語れないが、Wikipedia君によるとオペラやミュージカルなんかと似たもので、より世俗的なテーマを用いた、ソロやアンサンブルでの歌、踊りのパフォーマンスのことを指すことばらしい。

さて、この作品内では、毎話毎話、オーディションとしての様々な「レヴュー」が行われる。

このレヴューは、舞台少女たちの一対一の真剣勝負で、歌って踊りながら、武器を振り回す
私は、本当は歌とダンスでデュエットをしているのだけれど、それだけでは「闘っている」ことが伝わらないため、その闘いを「武器を交わしあう」という形で演出として「観せて」いるという設定なのかな…?と解釈しているが、実際のところはわからない。

このレヴューというものについて、文字で語っても全く伝わらないことを承知でもう少し書くと、そのレヴューは聖翔音楽学園の地下に突然に出現した秘密の巨大なステージで行われ、「キリン」がそれを(おそらく)主催している。

この「キリン」というのは、あだ名とか通称とかそういうものでなく、ガチモンの「キリン」なのだ。なんなら草を食っているシーンもしばしばある。

だがこのキリン、声がアホみたいに良い(CV: 津田健次郎)。

このイケボすぎるキリンが聖翔音楽学園に通う主人公ら「舞台少女」たちを、オーディションに巻き込ませ、「トップスタァ」になることをめぐって、舞台上で一対一で闘わせる。
その中で、舞台少女たちは様々な過ちや弱さを見つめ、成長していく……とまあ、大筋はこんな感じである。

なるほど、「レヴュー」の部分はわかった。では、「レヴュースタァライト」の「スタァライト」の部分はどうなのか…?という問いに対しては、こりゃまた、かなり答えることが難しい。

というのも、劇中での「スタァライト」という言葉があまりに多義的だからだ。

まず、メインキャラクターらである、聖翔音楽学園99期生らが、第99回、そして最終話で演じられる第100回の文化祭での演目であり、主人公の愛城 華恋(あいじょう かれん)を舞台の世界へと掻き立てた作品であり、愛城 華恋の幼馴染の神楽ひかり(かぐら ひかり)と、ともに2人で「スタァ」となり、主役を演じよう、と約束した作品が「スタァライト」である。

しかし、この「スタァライト」、ともに願いを叶えようと誓った2人の女神が、最後には離れ離れになってしまうという悲劇なのだ……


この「スタァライト」と「少女☆歌劇 レヴュースタァライト」の二つの物語の絡み合い方と演出が本当にずるい。

この作品は、「作品内での劇作品の世界」「物語の本筋の世界」が、ミュージカル風の演出や台詞、音楽や戦闘シーンを通じて絡まり合う。そして最後はこの作品の観客である「私たちの世界」ですらも巻き込んでくる……

そして何度も私はその音楽や演出に泣かされてしまった。元々、私は音楽ですぐ泣いちゃう人間なのもあって、本当にもう、だめだった。美しすぎる。全てが。これは言葉にできるものじゃないので、頼むから観ていない方は是非観てほしい。


最後に、この作品のエンディングテーマについて触れておきたい。
他にも色々と触れたい演出とか山ほどあるのだが、そしたらいよいよネタバレ警察に逮捕されるのが不可避なので、せめて、ここだけでも。

この作品のサウンドトラックを見ると、次のように、Fly Me to the Starという楽曲が、歌い手を入れ替えて、何パターンも存在していることがわかる。

これ、本当にずるい。毎回エンディングでセンチメンタルになってしまう……
どういうことかといえば、毎回、その回での重要なキャラクターや、ぶつかったり、お互いをより見つめあったり、ともに成長しあったり……と絡み合った2人が、エンディングで歌うのだ。”Fly Me to the Star”を……そして画面にはそのキャラクターが優しいタッチの絵で映るのだ……しかも、二人組の絡みがメインの回は、その2人が美しいデュエットを聴かせてくれるわけです……ああああああああエモい!!!!!!!エモすぎるよ!!!!こんなんずるいてほんとに…………


\わかります……/
   🦒


さて……題名でピンときた人は居るかもわからないが、この曲、明らかにかの名曲、”Fly Me to the Moon”を意識している。

メロディも明らかに意識しているし、なんなら、コード進行とかもほぼ一緒。
しかし、歌詞は違う。そしてこの歌詞が本当に秀逸……

私 ずっとあなたを見てた
孤独を置いてきたみたい
今宵 月も笑いかける こっちを向いて
oh, fly me to the star

気持ち 伝えること できなくて
いろんな人生を浮かべ
演じてみるの あなたの気を惹きたいから
oh, fly me to the star

二人の鼓動 重ね合わせて

たまに 不安になる だって
あなたがいなくなりそうで
輝く目に私以外 映さないで
oh, fly me to the star

明ける夜を 告げた鳥よ
時計の針を今止めて
流れ星がそっと 朝を滑っていく 零れ落ちて
oh, fly me to the star

連れてって
oh, fly me to the star

この歌詞、作中の、ひとりひとり全く異なる全てのキャラクターの心情や人間関係において成立するんですね……

同じ歌詞のはずなのに、歌い手が変わることによって、毎回毎回歌詞の意味が変わっちゃうんです……うますぎでしょ……

しかもこの“star“という言葉は、さっきの多義性を持ち合わせているし……それを、Fly me to the moonというフレーズと、楽曲を意識した形で、落とし込むという発想……すごすぎる。


そしてこの作品、劇場版が本当にすごいとの噂なのです。

実は私は今、TVシリーズを完走しただけの状態でこのnoteを書いているので、観るのが楽しみで楽しみでしゃあないです。

では、観てこようと思います……


尾張

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