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【夢日記創作】朝起きたらアザラシになっていた【一話完結】

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夢日記風の一話完結ストーリーです。 フランツ・カフカ『変身』パロディっぽい創作となっております。
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#変身

〔小説〕朝起きたらアザラシになっていた その7

〔小説〕朝起きたらアザラシになっていた その7

※この話はフィクションです。実在する人物・団体名とは何ら関係ございません。100%作者の脳内妄想のみで構成されています。

(・ω・っ)З(アザラシ)になった俺は人間の時に作った静脈認証型キャッシュカードが仇となってATMから金を下ろせなくなり、やむなくPから久しぶりに内職をあてがってもらうも3000円のために今年最悪の悪夢を見ることになった。

夢の中で俺は中学生だった。

夏に林間学校へ行くこ

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〔小説〕朝起きたらアザラシになっていた その6

〔小説〕朝起きたらアザラシになっていた その6

※この話はフィクションです。実在する人物・団体名とは何ら関係ございません。100%作者の脳内妄想のみで構成されています。

ATMから金を下ろせなくなったので固定費以外の小金欲しさに内職を始めた。

俺がPと呼ぶ男へ久しぶりに金の無心をするため、太宰治の文章をまねして「貸してくれないと死にます」な文面でメッセンジャーアプリから送信。

数時間後、スマートフォンに着信通知がきた。覗き込むと

「太宰

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〔小説〕朝起きたらアザラシになっていた その5

〔小説〕朝起きたらアザラシになっていた その5

アザラシ用の健康診断はないものかとサンシャイン水族館に電話問い合わせしてみた。

「健康診断は動物病院で問い合わせてお願いします」

通話を切ってスマートフォンを置いてから姿見に映る俺を見る。

アザラシなのでフッサフサだ。

親父は落語家の桂歌丸みたいな頭だったので、遺伝でハゲる事を心配していた。

アザラシになった今の俺が毛の心配をしなくて良くなったのが数少ない救いである。

カフカの変身を読

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〔小説〕朝起きたらアザラシになっていた その4

〔小説〕朝起きたらアザラシになっていた その4

昼飯は何にしよう?(・ω・っ)Зだけど米が食いたい。

昼なのでご飯のお供を丼に載せて軽く食べたくなった。

東北生まれの(・ω・っ)Зだからニンニク味噌が真っ先に思いつく。しかし、ニンニク味噌は都内ではあまり見かけない。

都内で手に入れやすいものなら桃屋「ごはんですよ」もアリだ。

連想してたら腹が減った。納豆や目玉焼きも捨てがたい。目玉焼きにかける調味料は何にしよう。胡蝶の夢を語るのすっかり

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〔小説〕朝起きたらアザラシになっていた その3

〔小説〕朝起きたらアザラシになっていた その3

5時半にセリ開始を知らせるベルが鳴る。

五本指でだけで値段を提示する仕草と呪文のような業者の掛け声

魚介類は鮮度が命だけにセリも鮮度が落ちないよう素早く行われてゆく。

俺もセリに参加してみたくなりヒレで値段を提示したら

「ヒレはノーカン」

とだけ言われてスルーされる。

熱気あふれるセリを写真に収めたいので撮影許可エリアまで移動。

クロマグロと目が合ったので食らいつこうと思うも警備員二

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〔小説〕朝起きたらアザラシになっていた その2

〔小説〕朝起きたらアザラシになっていた その2

途中からだと話が見えないから ↓最初から読んでね!

(・ω・っ)Зだけどマスクを着けていない!!うかつだった!!

ここは半分ボケだが半分本気だ。

人類の歴史は動物を介した伝染病の歴史でもある。

ペスト、梅毒、天然痘、スペイン風邪。

そして現在、毎日報道されるコロナウイルスは動物から人間に伝染したと推定されるように、突然変異から動物の体内にあるウイルスが人間に感染するケースは人類史の中で幾

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〔小説〕朝起きたらアザラシになっていた

〔小説〕朝起きたらアザラシになっていた

朝に目を覚ますが体を起こせない。どうあがいても頭から体を起こすことができない。体を左右に転がして布団から脱出。

スマホに手を伸ばすが手は届かない。毛だらけのヒレが伸びる。ヒレでスマートフォンを掴む。

画面に表示される日付と時間は土曜の朝だ。今朝は撮影で早く出かける予定があるからと昨晩は早寝した。が、その間に自身に異常事態が起こっている。まずは俺自身の異常を確かめなければ。

スマホのミラー機能

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