〔小説〕朝起きたらアザラシになっていた その4
昼飯は何にしよう?(・ω・っ)Зだけど米が食いたい。
昼なのでご飯のお供を丼に載せて軽く食べたくなった。
東北生まれの(・ω・っ)Зだからニンニク味噌が真っ先に思いつく。しかし、ニンニク味噌は都内ではあまり見かけない。
都内で手に入れやすいものなら桃屋「ごはんですよ」もアリだ。
連想してたら腹が減った。納豆や目玉焼きも捨てがたい。目玉焼きにかける調味料は何にしよう。胡蝶の夢を語るのすっかり忘れてた。あとにしよう。
昼飯のこと考えながら、うたた寝していたら体毛のヘアケア終了。
請求書に¥80000と書かれてある。
ケタが一つ多いので野獣な俺は当然吠えた。
四方八方俺を撮影するスマートフォンに囲まれながら美容院として人間の頭髪以上の労力を使って全身の体毛を縮れ毛矯正。脱色のち真っ白に染めた労力は人間以上と説明する。
美容院の言う事ももっともだが先に言ってくれと吠えていたら、フラッシュで撮るアホがいる
「ゴルァァァ!」
と吠えたらインスタ映えするらしく余計に撮影された。
どいつもこいつもインスタグラムで拡散させやがって…そうだ!俺が拡散されるのなら美容院もSNSで拡散されるではないか!
(・ω・っ)Зも通う美容院として広告宣伝にもなる。コロナで美容院もキツイのだから俺が客寄せパンダならぬ客寄せアザラシになるからタダにしてと交渉。しかし要求は通らない。
払わずに出るなら窃盗で訴えると言う。
明日の朝刊に俺の顔デカデカと載るのは勘弁なので人間料金なら払うと申し出た。
ホットペッパービューティー加盟店なのでPontaカードがたまる。
(・ω・っ)Зだけどポイントカードは忘れない。ホットペッパービューティーのクーポンも忘れずもらってゆく。
人間料金でお会計を済ませたあと山手線で移動中、夢の中で蝶になった己がアザラシなのか蝶なのか思うもどうでもよくなった。夢から覚めると忘れていた事をふと思い出す。
俺が(・ω・っ)Зになった初日,に早起きしたのは旅行へ出かけるためだった。パスポートの顔写真を(・ω・っ)Зに変えないとまずい。
顔写真を(・ω・っ)Зへ更新しに都庁ビルの旅券課へ向うとあっさり写真の更新ができたので肩透かしを食うもパスポートは今後は保険証、住民票の代替にならない予定らしくハードルが下がったようだ。
同時並行でマイナンバーカードのハードルは上がってないか不安なので役所に向う。
顔認識システムにアザラシを写すが総務省から(・ω・っ)Зの顔認証する試みは無いので...言われた。
おい!もし金正恩かトランプが俺のマイナンバーカード拾ったら悪用し放題じゃねーか!
権限のない末端職員に吠えても解決しないので霞が関へ直談判の予約をする。
胡蝶の夢の話がまだった、ご飯のお供と目玉焼きにかける調味料のことも含めて後回しにしようと思ったらスマートフォンに通知がきた。
ホットペッパービューティーから人間ドッグの期間限定ポイントが贈られてきた。
海豹(あざらし)ドッグはないのだろうか…
つづく
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