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【Archive・特集】—風の旅人— サステナブルでやさしいハワイ(後編)

ポストコロナ時代の幕開けに訪れたハワイには、未来に繋がるやさしい種がいっぱい蒔かれていた——。


次世代のトレンド発信地「カカアコ」へ

 ここ数日、ホノルルの中心地にばかりいたので気分転換に郊外へ。この日は朝からローカルバスでカカアコエリアへ向かう。

 バスに乗り込むと顔ぶれは地元の人ばかり。中には、私たちの姿(アジア圏からの外国人旅行者)を目にするやいなや、バッグからマスクを取り出し着用するご婦人も……。

 少し寂しい気もするが、こればかりは致し方ない。コロナの有無に関わらず、あくまで訪問者であるツーリストは、現地の人の暮らしや文化を受け入れ、尊重することが最低限のマナーなのだ。

進化する姿も楽しむ街

 バスに揺られること約30分。数年ぶりに降り立ったカカアコには、相変わらずゆったりとした空気が流れ、この日は土曜日ということもあり、朝からファーマーズマーケットが盛況だった。

おしゃれなカフェやセレクトショップが集う「SALT」。倉庫を利用したイノベーティブなデザイン。

 ふと辺りを見回して驚いた。まるで青空を貫くかように、以前はなかった高層コンドミニアムがいくつも建っている!

もともと自動車の整備工場や倉庫ばかりで、退廃的なイメージのあったカカアコ。しかし近年では再開発が進み、ハイセンスなショップやレストランが続々とオープンするなど、ハワイのトレンド発信地してポジティブな進化を遂げている。

 今後、2030年まで街づくりは続くというから、どんな姿に生まれ変わるのか楽しみだ。

ランチは、話題のトルコ料理店「イスタンブール・ハワイ」でメゼプレートと冷えた白ワインを。

アートパワーで街を生かす。

 この街の変革を後押ししたのが、今やカカアコの代名詞ともなった「ウォールアート」。SNSを通じて話題となり、若い世代を中心に、トレンド感度の高いツーリストたちのホットな観光(撮影)スポットになっている。

散策中、突如として目の前に現れた〝青空ミュージアム〟に目が釘付けに。

 映え視点からポップな作品の人気が高めだが、街中でふと、ハワイの歴史や文化をしっとりと感じる〝ソウル・アート〟に巡り合えた瞬間の感動といえば——。ぜひ自分の推しを探してみてほしい。

 一説によれば、色彩に富んだ空間は、人や住環境にポジティブな変化を与えるそうだ。

 アートで街を変えられるかもしれない。その可能性に着目し、このウォールアートプロジェクトをスタートさせたのが、NPO団体「POW! WOW! Hawaii」。ハワイの伝統をリスペクトしながら、最先端のアートを通して人々を繋ぐという彼らの理念は、カカアコに新たな息吹をもたらした。

 アーティスト活動の支援やアートスクールの設立にも励んでいるという同団体。これから世界の各地で、アートがさまざまな地域を活性化させ、新たな文化が芽吹く可能性に期待したい。

イベントで定期的に塗り替えられる場所もあるため、気になる作品は早めにチェック!

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