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組織にジェネレーションギャップが発生する理由

こんにちは。かさいです。私は40代前半という世間ではいわゆるロスジェネ世代なんですが、新卒からITベンチャーに入社したこともあり、あまりロスジェネを体験せず、年齢の割に若い方々と多く仕事をする機会がありました。

そんな私、ヘッドハンティングやミドルハンティング、経営者や管理職の方とお仕事をしながら、スタートアップに在籍してたり、若いメンバーのマネジメントや会社経営やキャリアコーチングもしているので、どちらの世代からも意見をいただくことが多いんです。

そこで、感じるのは、世代間のギャップ。20代は「あんな40代、50代にはなりたくない」と言い、40代、50代は「いまの20代は受け身で何を考えているか分からない」と。

私はなんでこんなことが起こるのかをいろいろと考えました。実はこの考えた結果がビジネスにもつながっています。今回、私の考察をnoteで記事にすることで、少しでも世代間ギャップを感じている方々の御力になれたらと思い、書きます。


会社組織が陥る病気

経営者、役員、事業部長と話をしていると、よくこんな話題が出てきます。

・20代社員が受動的で能動的に行動しない
・新入社員が数年経過したら辞めていく
・管理職と一般社員に何となく溝がある
・会社で決めたことが継続できない
・中間管理職が残業しまくっている
・新規事業が生まれない

これは氷山の一部でしかなく、根本的には組織の世代間格差が組織開発に悪い影響をもたらしていることが多いです。

世代間の認識格差

年代ごとに特徴を細かくまとめました(著者作)。これを見れば、X世代(いわゆるロスジェネ世代)とZ世代やα世代で考え方が全く合わない理由が分かります。生きてきた時代も価値観も全く違います。これを無理に合わせようとするからハレーションが起こるのです。

世代ごとの特徴と違い

私の息子(Z世代)のたとえ話をします。先日、中間考査(中間テスト)がありました。その際、技術家庭の問題で、オフィス365Wordの操作方法が試験に出ていたみたいです。私はWordをはじめて就活のとき。本格的に使ったのは、社会人になってからです。しかし、13歳のα世代は、もう使いこなしています。

たとえ話をもう1つ。子供たちが夏休みに自由研究の課題を作っていたのですが、全部パワポです。私たちのころのように、模造紙に写真をぺたぺた貼って、丸めて学校に持っていく時代はとっくのとうに終わっています。

仕事に話題を移します。ゆとり世代と呼ばれるZ世代は、就職活動の際、CSR(企業の社会的責任)を重要視し、SDGs(持続可能な開発目標)を学生のころから学んでいます。40代以上の方々は、高度経済成長期の名残りそのままに、ブラックなんて言葉も分からず猛烈に走り続けてきました

だから、40代以上の世代は、20代を受け身だとか、納得しないと動けないと言いますが、そうやって育ってきたんです。一方、20代の世代は、40代、50代は何も考えず気合だけと言いますが、40代50代が、バブル崩壊後の苦しい日本を歯を食いしばって社会を支えてきたんです

このお互いの育った環境や価値観の違いを埋めるのはコミュニケーションなんですが、それが取れていないのも大きな問題です。ではなぜとれないのでしょうか。もちろん、スキルの問題もありますが、これまた環境の問題もあると私は考えます。

40代、50代の管理者が忙しすぎる

パーソル研究所の調べによると名ばかりの「働き方改革」を行なった結果、管理職の業務量が増加しているようです。これは実際の現場に聞いた意見でも同様の声が多くあります。確かに、組織全体の残業時間を減らすために、あふれた仕事は管理者に任せて対応してもらったり、プレイングマネージャーという都合の良いネーミングで業務をしている管理者も多くいます。

※パーソル研究所 中間管理職の就業負担に関する定量調査より
※パーソル研究所 中間管理職の就業負担に関する定量調査より

求められる管理職像

とはいえ、私は管理職の仕事を減らしましょうと言っているわけではありません。管理職が大きく変わる時代に来ています。今までのように、自分が先頭を切って、突っ走り、言われたことを完遂することが管理職の役割ではなく、若いメンバーや部下が自ら考え、自ら動いてもらえる組織作りをすることこそが、生き残る道です。

スポーツ業界で参考になる方がいます。WBCで日本代表を優勝に導いた栗山監督です。栗山監督は現役のヤクルト時代、通算打率は2割7分9厘。通算本塁打は9本。アベレージヒッターですが、華々しいとは言えませんし、現役選手としても6年のキャリアしかありません。こう言っては何ですが、これくらいの成績の選手は他にもいます。

しかし栗山監督は、日本国民が熱狂する大偉業を成し遂げました。もちろん、選手とともにですが。これは栗山監督のマネジメント方法にあると私は考えます。選手1人1人と対話をして、選手の価値観を尊重し、個性を活かし、主体性を大切にする。これが監督としての最大の強みであり、選手1人1人の能力を最大化させたのだと思います。

この記事を読んで、間違っていないと再認識をしました。

研修では埋められない組織の溝

では、栗山監督のようになるにはどうすればいいかです。いま世の中には管理職研修やコミュニケーション研修と呼ばれるものが数多くあります。しかし、組織の溝は埋まっていません。なぜでしょうか。それは行動変容になっていないからです。

カトリックパークモデルの4段階評価法

一般的な研修は、レベル1の反応で終わります。その後、自ら学習をして、行動につながっていないことが多いんです。会社側もそれを追いかけるアセスメントをするほど暇ではないのが実情。「管理者なんだから、行動変容くらい自分で起こしてよ」というのが、本音です。しかし、既述で触れたように、管理者は多忙を極めており、学びを行動に結びつけることができません。

新たな習慣化

なので、習慣化が重要です。そのためには会社が「管理職は自分で考えて自分で動いてくれよ」ではなく、伴走する姿勢が必要です。なぜなら、いろんな業務を管理職にまるなげしていて、管理職は身動きがとれないからです。

外部のサポート力で、経験学習サイクルを作ります。

学びが浸透する経験学習サイクル

経験学習サイクルを起こす簡単な方法

まずは何をすればいいか。それは1on1を見直すことです。まだ実施していなければ、開始する。実施しているけど、成果が出ていなければ、中身を見直すのがおススメです。

既に1on1は実施しているという企業でも中身をみると、
“単なるおしゃべり”
“上司が一方的に話をしている”
“目標と行動の話につながっていない”

こんな状況、たくさんあります。まずは正しい形の1on1におけるコミュニケーションを学びます。そして、管理職は部下を信頼し、価値観を尊重し、主体性を大切にするコミュニケーションを繰り返し、ロープレやセッションのログを振り返ります。そして、管理職は外部のメンターやコーチに1on1を実施してもらい、部下の気持ちになります。これを繰り返しながら、座学を学びます。こうやって経験学習サイクルを回していきます。ビジネスマンが営業を学ぶときに、おこなったロープレや先輩からのフィードバックと同じですね。

コーチングスキルを活かす

1on1で使うコミュニケーションのスキルも磨く必要があります。コーチングスキルの活用が向いています。図にあるようにティーチングはクライアントが講師から学びを教示してもらいます。カウンセリングはクライアントが館セラーに悩みを話しますが、答えは必要ありません。話すこと自体に意味があります。一方でコーチングはクライアントとコーチが常に対等であり、クライアント自身が行動変容を起こすようなコミュニケーションを取ります。ですので、コーチはアドバイスもしませんし、クライアントにとってバイアスになるような余計な発言もしません。あくまでクライアントが内省し、自分で自分の行動を決めるためのアシストをします。

ティーチング・コーチング・カウンセリングの違い

前段でも書きましたが、こういったコミュニケーションをとるので、相手を信頼し、価値観を尊重し、主体性を大切にする必要があります。

謝辞

ここまでお読みいただき、ありがとうございます。組織にジェネレーションギャップが起こる理由と対応策をつらつらと書いてきました。とはいえ、この内容を全て社内で完結して行うのは、相当な時間とリソースが必要になります。ですので、小手先でこの問題に向き合うのではなく、経営課題として向き合うことがとても大切です。ぜひこの記事をお読みいただき、少しでも思い当たる部分がある場合、よろしければ、下記リンクからかさいまでご相談ください。どんな些細なことでも構いません。

また、読み応えあったなと感じていただけましたら、スキをぜひおねがいします!X/Twitter(@hiroshikasa)でもいろいろとつぶやいていますので、フォローをいただけますと嬉しいです!

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